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2015年6月26日金曜日

京都スクーリング報告

《洋画Ⅰ-1 牛骨鉛筆デッサン》

6月12(金)~14日(日) 


担当:由井武人先生、水口裕務先生、古野恵美子先生


時間は東京と前後しますが、由井先生より京都の牛骨デッサンのスクーリング報告が届きました。

               
 牛の骨、3日間、朝から晩まで牛の骨。文字にするとなんとも過酷そうですが、実際には3日間デッサンが上達しっぱなしの充実感と達成感にみちたスクーリングです。
 先週1回生の一番最初のスクーリングである牛骨デッサンが瓜生山キャンパスにて開催されました。教員も学生もそのほとんどが初対面であるスクーリングは初々しい緊張感のもとに始まります。一回生でも夏が過ぎた頃になると勝手知ったるスクーリングで和やかな雰囲気になりますが、始まりの緊張感あふれるこの時間もなかなか貴重なものだと感じました。
 今回のスクーリングでは1日ごとに自分の作品の写真を撮っておくことをお勧めしました。1日目よりも2日目の方が明らかに牛骨のプロポーションや形がしっかりしてきて、2日目よりも3日目の方が確実に立体感や質感が感じられるようになります。しつこく見てしつこく手を動かしていると画用紙の中に牛骨が立体感や存在感を持って浮かび上がってくる、それもやはり絵の面白さのうちの一つなんだと思います。
メーカーによる鉛筆の色味の違いなどを実験中。水口先生と息の合った漫才になりました。

 初めてのスクーリングだった方お疲れ様でした。これは僕の持論ですけどデッサンは上手くなることは出来ても下手になることは出来ません。どんどん枚数を重ねて上達していくことを楽しんでください。そしてデッサンはこれから始まる奥深い美術の世界にいつもつながっています。より広い意味でのデッサン力を4年間で身につけていきましょう。古野先生、水口先生、ありがとうございました!





(報告:由井先生)

※受講者が多かったせいか、水口先生や古野先生もお手伝いされたにぎやかなスクーリングだったようですね。
先生方もお疲れ様でした。(Y)

2015年6月23日火曜日

卒業生のご活躍③ 富山県展大賞受賞ー笹谷美保子さん

2008 年度に卒業された笹谷美保子さんが第70回富山県展で大賞受賞されましたので、お知らせします。






 新聞掲載された、この大きな女性の顔の絵画が笹谷さんの作品です。卒業時から、一貫して人物を巨大に描いて来られました。中原先生によると、「ずっと大阪のおばちゃんを描いていて、力強い作品だったなあ」と当時を振り返り感無量におっしゃっていました。
笹谷さん、おめでとうございます。(K.)

東京スクーリング報告

《洋画Ⅰ-1 牛骨鉛筆デッサン》


6.19日(金)-21日(日)/担当 山本努 先生


1年生始めのスクーリングの授業、洋画Ⅰ−1牛骨鉛筆デッサンになります。6.19-21の日程で東京外苑キャンパスで実施され、26人の学生さんが受講されました。指導は山本努先生安富洋貴先生が担当されました。


 モチーフはシンプルで牛骨が白いパネルに吊り下がっているものです。鉛筆の削り方、形態の取り方から説明してみます。退屈な部分も多いかなと思いましたが、初めての方、絵を描いてからずいぶんブランクがある学生さんが多かったこともあり熱心に受講していただきました。

 
一見簡単そうな、単純なモチーフですが描いてみると思たようには描けなかったりします。大きな形態が有機的に形を変えて行くために、部分で見て行くと大きな塊を見失ってしまいがちです。1、2日と手入れ指導させて頂きながら大きな形態感を損なわないように描いていきます。


2日目の終わりに中間講評を行います。
みなさん既に塊としての量感、個人の特質的な色や質感、形態の見方が出ていてこれからどのように絵を描き進められるのか3日目の制作が楽しみな状況です。また、始めの授業で集まった学生さんで初対面ということもあり、まだ座られている場所に距離があって緊張感がありますね。

3日目、最終日講評風景。
みなさん描き込み、画面の全体への追い込みで画面がどんどん充実して講評会となりました。それぞれ学生さんの距離も少し縮まり一体感が出てきているように感じました。早くから来て制作される方、休憩時間返上で制作される方、熱量の高い授業となり、個人個人での課題はあると思いますが、みなさんとてもいいデッサンになったのではないでしょうか。
 ご自身の中でうまくいった、いかなかったはあると思います。しかし、描く上での多くの壁と格闘された痕跡から、独自の表現の可能性が多く顔を見せているように感じましたし、モチーフへの眼差しの深さが画面に定着し、密度と充実感に満ちたデッサンが仕上がったと思います。基礎科目の領域ですので、ある程度の方法論はありますし、簡単に対象を捉え、描くことも出来ます。しかし、それぞれの表現に向かう上で、もっと重要な答えを導く切っ掛けになったのではないかと思います。

報告:山本先生

※二年次以降の方にとってはすでにお馴染みの山本努先生、今回は受講生が多く、急遽、大阪学舎の鉛筆フォトリアリズムの安冨洋貴先生にお手伝いいただきました。安冨洋貴先生は、高島屋やその他で活躍される鉛筆画のスペシャリスト。最近関西から関東へ転居されましたので、今後も東京スクーリングで時折お手伝い願いますので宜しくお願いします。
 現代美術で活躍されている山本先生と並び、最近、美術教科書にも作品が掲載された気鋭の作家です。
才能ある若手お二人の授業はいかがでしたでしょうか。(Y)

2015年6月18日木曜日

4年生卒制中間講評会の模様

6月15日月曜日に洋画4年生の卒制中間講評会が行われました。
全員集合ではありませんが、皆さん気の入った力作が勢揃いしました。



講評会前の緊張。A、Bクラス集合。


結構みんな描き込んでいるね。


              
            

           
                   


    キャンバスの上には写真コラージュの秘密あり。その上にペインティング


             原寸大エスキースを持参しました。


 四国から当日参加。この描かれたトラックにもいろいろな意味が込められています。


      子どもを描くまなざしに温かいものが…。長野から前日参加。


   この時点で、中間トーンがなかなか美しい。さて8月までどう展開するか。

1日8時間描き続けています!!!


