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2018年7月31日火曜日

夏の公募展関連・洋画イベントのお知らせ

暑くいろいろあった7月も終わり、明日からは8月ですね。
まだまだ被災された方たちにとっては大変な夏、こころよりお見舞い申し上げます。
早い復興を祈るばかりです。

 さて、この17日から25日まで本学恒例の「真夏の全国卒業生・修了生公募展」が開催されます。洋画の卒業生修了生が大半を占める夏の公募展、今年はどんな作品が並ぶか楽しみですね。25日最終日には表彰式と瓜生山懇親会が開かれます。
皆さんこぞってご参加ください。
 洋画研究室ではこれに伴い恒例の洋画トークイベントを二つ準備しています。
一つは活躍される通信洋画卒業生・修了生をゲストに招いた「ゲスト・トーク」、もう一つは公募展出品作を講評するギャラリー・トーク」です。
毎年、懇親会や展覧会に来られる方たちを対象に行っています。洋画在校生や卒業生は勿論のこと、外部の方も大歓迎ですので、こぞってお越し下さい。
 今年は通信洋画卒業後、大学院へ進学され、2014年に修了された大浦孝子さんをゲストにその卒業後を語っていただきます。

《洋画トークイベント》

期日:2018年8月25日(土)①16:00~ ②17:00~
場所:①NA408教室 & ②1Fギャルリ・オーブ

①ゲスト:大浦孝子 聞き手:山河全
②ギャラリー・トーク(川村悦子・奥田輝芳・山河全)
③瓜生山懇親会(私達教員も参加予定です)


皆さんこぞってご参加ください!
また日が近くなりましたら重ねて案内させていただきます。(Y)



2018年7月27日金曜日

大阪・京都芸術学舎関連講座のご紹介

 少しましになったと聞きましたが暑いですね。皆さんお元気にお過ごしでしょうか。
大阪北部地震や西日本豪雨被害など大変な夏になりましたが、熱中症も危険度を増しております。台風12号で被害が拡がらぬよう祈るしかできませんが…
 ただ日中少し出かけただけでも疲労の度合いが違うのか、帰るとすっかり疲れて居るこの頃です。ただならぬ状態ですので重々お気を付け下さい。
とは言ってもこの夏、のんびり何もせず過ごすのも勿体ないと思います。現役在校生の方は是非、一つでも二つでも課題に手を付けてみて下さいね。

 今日は、東京・大阪・京都で展開する、中原先生の卒業生・修了生対象の洋画塾などでおなじみの洋画関連の大阪・京都芸術学舎講座のご紹介です
講座設計を離れて少し経ちますので久々の宣伝です。
 東京学舎では残念ながら現状では展開できないので申し訳ありませんが、興味がある方には関西まで出かけてきていただいてます。勿論在学生に限らず、一般の方でも受講できますのでご興味がある方はこちらからアクセスしてみて下さい。
https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/stgg/top/top/


春 
春:スケッチ風景(竹ペン)…………………石田 歩

募集終了!
竹ペンを使い、どんどん風景を描いていきます!
難しそうで消さない分思ったよりも進みます。
元工作少年・石田先生が一つ一つお手製で作られた竹ペンが準備されます。



春:ヌードクロッキー講座……………………宮道知子
募集終了!

人物を捉えるのは、じっくり描くデッサンも大切ですが、
動きを失っては生きた人間は描けません。
短時間でのクロッキーを重ねることで、次第に生きた線
を引けるようになります。






春:楽しく学ぶテンペラ画講座春……………今井康雄

募集終了!
講師の今井先生は日本画出身ですが、イギリスブライトン
へ留学後油彩、テンペラ、アクリルを使いこなし繊細な表
現が得意です。
やさしく卵テンペラを解説し高度な技術までが学べます。

 




