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2015年8月31日月曜日

京都スクーリング1年次・洋画Ⅱ−2「人体油彩1」報告

 いや~、八月も末になり急に涼しくなりましたね。
いままでの暑さはなんだったのか、今年は残暑なしで秋になるのでしょうか。
さて、由井先生より一年次該当スクーリング「人体油彩1」の報告が届きました。

洋画Ⅱ-2 《人体油彩1》


8月18日(火)~23日(日)


  前半担当:一居孝明先生、山本努先生

  後半担当:
由井武人先生



「 色を使う勇気 」

              

(前半)
 画面に人体のシルエットが美しくおさまり色彩やタッチものびのびとしていて心地良い絵ですね。

 先日8/188/26、瓜生山キャンパスにて人体油彩1のスクーリングが行われました。数あるモチーフの中でも形を捉えるのがとくに難しい人体ですが前半の木炭デッサン、後半の油彩ともにみなさん熱心に取り組まれていました。前半3日間はまず木炭デッサンです。一居先生と山本先生がみっちり指導してくださいました。何度も描き直した痕跡がいいですね。直した分だけデッサン力が身に付いていきます。





(後半)
 続いて後半の油彩。この課題では人体の構造や骨格などの形はもちろんですが、色彩についても大いに勉強していきます。混色原理や色の対比など知識としても勉強しますがやはり色も使っていくことで身に付いていきます。
とくに描き出しは「だまされたと思って色を積極的に使ってみてください。」とお伝えしたところ・・・





かなりいい感じです。さらに観察を深めながら絵の具を重ねていきます。


最終的に肌の色に近づけていく方が多かったですが、混色を工夫しながら場所によって少しずつ色が変えられているので色調が豊かに響き合っていますね。





筆のタッチによって筋肉がしっかりと捉えられています。


たくさんの他の人の色使いを間近に見られたことも含めて、それぞれに内容の濃い取り組みになったかと思います。
ぜひ今後の制作にこの経験を活かしていってください!


                            (報告:由井先生)

※かなり多い人数でのスクーリングだったようです。
しっかりとデッサンをし、怖がらずに絵具を置いていくことで自然に目も手も慣れていきます。次第に見る力と描く力が着実についていきます。
 すぐに成果が見えぬからとあせらぬように頑張って下さい。

 受講生のみなさん、一居先生、山本先生、由井先生お疲れさまでした。(Y)




2015年8月23日日曜日

卒業生展覧会「光陽展」「栞会’12展」「六田和子展ー音楽と絵と私」のお知らせ

8月もあとわずか。心なしか涼しくなってきました。
台風の影響でしょうか、今日は風が吹いてさわやかです。
昨日、全国公募展が終了しましたが、あいつぎ卒業生の皆さんから展覧会案内をいただいていますのでお知らせします。(K.)

第63階光陽展 京都準本展
2015,9/1~9/6 (9:00~17:00 最終日は15:30まで)
京都市美術館
2014年卒業生で現在大学院2年の杉森康彦さんが出展されています。



栞会’12 
2015.9/12~9/16 (10:00~17:00)
京都市勧業館みやこめっせ2F 美術工芸ギャラリー

 2012年度洋画卒業生24人による展覧会です。
それぞれに活躍の場を拡げておられますが、今回は同期会。楽しみですね。


次は個展のご案内。
今年卒業された六田和子さんの個展です。

六田和子展 -音楽と絵と私ー
2015.9/22(火)~9/27(日)
11:3018:30(最終日17:00まで)
ギャラリー洛
京都市中京区丸太町通堺町通西角鍵屋町(堺町御門前)
電話 075-708-7898



今年の3月の六田さんの卒業制作作品にはやはり、楽器とそれを演奏する人が描かれていました。生活と音楽が深く結びついているのでしょう。しかし卒制展からわずか半年で個展とは!!びっくりです。
おだやかで静かな六田さんですが、着々と個展の準備をされていたのでしょうね。
楽しみにしています。




卒業生・修了生全国公募展洋画トーク、クロージングパーティーと「大森啓・長谷川宏美二人展」報告

本日は全国公募展の最終日。

洋画では笹谷美保子さん(2008年度卒)を迎えて洋画トークがありました。
山河先生と活躍中の卒業生による恒例のトークです。

下の絵は紹介されていた笹谷作品の1枚。
洗濯機をのぞきこむ子供達の顔が見えますね。
そこに繰り広げられる世界がすごく面白い!!!

