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2021年8月31日火曜日

藤田つぐみ先生 個展 スタート!

 藤田先生の個展が始まります。

素敵な動画の案内がすでにブログには掲載されていて、DMなど紹介するのは古いと叱られるかもしれませんが、ギャラリーの地図などヴィジュアルで見られる方が分かりやすいかと老婆心ながら掲載しました。

明日から始まります。東京は少しコロナも減少気味ですが、みなさん気をつけてそれぞれに対策を講じていただいてお出かけくださることを期待します。


ジャーン!

9月6日までです。ぜひご高覧ください。


2021年8月25日水曜日

洋画3年次スクーリング紹介

 洋画コースでは3年次に入ると「抽象」というスクーリング授業があります。これは抽象画を目指すためではなく、抽象の意味や現代絵画を理解し、より表現の視野を拡げるため全員必修となってる科目です。

下記の日程で対面による「抽象」K1スクーリングが行われました。皆さん本当によく頑張っておられましたので授業説明とともにその作例などをご紹介します。

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洋画Ⅴ-9「抽象」K1

前半:7月10・11日
後半:8月7・8日

担当:山河 全


【前半】

まずは課題説明、事前課題発表、小講義、オートマティズム手法の紹介とたっぷりと知識的に抽象への理解を深めます。


抽象の入口の一つ、オートマティズムを試していきます。


思い思いにドリッピング、スタンピング、デカルコマニーなどオートマティックな方法を試します。
2日目ともなると様々なドローイングが登場してきます。

シュールレアリズムの画家たちも同じように無意識がつくる形に新しい抽象を求めていったのでしょう。
偶然が作り出すハッとする造形…これに気付ければ大きな進歩です。


午後には、綿布パネルの作り方デモを行い後半に備え、後半の目安となるエスキースを作っていきます。


実に様々なドローイングとエスキースが並びます。
下段:エスキース


それぞれに面白い要素がみえますが、ここから脳が考える再現性と目が選ぶ造形との葛藤が始まります。

【後半】

後半は事前課題綿布パネルに、効率的に作業を進めるため地塗りや下地を施して持参されます。


プラン発表後作業開始、黙々と作業に没頭します。


作業途中に皆さんが作り出すマチエールは造形ヒントの宝庫です。果たしてどのくらい活かせるでしょう。


合評では、当初の構想や結果への感想、そして授業での発見を発表し、教員からは評価コメントを伝えます。


今回の完成作品例です。


今回受講の皆さんは本当によく頑張られました。
エスキースや途中はもっと華やかでしたが、より真摯に抽象に向き合った結果、整理された内容のある作品になっていると思います。

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 具象的説明を抑え、抽象に徹することはそう簡単にできるものではありません。意図した構想から外れていても造形や抽象であろうと格闘努力された結果なのです。
 その中に光る良さを見つけだすことが、具象・抽象に関わらず必ず皆さんの造形表現の幅を拡げてくれます。
きっとこれからの絵画表現や鑑賞の際、今までと全く違ったところに着目している自分に気付くことでしょう。

(報告:Y)










































2021年8月24日火曜日

個展案内

 こんにちは。藤田です。9月1日(水)から6日(月)の期間、京橋の並樹画廊さんで半覚醒状態をテーマにした個展をさせていただきます。ご都合よろしければお立ち寄りください🐼

場所・時間

https://www.namikigallery.com/allexhibitions/ll6ws45e3h3448wjd63zfn7xxewj6n




8月のYouTube久田先生(染色コース)

 こんにちは。今回は染色コースの久田多恵先生にインタビューを行いました。群像の織物を作られていますが、白と紺の糸の配分で綺麗なグラデーションができるのだそうです。完成像をしっかり思い浮かべて計画的に織っていくことで一枚のイメージが生まれるのですね。鶴の恩返しの鶴の部屋をこっそり垣間見させていただいた気分でした。ご覧ください🌙

リンク→https://www.youtube.com/watch?v=CeTtu83oot4&t=1s



2021年8月16日月曜日

8月のYouTube齋藤先生パート2

 皆さんこんにちは。お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。自粛中で親戚で集まるのもなかなか難しいですね。絵を描くには誘惑が少なく良いかもしれません。お盆中に家にいる間、色々と作業しながら人より20年以上遅れてGTOを聞き流ししていました。当時とても流行っていたドラマです。全く関心がありませんでしたが聞いていると意外に感動するシーンもあり、私も鬼塚先生のようになりたい、と感じたそんなお盆でした。

さて、8月のYouTubeは前回に引き続き齋藤先生の動画です。チンパンジーは報酬がなくても絵を描く、ということが分かりました。描くうちに出てくる線の楽しさや触感自体がフィードバックになっているのですね。ヒトの求めるフィードバックはより複雑にいろいろな要素が合わさったものになるので、フィードバックが欲しいのか絵が描きたいのかその境界が曖昧になることがあるかもしれません。その時は“今”に集中し、描けることに対する感謝を思い出すことも必要です。長期視点で考えるように進化したヒトも、モズやチンパンジーからシンプルな原点、“今に集中する”ということを思い出すことが過剰な心配や要求から解放されるポイントかもしれませんね。



2021年8月5日木曜日

通信教育部 夏フェス開幕です!

 夏フェスの開幕です。(状況によっては遠隔になるかも)

今年はこんな状況ですので全国公募展を見るのも申し込みが必要で、なかなか皆さんに自由に見ていただく事が出来ません。残念!

でも8月7日(土)からの全国公募展は7日8日そして21日の最終日にオーヴへ入れます。(ただし、前述しましたが、申し込みが必要ですのでご注意ください)

7日には10:30から谷崎由依氏による特別講義があり、その後全国公募展を鑑賞できます。

8日と21日と少ない作品鑑賞の機会をお見逃しなく!

