このブログを検索

2016年10月28日金曜日

東京外苑キャンパススクーリング報告

 芸術の秋・美術の秋!
巷には観光客、京都は天皇陛下も来られている由。先日の時代祭や鞍馬の火祭では、どうにも道が混みあってギャラリーへすら辿りつけない状態でした。

卒業生の皆さんの活躍!公募団体展の入選者や受賞者も、続々と嬉しい報告が続きます。
会員推挙に新作家賞、市長賞やその他の賞?(なんだか忘れました。すみません)、今回の大浦さんの優秀賞など…
 皆さん卒業や修了されてから何年も経っての受賞、本当に粘り強く続けての成果です。
自分の表現をあきらめず続けられたことには本当に頭が下がります。
おめでとうございました。
今努力の真っ只中方たちにも、自分を信じて描き続ける励みになるでしょう。

 さて、今日は東京の山本先生から塑造と油彩のスクーリング報告が入りましたのでアップします。こちらも、未来を目指して頑張っておられます。

《洋画Ⅲ-1 人体油彩2「塑造と油彩」》

前半9月23日(金)~25日(日)

後半10月8日(土)~10日(月)

 担当:山本努先生

今回のカリキュラムでは、男性モデルを塑造、素描を通じて、人体油彩を行います。
結構な強行カリキュラムです。体力勝負、頑張って行きます。

東京外苑キャンパスでは6日間17人の学生さんが参加されました。


様々なポーズをモデルさんにしてもらう中から、クロッキーを行います。人体のもつ流れやバランスといった形態の確認を行うとともに実際に制作して行くポーズを決めて行きます。


油彩までのポーズを決め、塑造に入ります。
立体物を制作するため、平面で行う一方向からの視点ではなく360°全天球的な視点からの意識が必要となるだけでなく、芯から制作するため否応無しに骨格の意識が重要となります。


粘土の嵩が多くなるに従って全体のバランスへの意識が必要です。
一方向からの正しさが角度を変えると正しくなかったり、視点がかわっても対象に対する対称性がとれていることが重要です。また、物理的に量を伴い、手に圧力を感じながら制作する過程から、体感を通じて人体へ向かうことを行いました。


塑造の講評になります。
粘土の面白さについて気付いて頂けた方も多くいらっしゃいました。自宅では大変かとも思いますが、最終的な表現媒体が油彩であったとしても平行して制作すること、表現のアプローチに幅を持つことから発展することは多くあります。


木炭素描に入ります。
塑造とはかってが異なり、やり取りの中に違和感があったかと思いますが、形態とその周りの空間を意識して制作して行きます。



前半3日間の塑造、木炭素描の講評になります。
あまり目鼻口といった細部への描き込みよりも人体が持つ自然な形態について、また、油彩のエスキースとしての制作となる為、背景を含めて明暗や構図的視点の流れなど、バランスを考えながら描いて頂きました。
形態へのこだわりから、描いて、直してを繰り返した痕跡がエスキースに深みを与えて、勉強としても、素描としても良いものになったと思います。


後半3 日間人体油彩に入ります。
これまで、塑造といった立体としての像を作り、人体の形態を追求しました。また、素描で平面化したものを油彩を通じて、絵画として人物に迫って行きます。



寸評前、多分自宅などで見直す為撮影されています。とても熱心に取り組んで頂きました。


制作風景。



講評風景になります。
長く慌ただしいカリキュラムでした。
1度目の人体の授業は担当していないため比較は出来ませんが、2度目の人体油彩として意識と技術と深みを持って接して頂けたのではないかと思います。

描き出しまでに時間を持つこと、思慮を持つことから、実制作に入ったため画面に深みがまして、情報量が増えたと思います。
学生さんからは、もう少し描きたかった、時間が足りなかった。そのような声も聞かれました。
画面に立ち向かう熱量であるとか、やりたいことの欲が増えているのだと思います。実現には技術の問題もあるでしょうし、制作のプロセス、過程を整理してみることも大切になります。