春:静物デッサンの遠近法……………………富士篤実

募集終了!
今年からは春は静物画を中心の遠近法を学びます。身近なモチーフの自然な見え方は、まずはデッサンの第一歩。しっかりと基礎を学びます。







夏:石膏木炭デッサン…………………………木村克郎
募集終了!
美術大学といえばデッサン、デッサンといえば石膏と云われるくらい、日本では石膏デッサンが美術の代名詞のように言われた時代がありました。
美大生らしく、その石膏を木炭の使い方から学びます。








夏:パースを学んで描く水彩画講座………田中 勇

募集終了!
田中先生は洋画出身ですが建築パースの専門家。
企業のカレンダーなどもこなすテクニックは超一流。
パースを学んで水彩画までという上級テクニックを少しずつ学んでいきます。






夏:楽しく学ぶフレスコ画講座夏…………箭内新一

現在まだ募集中です!!
フレスコは漆喰が塗れる壁がなければできない!と常識を覆した講座です。気軽にテーブル上で、本格的なミケランジェロばりのフレスコが学べます。8月8日まで申込み可能です!




夏:フォトリアリズム講座………………………水口裕務

募集終了!
誰もが一度はやってみたいフォトリアリズム、トレースからひとつずつ手順を踏みながら、誰でもできるフォトリアリズムを水口先生が丁寧に指導していきます。



夏:ココロ遊ぶ水彩画講座……由井武人・富士篤実
募集終了!
自由に色彩を楽しみながら描く水彩画は、若手講師2人の人気講座!実は簡単そうにみえる水彩画にはコツが必要です。洋画若手コンビが丁寧に水彩の楽しさを指導してくれます。







夏:洋画研究講座夏(絵画編)…………洋画研究室

現在まだ募集中です!!
夏の洋画研究講座は冬と同じく研究室専任四人で対応する講座です。春はエスキースですが、夏は油彩やアクリル作品づくりを中心に講座をすすめていきます。8月8日まで申込み可能です! 
 



夏:デッサン絵画のための遠近法…………山河 全

募集終了!
西洋絵画ではデッサンや絵を描くうえで、必ず必要になる遠近法をわかりやすく紐解き、実際にいくつかの作画などトレーニングを通して、自然なパースペクティブとは何かを身に着けていきます。




― 秋・冬講座なので募集はまだ始まっていません。乞うご期待!―



秋:アクリル画技法講座…………………………一居孝明

講師の一居先生はいたずら好きの技法の宝庫、だまし絵で展覧会を訪れたお客の眼を奪います。そのアクリル画の技法を具体的に紹介してくれます。






秋:楽しく学ぶテンペラ画講座秋………………今井康雄


春の講座に続き、秋はテンペラの応用として黄金背景の技法も学んでいきます。金箔の使用方から画面との関係など緻密な画面計画でできあがるゴージャスな絵画。古典技法の結晶ですね。油彩・日本画を問わず勉強になります。







秋:人体木炭デッサン……………………………木村克郎

講師の木村先生は、デッサンで有名な、かのすいどーばた美術学院の元主任。きびしいながらも優しい指導で、木炭の扱いから人体の何たるかを熱血指導されます。







秋:風景デッサンの遠近法………………………富士篤実


秋の遠近法講座は今年より風景に特化した遠近法の講座。
あれもこれもではなく、風景のような大きな空間はどのように描いたら成立するのか。静物との違いを明らかにし、身近な風景を描けることを目指していきます。



秋:ギャラリーの現場から………………………松尾 惠


講師の松尾さんは、元現代美術アーティストですが、画廊を開設し京都市の美術ディレクターとして数十年若手育成をしてきたベテランギャラリスト。
ギャラリーの楽しみ方やこれからギャラリー開設を目指す方には絶好の講座です。




冬:楽しく学ぶフレスコ画講座冬………………箭内新一


謙虚でおだやかな人柄からは、想像もできない卓抜した描画力に飽き足らず、留学し最先端アートまで身に着けたアーティストのフレスコ冬バージョン。といっても初心者には優しいフレスコの入門編を、経験者には自由に扱うための更なる上級編も準備しています。学んで損はない講座。






