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2019年1月18日金曜日

京都スクーリング報告

 年も明け、11日よりスクーリングが始まり、京都では早速同時期にコンポジション、抽象、体験入学が行われました。
 コンポジションと体験に引き続きですが、12月に前半が行われた抽象も終了しましたので報告します。

《洋画Ⅴ-9「抽象」》


前半:12/7(金)~9(日)
後半:1/11(金)~13(日)


担当:山河全

 抽象はもともと、皆さんから「知りたいけれど、よく解らない。」というたくさんの要望から、抽象を理解し学ぶために作られたスクーリングです。
この10年近くずっと東京で担当していましたが、今回は久々に京都で担当させてもらいました。受講生は冬になって最後の方のスクーリングですが、20名満員という状態でした。
 今年は京都でしかなかったので、関東からも数人の方が受講にこられていました。
20名の指導が精いっぱいで撮影を忘れていたので、SAが撮影したタイミングでの講評会や合評程度しか画像がありませんが、紹介したいと思います。

前半:まずは小講義から、抽象の言葉の由来や意味、それと絵画の歴史での抽象の登場やその後の絵画表現の動勢などをしっかりと認識するために午前中を使って、理解していきました。


 前半はここから図書館や屋外での取材、そしてエスキース作りを中心に進めますが、特に作家作例などを摂りいれ、自分が造形としての画面の何に興味を持っているかを探っていきます。


そして2日目午後にはドローイングとしてのワークショップを行い、絵になりにくい要素の数字やアルファベットをデッサンするというワークショップを行いました。
様々な表現が見られます。


三日目には、それぞれが自分のモチーフや興味に従ったドローイングなどを作成しながら
後半のためのエスキース作りです。


そして、後半のための各自プレゼンテーションを行いました。


 皆さんパネルにドローイングやコピー資料を貼り付け、順番に自分の興味や後半に行う予定をプレゼンテーションしながら、自分の確認をしていきます。


 本当に十人十色ですね。これが後半どうなることやら…変化もしていきます。

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後半:ここからは、一応前半の復習と振り返りをしますが、ずっと描画ひとすじです。
皆さん考えこむのではなく、とても作業に悩まれながら、画面というものと格闘していきました。20名それぞれの取り組みを見ていきましょう。

Hさんは自分の作ったエスキースとにらめっこです。

Tさんは風景の具象性をどう消すか思案中…
 
Oさんは毛糸で塗ったり、筆で描いたり、どうまとまるのでしょう…

Hさん、相当画面が動きますが、軽やかな抽象を目指しています。

Tさん、なんだか急ぎ過ぎて茶系が多くなったようですね。ここから…ここからです!

Sさん勢い余って二点目も描き出します。

Hさん刷毛やヘラの跡が楽しそうですが、美しいだけにだんだん難しくなりますね。

Tさん派手さはないですが、とっても地道で力強い表現になってきました。

Oさん絵具がしっかり乗るようになりましたね。ゲルハルト・エーメから離れられません。

Mさんフンデルトワッサーを参考に自分の描画材料と格闘中!

Hさん、ああでもないこうでもない、ドリッピングまでやったけれど…
 
Gさん、静かに自分の取材材料から構成と塗りを重ねています。

Nさん、みんなの二倍サイズに隙間を描くという積極的な表現です。

Mさん、色彩をたくさん使って明るい表情の抽象ができそうです。

Tさん、独自のペースで優しさや光のイリュージョン。観念派かもしれないですね。

Oさん鮮やかなスカイブルーの風景が真っ白で消されています。

Bさんオールオーバー思考など意識向上が見られますが、何故か情念がみえそうです。

Aさん、グリッドや直線を主体にスポンジなどでのスタンプに凝ってられます。

Nさんボッチョーニ風に我が道を行く!

Oさん、明るい抽象構成から二枚目は、音楽をヒントに…

行き詰ったようで、私も少し絵具を画面上で動かすお手伝いです。

パレットが抽象画のようですね。

「やさしさ」の表現はこれで完成?二枚目に移行します。

なんでしょうね。楽しげです。

描いたものを壊す決意に3時間かかったそうです。案ずるより産むが易し…

 そんなこんなで、三日目午後は合評会です。20名の熱い思い中々壮観ですね。

 

それぞれに思いを語り、みんなからの批評も受けます。

 抽象とは、読んで字の如く「象(カタチ)を抽(ヒ)きだすこと」。モチーフや作家作例、頭の中の考え方などをヒントに、自ら画面という造形を工夫することです。
その意味では作例模写に埋没し、苦しまれた分もあったと思いますが、皆さん本当に熱心に取り組まれ、最後は中々ご自分の表現として仕上がり、とても造形への意識が高まったのではないかと思いました。

 絵画とは自分の思考やアイデアばかりでは成立せず、実際のキャンバスと絵具との格闘でもあります。今回はそのことを痛感されたのではないでしょうか。
是非今回の経験を大切にし、より自由でありながら画面の質へと向かうことを忘れないようにして下さい。
 皆さん、是非三年次テキスト課題をクリアし、卒制へ来られるのを待ってます。
(報告:山河)