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2016年5月28日土曜日

展覧会「川村悦子ーありふれた季節」のお知らせ


川村悦子展−ありふれた季節 
西宮市大谷記念美術館 
兵庫県西宮市中浜町438 
2016/6/11(土)7/31(日)
休館日水曜日 無料開館日7/18(月・祝)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
【アーティストトーク】 
 6/11()7/31()午後2時~3
 要申し込み 定員100(先着順)
 申し込み方法 513()午前9時~ 電話(0798-33-0164)で受付






黄いろい家 1986年

Giottoの樹 1997年

道 2012年

皆さんこんにちは。川村です。

私の展覧会のお知らせを致します。
作品は初期の頃のから新しいものまで、主なものを展示致します。
散々迷っていた時期に出会ったモチーフも幾つかあります。なんとか繰り返し制作する過程で道しるべを示してくれたように思います。

絵画って不思議ですね。

自分の意志で描いているつもりなのですが、絵という得体の知れぬ生き物に従属していることを知ります。どれだけ描いても上手くいかないことは多々ありますし、なにげに描いてすっといくこともあります。でもどちらも私の絵ですから残しておきたい。
絵という形を持ちながら、そこには自分が精一杯尽くした時間と気持ちが宿ったものだからでしょうか。

遠方ですが、皆様にご高覧頂けると嬉しく思います。よろしくお願い致します。

川村悦子






2016年5月23日月曜日

展覧会レビュー

さてさて皆さん、展覧会や受賞とご活躍の様子何よりです。
卒業生ではありませんが、富士先生より現在行われている展覧会のレビューが入りました。

「森村泰昌:自画像の美術史ー
  『私』と『わたし』が出会うとき」展

場所:大阪国立国際美術館
日時:4月5日(火)~6月19日(日)月休10:00~17:00(金のみ19:00まで)



先日、大阪中之島にある国立国際美術館で開催中の
「森村泰昌:自画像の美術史ー『私』と『わたし』が出会うとき」展を
見て参りました。


自らが様々な歴史上の人物に扮し、セルフポートレイトでしられる森村氏が今回は美術作品のなかの自画像をテーマに作品を発表しています。
どのような作風かご存じない方は下の画像を見てもらえれば分かると思います。


森村氏も初めは絵を描かれていたのですが、35歳の時にゴッホに扮したセルフポートレイトを制作し、発表しました。ゴッホの自画像を参考にし、各部位も作られています。


帽子の部分は紙粘土の塊に釘を打ち付けた物で作られており・・・


ジャケットにもゴッホ風のペインティングをし、顔にももちろんゴッホ風のタッチでペイントしてあります。

はじめてご覧になる方には、絵画ではないので、どう鑑賞すればよいのか戸惑う方も
おられるでしょう。が、じっくり鑑賞していくと・・・


絵画の登場人物全て森村氏(笑)深刻なテーマであるのだけれど
何となく笑える要素もあったりで鑑賞者を楽しませてくれます。
西洋絵画に対して敬意を払いながらも、ちょっとしたアイロニーを含ませることで
様々な見方を誘発させてくれます。


良く見ると絵画が制作された当時には存在しなかった物も使われていて、必ずしも元絵の再現だけを目的としていないことがわかります。


画像は、ベックリンの自画像(ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像)を元ネタにした作品の部分なのですが、筆先がわかれています。
気になったので、後で元絵を確認してみると、確かに筆先がわかれて描かれていました。
元絵を再確認させるための仕掛けだったのでしょうか。まんまとひっかかってしまいました。


面白かったのはベラスケスの部屋。
詳しくは見てのお楽しみですが、作品を眺めていると自分が絵の中に入り込んでしまった様な錯覚に陥ります。
「ラス・メニーナス(女官たち)」自体が、鑑賞していると画中の人物に見られているような効果をもっているのですが、それをさらに説明してくれている作品でした。


私も「ラス・メニーナス(女官たち)」に描かれているキャンバスの止め方が、いつも不思議だなと思うのです。
上の画像は森村氏の作品ですが、元絵では木枠側面ぎりぎりにキャンバスが張られて
いて「これはどうやって止めているのかな??張れたとしても、ヘロヘロな張りになってしまいそうな・・・。」
と思ってしまいます。当時はこのくらいの張り方が普通なのでしょうか?
それともベラスケスのメッセージなのかしら?謎です。

最後に美術館地下2階では、映像作品が見られます。
60分と長めですが、それでも今回の展示の総まとめといえる映像作品です。
映画の様に楽しめるので、最後にはぜひ鑑賞してみてください。
(今回は写真撮影がOKの展覧会でした。勢いで同時にやっているコレクション展まで
撮影してしまいそうですが、森村展だけですのでご注意を(笑))
 