こういう発想はどこからくるのでしょうか。


ちょっとピントがあっていなくてすみません。


左側、笹谷さんです。


沢山のリスナー。久しぶりに出会った仲間達。


笹谷さんのエスキースの一部。

絵画が出来上がるまで、笹谷さんは一枚の絵をいろいろな角度からイメージを組み立てながら、デフォルメして、驚くほど自在にストーリを展開させていきます。
こういったエスキース4枚ほど経て、やっと一枚の構図が決定します。

今回のトークでは笹谷さんの絵画の行程をじっくり見せていただきました。笹谷さんの絵の秘密が多彩なエスキース作りにあることがわかりました。
大変魅力的な制作風景でした。
これからも益々ご活躍を期待しています!ありがとうございました。

さて会場を変えてギャルリーオーブで全国公募展の作品合評会の模様を少し紹介。


OB,OGたちが集合しました。

講評会の後、18:00からはクロージングパーティが開始。



今回の受賞者の二人。右鈴木さん。左池田さん。ピースサインで。


作品講評会を終えて洋画の仲間達と小休憩。


授賞式。




             洋画卒業生たちとの記念撮影。


さて次は明日(日曜日)まで行われている大森啓・長谷川宏美二人展の模様を。
この前お知らせしましたが、京都寺町のギャラリーヒルゲートで、現在展覧会中の二人展です。
長谷川先生にはこれまで多くの学生がスクーリング授業やテキスト添削でお世話になっていますね。ぜひこの機会に作品を生で拝見しましょう。


右側、長谷川作品です。奥は大森作品です。


壁面に展示されたお二人の絵画。作品効果で不思議なイリュージョンが生まれています。


こちらは2階です。小品が展示されています。

先生方の作品展と卒業生たちの作品展とが、今回上手くクロスして両方楽しまれたかたも多い事でしょう。
卒業してから制作した絵と学生時代の絵となにがどのように異なってくるのでしょうか。
時間の制約もなく、テーマや決めごとも全くない自由な環境で好きなだけ描く面白さを体感されている方もおられれば、何か物足りなく感じて足踏みされている方おられるようですね。
自分の絵を造る事に精一杯なのかもしれませんが、
もう一人の自分、自己批評できるような客観性を持つ眼をもつことも大切だということでしょうね。そのために全国展のような展覧会に出展する意味はあると思います。また展覧会を見に行って何が足りないかを自分以外の作品を通して見つける眼をもつことも必要かもしれません。そのために先生方の展覧会は本当によい勉強になりますね。
また来年みなさんとお会いしましょう!ご活躍を楽しみにしています。(K.)

2015年8月18日火曜日

京都一年次スクーリング「静物木炭デッサン」報告

《洋画Ⅰ-3 静物木炭デッサン》


長谷川先生と藤部先生から一年次静物木炭のスクーリング報告が届きました。

8月8日(土)~10日(月) 

担当:長谷川宏美先生・藤部恭代先生


8月8日~10日の3日間、京都にて「洋画1-3(静物木炭デッサン)」のスクーリングが行われました。連日の猛暑の中、38名の参加で熱気あふれる授業でした。


ほとんどの学生さんが、2回目の木炭デッサンとのこと。木炭特有の材質と効果に慣れるのに、最初は苦心の様子でした。


 また複数モチーフを全紙サイズの木炭紙に描くという事で、紙にどうモチーフを収めるか、構図の工夫が必要になります。
 モチーフとモチーフの間の床面や壁までの空間も、塊を捉えると同様に大事になっていきます。


 そのためにはモノトーンでのグレーの階調がとても大切である事を、この課題で経験できました。木炭は、大きな画面を多くのグレーの階調で捉えるのに、非常に適した画材です。


 白いモチーフの階調探し、固有色の明暗の違い、いろんな要素が絡み合いながら、モノトーンで画面を組み立てて描いていきます。

 3日間の制作を終え、合評会では38通りの構図と明暗の構成が出来あがりました。

それぞれが自身の課題に気づき、次に向けての糸口を掴みとって、描く事を続けていただきたいと思います。またスクーリングでお会いいたしましょう。
(文章報告:長谷川先生/写真報告:藤部先生)
※暑いさなかに、随分多くの方が受講されていたのですね。特に何事もなくてよかったです。受講生の方も勿論ですが、長谷川先生、藤部先生も本当にお疲れまさでした。(Y)


