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2016年7月29日金曜日

 またまた、抽象スクーリングの報告が門川先生から入りました。
 立て続けのスクーリング報告になりますが、それだけ皆さんが頑張って受講しているということですね。
各スクーリングで得たことを活かせるよう、あまり間をおかず自宅課題にもとりかかりましょうね。

《洋画Ⅴ-9 抽象》


期間:7月8日(金)~10日(日)
後半:7月22日(金)~ 24日(日)
担当:門川昭子先生


この授業は、学習と、実制作の両面から抽象に取り組んでいく事で抽象絵画の見方、考え方を学び、各自の抽象への入り口になる事を目指します。

前半7/8  初日
 多様な作家の、多様な作品を知る機会を持ち、制作への興味につなげます。
その後、学習面での取材と、制作面での取材の目的で、各自図書館や教室外へと出かけました。その後、取材したことを基に、各人の学習、制作の方針を、個別に相談しながら決定していきました。


 7/9  2日目
 昨日の取材での発見を基に、作品へと展開して行きます。
ドローイングを重ねていきながら、描こうとする方向をはっきりとさせていきます。
(途中)ワークショップの時間を設け、下地材や、絵具の技法の実験を通じて、描く方法を柔軟に考える事で、表現の幅が拡がることを目指します。




/10  前半最終日
発展させたドローイングをさらに発展させて、エスキースを作ります。
制作の方向性が、はっきりしてきたので、集中して制作に取り組むことができます。午後は、エスキースと学習面での各自のテーマの発表の時間です。
自分自身の言葉で、制作の方向を表現する機会としました。






 
 7/22  後半初日
 午前中は、各自の研究課題の発表を行いました。
それぞれが、資料を基に自分自身の考察を加えて完成させた、レポートは、興味深い内容でした。
午後からは、制作に入りました。 下塗りしてきた人、下地を工夫してきたひと、油絵具を使う人、アクリル絵具を使う人、とそれぞれのやり方で進めていきます。


 7/23  2日目
 全体に、絵具の量を増やし、多様な表現を試みます。方向性にあった画面に近づくように、全体の色とかたちのバランスを見ながら制作を進めていきます。



5講時目は、ギャラリーなかむらでの、25人展の会場で、構想の受講生の皆さんと共に作品の鑑賞と、意見交換を行いました。

/24  最終日
いよいよ、最終日です。時間一杯、集中して制作を続けました。画面全体の見直しと、全体の完成度を増す事を目標とします。合評では、多様な作品が並びました。












今回の授業は、具体的なもの,身近なものからの発想の展開による、抽象の作品作りという手法で、制作を進めました。そのことで、難しいと感じていた抽象を身近に感じることが出来たなら、今後のそれぞれの表現に役立つことと思います。
 厳しい季節の授業でしたが、皆さん精一杯頑張られました。お疲れ様でした。

(報告:門川先生)

※抽象は頭で理解できても、なかなか今迄の具象的なものに対する執着からは離れにくいもの。
でも今回は、6日間抽象画家になったつもりで、おおいにいろんなことを試される良い機会です。
少しでも抽象に対する理解、興味が湧けばそれで成功かもしれません。
 そしてたくさんの抽象を知り、身近に感じるようになり、そしてたくさんの体験を経ていけば自然に理解が深まるものでしょうね。
 門川先生、受講生のみなさんお疲れさまでした。(Y)
きっと、


 

一年次スクーリング報告

 次々とスクーリングの報告が届いてきます。
手違いで、前掲の構想と日にちが前後しましたが、一年次「静物油彩1」のスクーリング報告が由井先生より届きましたのでアップします。

《洋画Ⅱ-1 静物油彩1》


期間:7月15日(金)~17日(日)
担当:由井武人先生

「 色を視る 」

 先週の7/157/17、京都の瓜生山キャンパスにて一年次の静物油彩1のスクーリングが行われました。
 白いモチーフの中に色味を感じ、混色と色の響き合いで画面に立体感や空間の奥行きを捉えようというこの課題、長靴やらヘルメットやらこんな物が絵になるのかという白い物ばかりが集められた教室で、これから初めて油絵を描こうという方には何が見えたのでしょうか? あるいはその見え方はどう変わっていったのでしょうか?
 詳しい制作のプロセスは7/8から東京で同じスクーリングを行われた安富先生がブログで報告してくださっているのでそちらをご確認ください。
京都の方では途中段階をのぞいてみましょう。