冬:洋画研究講座冬(エスキース編)…洋画研究室


それぞれ作家としてベテランの洋画教員四人が指導する冬の洋画研究講座はしっかりとしたエスキースを創る講座。しっかりした着想から綿密なエスキースができ絵画が生まれていきます。一歩うえを目指す絵画のためのプロセスとその手法を学んでいきます。




冬:フォトリアリズム講座冬…………………水口裕務

いわずとしれたフォトリアリズムのベテラン作家、水口先生の冬バージョンです。少し学ぶだけでリアリズムが近くなりますが、更に魅力ある画面へと進化するために、その取材から一歩上の仕上げまでのプロセスを学びます。





冬:知って拡がる水彩画講座……………由井武人・富士篤実

水彩画は薄く溶いて滲ませるだけ…とは限らないのです。ガッシュもあれば、透明水彩もあります。ドライブラシやドリッピング、スパッタリングなど技法も多々あり、他の素材との併用でいくらでも表現の幅は広がっていきます。





冬:石膏木炭デッサン……………………………木村克郎

入試の石膏デッサンなどくそくらえ!…と云われても、石膏は基本を抑えるうえではとても便利なデッサンのモデル。光と影から量を学び、立体の見え方描き方を学ぶには絶好の対象です。見方や描き方に困っている方は是非試してみて下さい。




※以上が今年度開講予定の「大阪・京都芸術学舎」の洋画関連講座一覧です。
他にも、中原先生や木村克郎先生の卒業生対象の油彩関連講座芸術総合学科からのデッサン描画科目等もあります。
 最近webではだんだんと受付終了したものが表示されにくくなりましたので、一覧をまとめてみました。先生方は通信在校生、卒業生・修了生、一般を問わず待ち構えておりますのでお時間ある方は是非ご活用下さい。(Y)

修了生のご活躍

明日から愈々卒業制作の2回目のスクーリングが始まります。

でも台風12号でしたっけ? 

この週末に上陸との予報です。

7月初めのスクーリングを思い浮かべました。あの時は大変でしたから…。

西日本の災害の爪痕が大きく残っているさなか、台風が怖いです。

皆様もくれぐれもお大事に。お気をつけてください。

さて今日は「修了生のご活躍」の紹介です。

2015年度生の杉森康彦さんと2016年度生の増田正昭さんの個展です。

どちらも7月の展覧会紹介でお知らせしましたね。

杉森さんの展覧会は終了しましたが、全33基ある祇園祭の山鉾の丁度半分の17基の制作中間発表と題された展覧会でした。

ではその模様から。

会場は京都芸術高校。京阪宇治線の黄檗駅下車。徒歩5分の静かな場所です。
「黄檗(おうばく)」という場所はその昔、黄檗山萬福寺の開祖隠元禅師で有名な中国の禅宗寺で唐風?というのか、何か泰然とした空気が感じられます。
普茶料理もおいしいですし、宇治の手前でちょっと途中下車。というのもいいですよ。

さてここで、祇園祭33年計画中間発表展が行われました。
杉森さんはこの高校の卒業生で、いわば錦を飾っての里帰りでしょうか。


橋弁慶山  2010年


会場風景



新聞社のインタビューを受けています!

浴衣姿が杉森さん


左長刀鉾 右、綾傘鉾

右の綾傘鉾の棒振り囃子と踊りというのを今年初めて「先の祭り」で見ました。
この絵の中央の若衆が、一人長い棒を振りまくり、踊りを披露するのですが
これが中々見もので、見ていた私たちも汗だく。


会場では京都芸術高校の学生たちも熱心に見ていましたよ。
先輩(杉森さんのこと)やるじゃない! 