(報告:富士篤実先生)


※富士先生レビュー投稿ありがとうございました。

 先日は個展準備で忙しい川村先生も江之子島で行われている「大阪クラブ」の展覧会へ行かれた様子。
私は土曜に京都のギャラリーを三か所と美術館一ヶ所。日曜には上記の大阪クラブ最終日へ駆け込みました。ついで森ノ宮サクラアートミュージアムで行われてる押江千衣子先生の個展会場へも伺いました。
 通信で学ぶ方にとり材料の扱いが大変勉強になる展覧会ですよ。6月までやっていますので是非ご覧ください。
帰りに神戸三宮で城野先生出品されている「京」展へ、こちらも最終日で滑り込みでセーフといった状態でした。

京都から大阪、神戸と駆け回り多少疲れましたが…
 展覧会鑑賞は何よりの絵の栄養素!皆さんもいろんな展覧会をご覧になってますか?(Y)


展覧会「第72回現展」

現在大学院2年生の水上卓哉くんから第72回現展入選の知らせが届きました。
おめでとう!!!
以下水上君からのメッセージです。(K.)


「このたび72回現展にて 作品『200年後の君たちへ vol.3が ピックアップアーティストとして「明日への扉」企画室に展示が決定いたしました。
また
529日開催の現展会期中イベント11:00~シンポジウム(定員50) のパネリストとして。
1430~はギャラリートークのトーク作家として出演します。
お近くの方はどうぞ応援にいらしてください。」

第72回現展
2016年 525日~66日 
10001800入場は1730まで最終日は入場1400まで・531日は休館
会場:国立新美術館 東京都港区六本木7-22-2 ☎03-6812-9921(会期中)

詳細:水上卓哉HPhttp://www.atel ier-takuya.com
       現代美術家協会→http://art-genten.com/   
   国立新美術館→http://www.nact.jp/exhibition_public/
入場料:一般 700円/65歳以上350       
大学生以下・障害者手帳をお持ちの方及び付添者1名まで 無料


※名古屋展は75日~710日 愛知県美術館にて開催











2016年5月22日日曜日

卒業生展覧会「菅原照個展」「2016四人の作家展」「芦田寿個展」のお知らせ

まだ5月ですのに、陽射しが厳しく、気温も急上昇しています。
お身体気をつけて下さい。
卒業生の展覧会を紹介しましょう。

一つ目は今年大学院修了の菅原照さんの個展です。
菅原さん初個展ですね。臨床美術のワークショップも会期中されるそうです。
場所は北海道です。季節の美しいときですね。通信の道民のみなさん、ぜひいらしてください。

SUGAWARA個展
2016.6/8~14 (13日は休館日)
滝川市美術自然史館
北海道滝川市新町2-5-30  TEL.0125-23-0502
10:00~17:00(最終日は16:00まで)
臨床美術ワークショップ開催時間13:00~14:00







二つ目は2011年大学院を修了された皆さんをはじめ、4人による展覧会です。
土井素子さん。小出陽子さん、西川佳好子さん、吉見照子さんのメンバーです。

2016  四人の作家展
土井素子/小出陽子/西川佳好子/吉見照子
2016.6/11~16(最終日4時まで)
BBプラザ美術館
神戸市灘区岩屋中町4-2-7(BBプラザ2F)TEL.078-802-9286







たしか、この会場は兵庫県立美術館の近くでしたね。
私も同時期から西宮で展覧会があります。またブログにアップしますが、皆さんぜひ一緒に展覧会廻りしませんか?

さて最後は2012年度大学院修了生の芦田寿さんの個展です


芦田 寿 個展「ブロッコリー(凛として)〜里の秋」
2016 6/15~20   11:00~19:00
アートギャラリー北野
京都市中京区三条河原町東入るコーカビル1F
TEL. 075-221-5397

 


芦田さんは3回目の個展ですね。ブロッコリーを中心に里の秋と題されたモチーフに様々な野菜などが登場してくるのでしょうか。お楽しみに(K.)

大阪クラブ絵画展報告します!