自身が感じたこと、他者からのアプローチなど一つ一つ検証しながら過去に制作された画面を振り返ること、少しでも手を動かしつづけること、好き嫌いに関わらず様々な制作物を鑑賞してみること、その積み重ねが長い意味での制作に繋がってくると思います。

(報告:山本先生)

※皆さん、山本先生本当にお疲れさまでした。
確かにクロッキー・塑造・木炭デッサン・油彩と長く慌ただしいですね。でも考えれば6日間に凝縮していますが、通学でいえばまる15日間のカリキュラム(ほぼ一か月分)と同等の内容と時間を詰め込んだ貴重な授業です。
その分、全く同じカリキュラムで同時間でも通信の方がハードだといえます。
先生も学生さんも疲れるのは当たり前ですね。

もっと直接先生に習いたい、みんなの刺激を受けて勉強したいとの言は良く聞きます。
でも、通学ではこれほど濃密に教わらないし、学生はかえってアドバイスも煙たがります。
実際にはひと月近くかかり間延びもするので、ダレて適当にサボる学生も出たりして、これほどは充実していないでしょう。
 大学によっては教員がついていない場合すらあります。

 通信はその濃密さと引き換えに消化吸収に時間がかかりますが、続けて自宅でも努力をされると、すっごい力がつくのも事実です。これは通学でも同じことですが…。

 つまり、授業だけでなく自宅でどう過ごしているかが成長の要!是非スクーリングから続けて、自宅での課題をしっかり濃密にしてみて下さい。きっと多くのスクーリングを受講するより効果があると思います。(Y)




大学院・秋のスクーリング報告

10月21日〜23日まで大学院M1.M2のスクーリングが同時に始まりました。
M2生は修了制作に向けて追い込みですし、M1生は千秋堂展覧会茶会が行われます。
両学年とも大忙しの3日間でした。
まずはM2から。
今回は全長7mの作品持参のM君

Fさんの家のなか?

ちょっとビックリ!Sさん。

Tさん。セメント塗っています。

Tさんの画材
円にこだわるTさん。

Sさんは?

個展おつかれさま。Oさん。

マイペースHさん。
描きが楽しいIさん。

100号4枚持参のMさん。

マイペースOさん。
M1のほうは
千秋堂の準備の真っ最中 。




       

準備完成!
    

 左は千秋堂玄関ホールの正面飾り棚。
その脇には季節の草花
各自のポストカードを展示しています。  




待合の床の間
広間本席から

本席床の間
    
      
          
炉縁を使って風炉先風に
  


ポストカード

K君のポストカード風景

Mさん(女性)のカード。

Mさん(男性)のカード

Mさん(男性)の。庭先にはRさんのハウスボックス。

手前、Rさんのカード

Jさんのカード

1さんのカード

Kさんのカード

特別講師の飯島宗照先生 「美意識とは何か」利休から。

着物姿の院生たち。

水屋では院生が制作した伊羅保焼きの茶碗も並んでいます。黒楽は銘のある楽茶碗です。

講義のあとはM1生だけの薄茶席。1席目

その後は招待のお客様たちの席入。2席目

菓子鉢は1先生のご主人の作。お菓子は院生Mさんが拵えた栗の渋皮煮。おいしかったです!

3席目はM2生
を中心に。

千秋堂の2階の道場を待合席に。季節の花で室礼ました。


作品を見ながらお客様と話が弾みます。

                            




卒業生も沢山来てくれました。ありがとうございました!
あっというまに3日間が過ぎました。
でも、M1もM2もしっかり準備してスクーリングを迎えました。

M1はポストカード制作や床の間への室来をどうするか。
千秋堂という特異な空間に作品をどのように展示するかをずっと考え、それぞれが意見交換してきましたね。
また茶会のためにお手前の練習を続けたMさんやRさん。お菓子や御茶、お花にお道具の数々をどのように準備するか、こちらも皆さんの協力で乗り切りました。

M2は修了作品の制作や修士制作研究の執筆に余念のない時でした。あともう少しですので、徐々にラストスパートをかけましょうか。もうひと頑張りして下さい。皆さんおつかれさまでした。(K.)