こちらはもう一つの会場。
四条新町下がるの呉服店「小泉」にて。院生たちと。


さてもう一つは増田正昭さんの個展です

増田さんは、2016年度修了生。
改めて今回の初個展で増田さんが被爆者2世のお一人と知りました。
8月になるとヒロシマ・ナガサキが私たち日本人には異口同音に声に出ます。

今回のテーマはヒロシマでした。




           

              作品「語り継いでください」







小さなキャンバスに、一様に被爆者のみなさんの肖像が並べられていました。
その方達のメッセージもパネルに載せられています。

今までの増田さんの作品と異なり、静かで淡々とした語り口です。

今までというのは、
増田さんの作品が一貫してヌードをテーマに描かれていたものでしたから…。

大学院2年時に脳梗塞で倒れられて、リハビリ。それでも院修了前には自画像を描かれて無事に修了。大変でしたね。

その経験が新たな出発へと向かわせたのかもしれません。


1階には御得意の女性ヌード作品も展示されていました。


右が増田さん。


中央奥には大学院の同級生の顔が見えます。
城野先生、相見先生もちらり。
皆さん遠い所を来て下さったのですね。

修了生のお二人を通して、夫々が心に秘めたテーマを胸に、
熱い想いが伝わる展覧会でした。

増田さんの個展は今週日曜日29日まで、
京都御所蛤御門まえ。
ギャラリーCreate 洛にて。
ぜひいらして下さい。( K.)


2018年7月21日土曜日

京都二年次該当スクーリング


 二年次に入ると人体油彩もただ描くだけではなく、人体の仕組みがどうなっているのかを確認しながら、立体としての人体を画面に造りあげる工夫をしていきます。

 その入口として、絵画では珍しく彫刻のように塑造を行い、デッサンや油彩にその感覚を活かしていきます。
 今回は京都で行われた「人体油彩a」が、担当された城野先生から報告が届いていますのでご覧ください。

洋画1 「人体油彩2」(塑造と油彩)


前半 6/15(金)~6/17(日)

後半 7/13(金)~7/15(日)


担当:城野愛子先生、藤部恭代先生


人体の構造や量感を立体的に把握するために
この授業では油彩に先立ち塑造に取り組みます。

■前半
1日目>
前半は塑造と木炭デッサンです。

クロッキーで人体のポーズを決めたら

 
まずは心棒制作から

 
輪郭ではなく中心から外へ、かたちの張りを探る体験。
夕方には小講義
1日目は藤部先生にもご指導いただきました。


人体全体を貫く軸のかたちをみつけましょう

2日目>
午前中は塑造制作を続けます


いろいろな方向からかたちのつながりを確かめて…
 午後からは木炭デッサンです。


粘土で探った感覚の醒めないうちにざっくりと。


夕方には塑造と途中のデッサンを並べて講評。

3日目>

デッサンを続けます


デッサン合評風景

塑造でつかんだ量感や起伏や奥行きの実感を平面上で組み立てるために必要な明暗の差、油彩でも忘れずに意識していきましょう。

■後半
1日目>
後半は油彩です。

前半から1ヶ月経ち、教室も移動しましたが、
同じモデルさんにほぼ同じポーズをお願いしました。


描きだしは人体の大きな軸と動きをとらえて伸びやかに


自由に色味の幅を広げながら明暗を合わせていきます


夕方には作品を並べて寸評
2日目>

油彩制作を続けます


夕方には中間講評します
3日目>

人体と空間を同時に見比べながら


明暗・色彩・線・マチエール等も生かして…
 
作品をいくつかご紹介します。


合評風景です。


塑造制作で手の実感として確かめた肩の厚みや筋肉のかたち、人体や空間の奥行きが皆さんそれぞれによく意識された実在感のある制作であったと思います。
これからもがんばっていきましょう。

(報告:城野先生)

※みなさん、初めての体験ながらとても熱心に取り組まれていますね。きっと今までと違い見えているだけではない何かを感じられたと思います。
 途中簡単ながら人体解剖学や骸骨のサンプルなども登場し、きっと骨組みや筋肉の動きなども意識されたことと思います。
 もちろん全てが理解できなくても大丈夫!そのように探究する気持ちが、実感のこもった画面を造らせてくれるのです。
 それぞれの油彩から、絵画のもつ不思議なリアリティが伝わってきます。(Y)