このブログを検索

2017年3月14日火曜日

大阪国立国際美術館&卒業生展報告

クラーナハ & 
    2014年度卒業生「庭石会」展報告

クラーナハ展

大阪国立国際美術館(中之島)
2017年1月28日(土)~4月16日(日)

 実に33年ぶりにクラナーハ(昔はクラナッハと云いましたが…)の絵画に出会いました。クラーナハと云えば16世紀を代表するドイツルネッサンスの巨匠!ですが、子供の頃は美術の教科書を見て不気味さを覚えました。去ること30数年前ドイツで見たクラナッハ展以来、本当に目にする機会がなくドイツで暮らす先輩から「クラナッハはすごい!」と聞かされてもピンと来ないのが本音でした。

 今回二度と日本では見れないだろうと、その凄さを確かめに云った次第です。
場所は大阪中之島にある国立国際美術館です。地上は科学館か何かで美術館は地下!
写真の変なオブジェが入口の目印です。遠くからでも見えますがビルの間なのでご注意を!中之島駅から歩いてきたら裏側でした。ひとつ前の駅で良かったみたい…


 会場入り口の看板です。


撮影禁止なので中の看板です。


 久々に出会うクラナッハは、一度みたら忘れないという、やはり不気味さを漂わす不思議な画家でした。
ピカソや多くの巨匠に影響を与え続けていると云われるその絵画は、イタリアルネサンスとは大いに違い、理想像の人間を描くのではなく、徹底したリアリズム。つまり、人間そのものが持つ歪さをも描き出しています。
 会場には、超絶技巧のデューラーの版画や、懐かしく思えるアルトドルファーなどの版画などもありました。それらに匹敵する技巧をもちながら、何故このように歪な人間を描いたのか。そこにはひとつの答えが浮かび上がります。
 その時代に希少な色を用い、水色の平面的なバック。どうみてもプロポーションの悪いヌードなど、全ては表現のためのコンポジションなのです。主題よりも造形要素を重視する現代では当たり前でも、この時代にここまで画面という四角い疑似世界を意識した画家は稀だったのだと思います。
 いずれにせよ、ドイツ(現在はオーストリア所蔵?)の至宝クラーナハは次に何時みられるかわかりません。お近くへおいでの際は是非ご覧ください。

 その後、西天満のOギャラリーeyesで二人展を開いている、洋画日本画事務担当の朝日奈保子さんの会場へお邪魔しましたが、こちらはすっかり撮影するのを忘れていましした。朝日さんごめんなさい。(11日でおわってしまいました。)

2014年度卒業生 「庭石会」展

2017年3月7日(火)~13日(月)
岡崎みやこめっせ2Fギャラリー

 さてお次は2014年度卒業生の方たちが開いている「庭石会」展の報告です。
聞くところによると43名中今回の出品者は37名とのことです。
現在大学院に在学中の方がたくさんおられるので教員派遣で講評へ伺いました。
 その前に京展を慌てて見に行くと、各所から来られた卒業生の方たちにたくさん出会いました。京展、卒業生展、卒業制作展と重なるこの時期ですが、通信教育部の卒業生の方たちにとり、京都そして卒業制作展がどれほど大きな意味を持つのかひしひし感じた次第です。一度卒業したら遠方から駆け付けるなど通学部ではありえない話ですね。


 いきなり会場へ入ると、中原先生も見に来ておられとりあえず集合写真を撮らせてもらいました。逆光だったので一部の方が神様みたいになっていますがご容赦を!



会場風景です。


会場を撮影しだすと皆さん急に逃げるように前からいなくなります。不自然ですね。


きっと絵をしっかり撮って欲しいという意図でしょうが…


実はこんな感じでがやがやしています。




久しぶりに会った皆さん和気藹々と話に花が咲きます。


約一時間半の講評を終え、この後懇親会へ参加させていただきました。
(楽しく飲んでおりすっかり撮影を忘れました、失礼!)
大学院在学中の方もおられるので、私にはそれほど久しぶり感はなかったですが、
卒業後に出会うメンバーは、一年、或いは二年ぶりということでやはり懐かしいようです。学生時代と違い日常に戻ると、なかなか思うように描けないのもあるでしょうが、
皆さん絵を忘れずこのように絵を出品し、集まるのは大切な機会ですね。
上野の森美術館展に入選しましたなどの報告もあり、京展やその他展覧会へ精力的に挑戦しておられる由たいへん嬉しく思いました。
では皆さんまた来年お会いしましょう。(Y)