まだ立体感や奥行きは出ていませんがシルエットごとの色彩の響き合いが美しいですね。


白いモチーフの中に重ねられた三原色が響き合っています。


たっぷりと絵の具の量がのせられていて描きっぷりが気持ちいい画面です。

 同じモチーフを観察していてもそこから感じる色味は様々ですね。
2日目のお昼頃だったでしょうか、ある生徒さんが「白いモチーフが白にしか見えないんですー(泣)」と嘆いておられました。ごもっともです。昨日まではそうだったかもしれません。しかし描きながら視ることを続けているとそのうちどこかで見方や見え方が変わっていくことがあります。衝撃的で感動的で説得力のある作品を見た後に日常の風景が違って見えることがありますが、それは作家のものの見方を追体験しながら目の前の物を見ているからかもしれません。ともかく粘って制作を続けていきましょう。



 初めての油絵で、30号で、白い物ばかりで、3色+白しか絵の具が使えないという難しい課題ですがみなさん粘り強く制作を続けておられました。終わってかなりくたくたのご様子でしたがその分経験として得たものは大きかったのではないでしょうか。
 ちなみに前述の生徒さんは合評の時に 3日目に白い布の中に黄色が見えたんですー!そこからは描くのが楽しくなりました。」とおっしゃられていました。








(報告:由井先生)

※三原色のみを用い白いモチーフの中に色を視る、なにやら難しそうに感じますが、一口に白いといっても、様々な白さや質があり、ものにより風合いも違うものです。まずそこから入り、混色や描画をするうちに様々なことに気が付いていきます。

 それとともに、白とは違う思わぬ強い色が陰の中で役に立ったり、白さを際立たせたりといったことも勉強ですね。怖がらず色彩を使うことが表現の幅を広げてくれるものです。
 モチーフに色味を感じることも楽しいですが、光線の美しさを表現するために画面上に色を扱う、といった面白さを実感できるといいですね。(Y)

三年次スクーリング報告

だんだんと暑くなってきましたね!

 今日は一居先生より、三年次該当スクーリング「構想」の報告が届きました。
三年次科目ともなると、基礎的な勉強は終えているものとして、それぞれの興味を如何に表現としての絵画に仕上げていくかが課題になります。
 いざ、自由に描きたいものを…というと、これがなかなか難しい。
その部分を先生と相談しながらエスキースに起こし、絵画に仕上げていくという授業です。
皆さんそれぞれの思いを画面に展開しだす一歩と云えますね。

《洋画Ⅴ-8 構想》


前半:7月8日(金)~10日(日) 後半:7月22日(金)~24日(日) 
担当:一居孝明先生


 洋画Ⅴ−8構想のスクーリングを終えました。
受講された皆さん、暑い中でのスクーリングお疲れ様でした。
このスクーリングでは、自分のテーマの発見、エスキースへの展開、そして30号油彩を完成させていきます。
 初日は、各自事前に準備した資料やアイディアスケッチ等を元にプレゼンテーションから入りますが、皆さん事前準備もしっかりとできており、自分の考えを自信をもって生き生きと話していました。

 それぞれのプレゼンテーションに真剣に耳をかたむけ、質問をしたり、活発な意見交換もありました。自分の考えをより確かにできたのではないでしょうか。




 いよいよエスキース制作です。







 前半3日目は、エスキースの発表です。初日のプランから更に自分のテーマや考え方が明確になり発表内容も充実していました。



 後半1日目は、前半3日間で作成したエスキースを元に本格的に油彩制作です。油絵の具では表現できないと判断した人は、アクリル絵の具や墨等を使用したりと、自分の表現にあった描画材料を積極的に使い、より強い独自表現を探っていました。






 う〜ん行き詰まってきたな〜作品を上下逆に見たらどうかな?

 後半2日目の5校時目は、同時開講している抽象の講座を受講している皆さん
と、洋画教員による25人のドローイング展の鑑賞会に行ってきました。
 それぞれに何かを感じることができたのではないでしょうか。自分の制作をする上で、他の作家の作品を多く見ることはとても大切です。



 後半最終3日目は合評会です。
どの作品も個性的で、一堂に並ぶと圧巻です。それぞれに力のこもった作品になったと思います。今後の自由制作に生かしていって下さい。

(報告:一居先生)

※自らの考えやイメージを述べ、相談し、画面という造形に置き換えていく。単純な作業ですが、きっとモチーフの観察やスケッチ、資料の準備、そしてなによりも描く中で調整しながら表現へ至るという過程の大切さを学ばれたことと思います。

 ただ単に描けばよい、というのも絵画ですが、それぞれの眼差しの中には意図が含まれており、それを表現してこそ絵画の深さも出てきます。
 でも、むずかしく考えず描いて描いて描きまくることで、自然に構想の有り方や自分の表現スタイルができていくものです。作る楽しみを持ち制作に臨んで下さい。(Y)