特別展「二科100年展・伝説の洋画家たち」、「第100回記念二科展」のお知らせ

現在東京都美術館で開かれている「二科100年展・現在伝説の洋画家たち」の紹介です。

美術団体展の中でも在野の雄であった二科会。創設100年の節目を迎えて、『岸田劉生、佐伯祐三、小出楢重、関根正二、古賀春江、藤田嗣治、松本竣介、岡本太郎、東郷青児ど、実に様々な作家たちが発表し、海外からはマティスらも参加した二科会の100年の歴史から、20世紀の日本美術史を展観』した特別展が開催されています。

「二科100年展・現在伝説の洋画家たち」
 2015718() 96()  
  東京都美術館



日本の草創期の洋画を支えた画家達がずらりと並んでいて壮観ですね。美術の教科書で作品は知っていても、二科という団体展を通して彼らがどういう足跡を在野の美術展で残してきたかを知るいい機会です。
その後2015年 9月12日(土)-11月1日(日)大阪市立美術館
       117日(土) - 1227日(日)石橋美術館(久留米)に巡回
するそうですので、関西・九州方面の方はぜひそちらにお出かけください。


 その東京都美術館で開催されている特別展とともに第100回記念二科展が9月2日から14日
まで六本木の国立新美術館でオープンします。本学の中原史雄先生が出展されています。
 
 大学院2年の菅原照さんが、今年初入選されたとのこと。おめでとうございます!

第100回記念二科展
2015年9月2日〜14日 10:00~18:00(入場は17:30/金曜日は19:30まで)
六本木・国立新美術館
中原先生のギャラリートークが9月12日(土)13:00~から美術館にて行われます。東京在住の皆さん、どうぞご参加ください!(K.)





2015年8月17日月曜日

3年次スクーリング報告 【 洋画V-8 構想 】



水口裕務先生より、「構想」スクーリングのご報告が届きました。



3年次スクーリング報告 【 洋画V-8 構想 】
【前半】717日~19日 【後半】731日~82


上記日程でつごう6日間、17名の受講生が集いました。
のっけから台風休講が危ぶまれるなか、雨ニモマケズ、ダイヤノ乱レニモマケズ、夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ、ヨイ画ヲ創ルコトノ他ニ慾ハナク、教員ノ駄目ダシニモ決シテ瞋ラズ、イツモシヅカニワラッテ描イテヰル、そういう学びになりました。

ここでは3年次テキスト科目「自由制作」に直結する模擬制作を行い、より確かな表現を探っています。この時期、ほぼ全員が次年度春から卒制着手を目指していることもあり、意欲度は満点です。
本番さながらのシミュレーションから自分の持ち味や弱点を知り、表現方法の傾向と対策を考える。ここでの気付きは、さっそくテキスト課題でおさらいしておかなければなりません。アラユルコトヲ、ジブンラシク、ヨクミキキシワカリ、ソシテワスレズ、受講後に立ち現れる成果こそ本物、これが講座の狙いです。

テキスト及第域までの到達を求める余り、教員は小言ばかり並べましたが、あとは演習Ⅲ-1、Ⅲ-2の提出を待つばかり。今回の収穫は3年次全教員で共有し、続きは添削指導で引き継ぎます。

では、充実した6日間を振り返っておきましょう。


前半、事前準備したプランの発表(初日)から構想のドローイングへ(~2日目)


前半23日目、構想を30号大エスキースに詰める
複数案(テキスト課題に対応)が望ましい




前半3日目、講評会、エスキース発表とプラン確定
(以降、宿題:自宅制作とレポート作成、必要あれば構想見直しや追加取材)


後半初日、宿題チェック


後半3日間、油彩制作


後半、制作風景


以上、現場より


後半2日目、寸評会
(制作の合間に、卒制見学、レポート読み合せ、寸評会などを交えた)


最終講評会、成果の発表


テキスト課題のことも確認


6日間おつかれさまでした

最後にこの場を借りて、2015年秋「構想」受講予定のみなさんへ

自由制作を支援する3年次スクーリングのなかでも「構想」の自由度は最たるもの、よって、表現者としての覚悟を決め、目下テーマの発見中あるいは展開中であることが受講条件となります。
事前準備としての題材取材や構想ドローイングは、いまから揃えておきましょう。でないと、プラン発表ノトキハナミダヲナガシ、再取材ニオロオロアルキ、前半学習がままなりません。
また、スクーリングとテキストの連動学習のススメから、2年次課題を残す方の受講はモッタイナイカラヤメロトイヒ、3年次テーマ設定に悩む方にはコハガラナクテモイヽトイヒ、まずは「花」や「人」から受講することです。以上、念のため。


水口先生、受講生の皆さん、お疲れ様でした!(A.Y)