2016年9月13日火曜日

東京スクーリング報告

 秋は展覧会のオンパレードですね。卒業生の方たちの活躍の様子たのしみです。
美術館の特別企画展や団体展から、皆さんが企画したグループ展や個展まで…
 私たちも出来る限り出かけて拝見したいと思いますが、やはり全ては無理なものです。
是非、ガイドなどでスケジュールをチェックし、自分の栄養になる展覧会を目指していただければと思います。
 
さて今日は、この日曜日に終わった二年次該当の東京スクーリング「静物油彩2」の報告です。

 この課題は一年次と違い、デッサンから入りますがここで興味や構図を探り、次にコラージュによるエスキース作りをします。
 この段階で受講生の方は、一体何をやっているのか?という疑問に陥るようですが、ここが魅力ある画面づくりをする行程への入り口です。おそらく描画という技法の訓練にならないように思われるのでしょうが、疑う事なかれちゃんと脳の造形的視界を拡げてくれます。
 切り貼りや、かたちや色彩、マチエールに対する意識、そしてそのコラージュエスキースをモチーフにした描画工夫など、総合的に後々の自主制作で必ず必要になることの一回目の練習となります。この後の「コンポジション」と併せて徐々に理解が深まりますので、安心して受講して下さい。

《洋画Ⅳ-1 静物油彩2》


前半:8月26日(金)~28日(日)
後半:9月09日(金)~11日(日)
担当:山河全(尊志)


■前半

まず初日は導入講義から入り、鉛筆デッサンで興味の中心や構図を探ります。


まず壁に設営された、なんだ?この風情も何もないモチーフは。といったところから描写が始まりますが、皆さんの眼はしっかりと自らの興味の焦点や、説明で受けた構成(コンポジション)のことを意識した構図などを見つめています。




一日目の終わりには寸評というより、自らの画面を眺めてもらいました。
皆さん仕上がってはいないのですが、なかなか構図を意識した良いデッサンです。




二日目に入ると、このデッサンを元に紙片や様々な素材によるコラージュによるエスキース作りに入ります。



 


なんだかわからないなりに夢中になるうちに画面が出来ていきます。



二日目の終わりには、ごった返した教室を離れ外で、今出来ている画面の確認をしました。














それぞれに似ているとか、似ていないとかも感じるところですが、画面としての充実感だけを見る工夫ですね。
次の仕事がしやすくなります。











二日目の終わりには、上野の都美術館で行われている「ポンピドー名作展」へでかけました。



こういう機会にしっかりと作家の絵具の乗せ方や技法が探れると良いですね。

三日目は思い思いにできていないと思う所を目安に仕上げに向かいます。



鉛筆デッサンとコラージュです。
あえて講評は避け、これを描くのだという後半に向けての心構えをしてもらいました。


■後半

前半で作ったコラージュをもとにひたすら描画します。ここではすでにモチーフは取り払われ、皆さんの手がかりは手元の鉛筆デッサンとコラージュのみです。


ここまで来ると描くしかないのですが、どのようにして絵具をくっつけたら網目のようなテクスチュア
(肌触り)になるのでしょうかね。工夫のしどころです。


結局は描くという作業を抜いては、形や色彩、マチエールも創れません。


疑問の多かった課題も大詰め、それぞれが画面の充実にむけて筆をおきます。


これが仕上がりです。完成未完成などそれぞれの思いは別にしても壮観です。
解らないなりにつくった作品群、通常の描画に比べとっても造形的でゴージャスな眺めです。
すべてがこうあった方が良いというのではなく、ひとつの展開方法といえます。

では少し大きめの画像でご覧ください。






 下塗りや絵具をしっかり乗せたおかげで、うすっぺらな絵は一枚もなく、がっしりと堅牢で充実した画面ができました。それぞれに描画の問題は残るでしょうが、本当にみなさんよく努力されたと思います。一歩も二歩も進み、色彩の混色や発色、筆の扱い、乾燥のコントロールと本当によく学んだ6日間だったといえます。お疲れさまでした。
 途中、理解できずに苦しむことや、うまくいかない苛立ちもあったでしょうが、夢中で描き工夫することも描く楽しみのひとつです。大変だと思わず描ける喜びを味わえるようになっていただければと思います。(Y)