   これは全てコラージュで成り立っています。紙媒体の軽快さと不安さが同居。
      

庭に咲く大葉がモチーフです。光と影の織りなすドラマがこれからの見所。 


         檻の中で叫ぶ私。怖いけれども何か可笑しい…。



赤松を描いています。立て構図ですっきり高さを強調?といかないところがみそ。



     中原先生の熱弁。「風景はどうしても手前が重くなりがちやで!」




毎日制作に励みました。ゴールデンウィークもどこへも出かけず描きました。成果は?



       現代版竹取物語みたい。カラフルな画面になりました。



     元々社会派的問題意識あり。最近は絵画そのものが楽しい?



アウトドアー派のNさん。カヌーでこの風景をたどりました。




これはBクラスの記念撮影。皆さん50号頑張って描いてください!!!
(A.& K.)


2015年6月14日日曜日

教員展覧会のお知らせ「黒田克正展」「中島一平展」「The extracted element 2015」「関西二科展」

洋画関係者の展覧会のお知らせです。
大学院でご指導されていた、黒田克正先生の展覧会から。

 黒田克正展 2015.6/16~7/12
 ギャラリーなかむら 11:00-19:00 (月曜休廊)
     京都市中京区姉小路河原町東入る tel.075-231-6655



          様々な線描と色彩が交錯してまるで大音響のよう。



            ギャラリーなかむらでの展示風景

黒田克正氏。シャツまでドローイング調です。



中島一平先生は3年次、抽象のスクーリングで指導されましたね。
■ 中島一平展 2015.6/15~27
      ギャラリー白 11:00-19:00(土/17:00)
    大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3F tel. 06-6363-0493

上のお二人はいわば「線」が画面の主役です。線が面になり、色彩が生まれ、形が育まれる造形過程のなかでも、描きの根幹である「線」をお二人がどのように扱われているか。さまざまな表情を見せる「生の線」。でも全く違う絵画です!



      大きな綿キャンバスに大幅の刷毛で、一気にペインティング? 
               何だろうこの前後感。



                これは洋紙に。



 
 窓辺に置かれていた小作品。この素材の正体は?ぜひ会場でお楽しみに!!!
 ギャラリでは他にも中島先生の小さなノートドローイングや、上の作品の数々が拝見で きます。楽しいよっ!



「The extracted element 2015」2015 6/22~27
朝日奈保子・小川万莉子・川口奈々子・佐藤未瑛・富倉宗嗣
0ギャラリーeyes  11:00-19:00(土/17:00)
大阪市北区西天満4-10-18 石之ビル3F  tel.066316-7703

中島一平展が行われるギャラリー白に、ほど近い老松通りにこの0ギャラリーeyesがあります。洋画事務担当の朝日奈保子さんが出展しています。いつもは授業にかかわる大切な準備や諸手続きなどで皆さんと関わる事の多い朝日さんですが、今回は絵画をとおして新たな彼女の一面に触れられては如何ですか。
遅ればせですが朝日さんの作品を紹介致します。







そして最後に、中原史雄先生が出品されている二科展です。

 第50回関西二科展 2015.6/23~28
京都市美術館 9:00~17:00 (入館は16:30まで)

この展覧会は関西在住の会員、会友、二科展出品者による展覧会ですが、関西展では新人に対してひろく研鑽の場を提供しようという特色がありますね。本学卒業生の出展も見られる事でしょう。京都市美術館は各公募展に広く場所を提供していて、京都市民にとってもゆかりの深い場所ですが、新たな美術館構想のなかで、一部地下工事をはじめ、新たな装いで私たちの前に現れる事と思います。楽しみですね。(K.)


中原先生の作品です。

今回の関西二科展では卒業生の藤原弘美さんが、50周年記念展賞を受賞されました。おめでとうございます!!!






2015年6月6日土曜日

スクーリング報告です!

三年次スクーリング「花」の報告が小枝先生より届きました。

洋画Ⅴ−1 「花」

5月26日(火)~31日(日)担当:小枝繁昭先生


 13名の受講者のもと、今年度最初の“花”スクーリングを開講しました。
花、花、花! 前半の3日間は、ただひたすら花と向き合い様々問題点を探ることから始まります。脳みそと手が直結している感覚になるまで  
様々な思索が繰り返されました。

ドローイング風景



ドローイング















後半の3日間はそれぞれの思索に基づき自由制作です。


作品














合評






十人十色! 参加者全員が表現の多様性を体験することができたようです。
受講者の皆さん!これから取り組まれる3回生の自由制作にどのように活かされるのか楽しみにしています。

(報告:小枝先生)

※受講生のみなさん、小枝先生ご苦労さまでした。

 皆さん、三年次に入り与えらえた課題としてより、自らの興味や表現として如何に描くかという局面に対峙します。課題を嫌がっていた人も「さあ自らの表現を…」となると結構難しいようですね。表現とは自由であるからこそ、自ら決定していかねばならないことが多いものです。それも他者という観る目を意識した途端に難しくなります。
 しかし、正解ばかり探していては前に進みません。
 テーマや表現は、卒制の中でも、卒業した後でも探し続けなければならないもの、
さあ、少しばかりの失敗を恐れず、どんどん卒制へ向けて頑張ってくださいね。(Y)