大阪クラブ絵画展は今日が最終日でした。
皆さんもう片付けたかな?
ご苦労様でした。

さて画像が送られてきましたのでご紹介しましょう。
昨年の今頃も、一昨年の今頃も定例で大阪府立江之子島文化芸術創造センターで行われています。昔と比較してご覧になっても面白いですね。


センター近くの風景。いい場所にあります。

初日は講評会でした。皆さん熱弁。

結構男性が多いのですね。

円形もあり。色彩も華やか。

所狭しと描き込む!大阪やから?臨場感があります。

みなさん。具象も抽象もテーマに即して挑戦が続きます。

ひさしぶりの恩師と。


こちらはテンペラ画。
大阪クラブは洋画、日本画、テンペラ、そしてドローイングと多彩なジャンルからなっています。

ドローイングの部屋から。


デッサンあり、水彩あり、皆さん楽しんでいますね。



どちらかというと、洋画の作品が多いように感じましたが、
空間も新しく、白い壁で作品が映えますね。
現在在学生も含め卒業生とあわせると400人ほどの洋画、日本画の人たちがクラブに在籍されているそうです。ここに出展された人たちはその一部ですが、在籍者の皆さんも先輩の肩を借りて積極的に出品されるといいですね。

多作は傑作を生む。失敗は成功のはじまり。




皆様また来年まで!(K.)








京都スクーリング報告

連休頃でしたので少し前ですが、石田先生&城野先生よりスクーリング報告が届きましたのでアップします。
諸先生方、添削やその他仕事のお忙しい中、画像選定や文章を考えるので時間をとることがありますのでご了解願います。城野先生展覧会中のお忙しい中ありがとうございました。

《 洋画Ⅲ-1 人体油彩2「塑造と油彩」 》

前半:4月29日(金)~5月01日(日) 担当:石田歩先生
後半:5月06日(金)~8日(日)    担当:城野愛子先生

■前半

洋画コースなのに塑造?
教室という空間の中に堂々と存在する立体物・人体を粘土でデッサンする。
立体から立体への再現。全方位からの観察と塊を感じ取ることが重要。


そして平面へのデッサン。



塑造をやってからの木炭デッサンは、塊を描き取ること、空間の中に塊を描くことへ意識が向かう。
懸命なる観察と、試みの木炭デッサン。





 美しい素描作品を作っているのではない。演習とは正直な実験である。




作るな。表現をするな。個性的に描くな。そこにある形を正確に描くべし。
明暗の秩序をとらえよ。
形も描き方も、モチーフに教えてもらえ。



人体という自然の創造物をモチーフに、塑像と木炭デッサンに打ち込んだ3日間であった。

(報告:石田歩先生)


■後半


a日程の後半は、9名の方が受講されました。


前半から 4日空きましたが、同じモデルさん、同じポーズ、同じ教室で、ほぼ同じアングルから、油彩F301点を制作しました。
エスキースを写すのではなく、しっかりとモデルさんを観察して描いていきます。


 描き出しは、好きな色2色を揮発性油でうすく溶いて混色しながら、キャンバスに直接描いていきました。
人体と空間の明暗関係にも注目して画面全体に色を置いていきます。


2層目は、揮発精油7:乾性油3にシッカチーフを少量(油壷に1、2滴)入れ、好きな色を自由に使いながら、明暗や前後関係を大切にして描いていきました。
前半の塑造で、様々な方向からモデルさんを観察して、人体の形のつながりや空間上の角度を確かめたことや、粘土を加減しながら実際に手の中で量感や面の起伏を確かめたことを思い出し、立体的な観察を目指します。
そしてまた、立体を平面で表すため、明暗の差に置き換えたデッサンでの感覚も生かせるとよいと思います。


 2日目は前日よりも乾性油の割合を少し上げ、絵具をさらに重ねていきます。
人体のフォルムをよりくわしく観察し、量感や起伏、前後関係に迫るよう、混色により様々な肌色を作りながら色のバルールを合わせていきます。
人体と空間の距離感も意識します。

夕方からその場でイーゼルを内向きに並べて中間講評を行いました。


 3日目はフォルムを細部までくわしく見ていくと同時に、各部のトーンを全体の中で見比べて微調整し、質感や前後関係を描き出すことにつとめます。




 午後からデッサンと油彩を並べて合評会を行いました。


塑造を体験したことで、人体を一方向から観察するときにも、立体的に想像しながら観察できたという感想が聞かれました。

また皆さんの制作を拝見して、混色で粘り強くトーンを調整しながらフォルムを立ち上げていく様子が、粘土で立体を立ち上げていく様子ととても近いものだと感じました。


 限られた時間ですが、皆さんそれぞれが目標を意識して主体的に取り組まれたと思います。
これからもがんばっていきましょう。

 (報告:城野愛子先生)

※連休の間、二週にわたる受講のみなさんは少し慌ただしかったでしょうね。本当にお疲れさまでした。その分復習も含め身に浸み込むことも多かったと思います。(Y)