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2021年7月27日火曜日

洋画Ⅱ-2 人体油彩1(T1)が、7/17,18東京で開催されました。 
担当は、小林先生(主担当)・山本先生のお二人です。 
以下、小林先生から頂いたスクーリング報告をどうぞご高覧ください。 
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 一日目 午前 初日の午前中はクロッキーを行います。 
10分のポーズから徐々にポーズの時間を短くしていって、 
3~4分程度の時間で描くことまでを体験します。 
クロッキーとは「速写」と訳されていますが、 
短時間で人物や動物などの動きを捉えるといったものです。 
形の正確さも大切ですが、 
クロッキーの場合、その動きが感じられる表現になっているかどうかが大事です。 
時間が短いので、陰影や調子は入らずに線的な表現が中心になります。





 
 学生の数が多いので、モデルさんは2名です。 
ポーズごとに好きな場所に移動して描きます。
 フットワークもよくしたほうが
クロッキーには相応しい教室の雰囲気かと思います。
 
 一日目 午後 
午後からは固定のポーズで、木炭紙と木炭でデッサンを行います。 
立ちポーズを囲むようにして、好きな位置を選びます。 
 全身が画面に収まるようにプロポーションを確認しながら、 
ゆっくりと進むような感じでスタートします。 




 モデルさんを描く場合は、 
集中力が高まるので自然と教室には緊張感が生まれます。 
 人物のデッサンは伝統的な美術教育の中心にあったものだと思いますが、 
今でもデッサンの中心にあるものと言っていいでしょう。 
 一日目のポーズ終了後、 作品を移動して並べて見ました
(その時の写真はありません)

 自分の作品を少し距離を取って見ることは、
ポーズの休憩中にも、 それぞれにやっていることですが、 
全体で並べてみると、自分の作品であっても新しく気がつくことがあります。 
また、明日はこうして行こうと考える時間にもなります。 

 二日目 午前 
 午前中の初めのポーズは冷静に形のチェックがしやすい時間帯です。 
昨日の続きではあるのですが、
また新しい気持ちで取り組んで欲しいと思います。 
画面はだんだんと立体的になって行き、かつ密度を持ち始めます。 
対象に近づいて行く実感が持てる時間帯だと思います。 





 二日目 午後 
 午後も20分のポーズが5回あります。 
一応完成を目指すということになりますが、 
急に眼、鼻、口や指などの細かな部分を描写しても、 
その土台になる形態が不充分だと
しっかり描き込んだという風にはならずに、 
うわべだけの描写ということになってしまいます。 
常に全体が人体として自然に見えるかどうかを 
チェックしながら描いて行くことが大切です。 
そして、いつの時間帯でもかたちを修正し続ける姿勢が大事です。 



 デッサンというのは、 
取り組んだ姿勢やその時間などが
すべて画面に残るものではないかと思います。 
それは自分の作品を時間を経て眺めた時に感じることができるはずです。 
何を考えてそうしたのか、できたと思えるところとか、 
上手くいかなかったところなど、いろいろと覚えているはずです。 
今回の作品を見返す時を楽しみにしてください。 


 制作終了後、講評を行いました。
作品についてのコメントを
一人2分程度で話してもらいながらの進行で、
90分程で終了しました。 

 皆さんの作品です。