21日の最終日には恒例のアートマルシェや表彰式も開催予定です。

また、今年は展覧会の模様を撮影して最終日の懇親会にて放映の予定です。洋画コースを始め今年度出品作品は美術科の教員がそれぞれ講評の予定です。(YouTubeもあるかも)

かもばかりですが、こんな状況です。本当にくれぐれもみなさんご注意ください。

フライングになりますのでちゃんと作品を出せませんが洋画コースは力作が揃いました!










夏フェスお待ちしております!


2021年8月2日月曜日

 洋画Ⅱ-1 静物油彩1(K1)が、7/24,25京都で開催されました。 

担当は、富士先生(主担当)・西垣先生のお二人です。 
以下、富士先生から頂いたスクーリング報告をどうぞご高覧ください。 
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7月24〜25日に静物油彩のスクーリングを開催しました。
梅雨があけ一気に温度は上昇。しかし天気は快晴。
暑い中、エアコンの効いた部屋での制作、
私はとても好きなんですが皆様どうでしたでしょうか。


最初はスクーリングの導入から。
洋画のスクーリングでは最初に課題目的や体験して欲しいことを説明しています。


1年生は初油彩のスクーリング。
今回はとにかく「油彩に慣れる」を目標に制作をしていきます。
画像は今回使う画溶液、左から乾燥促進剤、揮発性油テレピン、乾性油リンシード
導入では、他にも使い方や進め方、道具などの説明をします。

モチーフを知るため、最初はクロッキーから制作していきます。
様々な方向から描き、徐々に構図を決めていきます。
視点の高さに変化をつけはじめる方もいましたね。
少し視点を低くするとモチーフが重なってみえるので、
そこから奥行を感じられますね。
とても良い発見だと思います。
クロッキー。
高さのある構図。横に広がりのある構図。
奥行だけでなく画面をどう分割するかとの
コンポジション的な捉え方の構図もみられますね。
クロッキーがすんだら油彩制作へ

ん?どうしてみんなキャンバスに色を塗ってるの?と思った方もおられるでしょう。
油彩ではキャンバスに中間色を施した上から、
モチーフの暗い部分と明るい部分の両方からすすめる描き方があるんですね。
乾きの遅い絵具なので、
伝統的な油彩のプロセスを学んでおき、ある程度絵具の扱いを
コントロールできるようにする学習でもあるのです。
(下画像はデューラーのデッサン。中間色から影と明るい部分を描く)


ちなみに下塗りは事前課題で中間色を塗ってきていただきました。
一言で中間色といっても色とりどり。
個性が出ます。
受講された皆様は、下塗りと言えど、
作品には大きく影響したことを感じられたと思います。
次の作品にとりかかる際、
どんな色を下塗りにするかを考えるのも良いですね。

そして中間色地に下書き。
先のクロッキーがここで活きてきます。
モチーフ入れかた、皆さんうまくないですか?
感覚的にもクロッキーを含め枚数を
重ねる事で成長するんだと思います。
木炭で描いた線を揮発性の画溶液でなぞり定着させます。

さあ、ここから本格的に油彩をスタートさせます。
画溶液の割合図。覚えておくべき図ですね。
完成に近づくにつれ乾性油を増やします。
最初の層は溶剤を多く、上の層に乾性油分を多くし
ファットオーバーリーンの状態にしていきます。





描き始めは揮発性を多め(揮発7:乾性3)
絵具を柔らかくし筆さばきをスムーズにし、すすめていきます。
デッサンでも、初めから細かい仕事をするのではなく、
全体を描くことから始めましたよね。
それと同じく、油彩も絵具を柔らかくして
全体を最初に捉えるイメージを持つと良いと思います。




暗い部分から攻めた人は今度明るい部分から。
明るい部分から攻めた人は今度くらい部分を描いていきます。
絵具をキャンバスにのせるだけでなく、
絵具を拭きとることもしながらすすめます
(デッサンでも練り消しや、食パン、ガーゼなどで消しながらすすめましたね)。
また、絵具の“厚み”もそれぞれに違いがでますね。

個別に制作過程を追ってみてみましょう。



Tさんの場合
モチーフの色味から入ったTさん。
その分、色で塗り分けてしまい関係性が希薄に。
徐々に明暗をつけながら、
モチーフ同士に色の関係性を持たせられました。
空間を感じられ、
白いモチーフに色味があることも感じられる作品になりました。





Sさんの場合
下地の影響も考え、落ち着いた色から徐々に白さを表現していきました。
白いモチーフを描かれたことがよくわかります。
構図も良いですね。
ロープが少し床から浮いた様子も良く描けています。



Tさんの場合
すこし濃い目の色の下地塗り。
その分、下地の色が上層にも影響し
よい効果となりました。
上部にみえる緑色が1枚目と2枚目で違ってみえます。


色は単色で考えるのではなく、相互関係で考えたいですね。
周りの色の影響で、同じ色でも違ってみえますね。



Nさんの場合
青系統が基調の下地なので、色味の変化をつけながらの制作になりました。
真ん中のねじれたロープの空間を描けるかがポイント。
テーマがよくわかる作品ですね。








他にも皆さん個性が出ます。


合評の様子。
合評は考えの整理場所として活用して欲しいと思います。
自分の制作を振り返り、自分の特徴を知っていくと考えると面白いのかもしれません。
絵具、色の要素が入ってくると一気に表現の幅が広がります。
表現の幅も広がって、それぞれに課題もあったことでしょう。
人の数だけ課題があるはずです。
すべてをクリアしようとしないで、自身の課題を見つけて
取り組んで欲しいと思います。