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2020年8月10日月曜日

静物木炭デッサン zoomスクーリング報告 1年次西垣肇也樹

テレワーク疲れとか耳にしますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。西垣です。

627日、28日の静物木炭デッサンスクーリングもズームシステムで行われました。ここでは組み合わせたモチーフを、木炭を使って描きますが、木炭は初めてという人もおられるでしょう。

 私たち教員が木炭って良い画材ですよね!と申し上げるのは、油彩のようにすぐ黒くできたり、消したり、また重ねたりすることができるからなのですね。皆さんがオンラインで過ごされた様子をレポートしていきたいと思います。  

まずは木炭の使い方のレクチャーです。ホワイトボードの波線は木炭紙の表面の凹凸です。炭が凸にまず着いて、擦り込むと凹に入っていきますよね。描きはじめに黒くなりすぎたり、形を直したりしたい時、いきなりパンや練り消しを使わず指で押さえたり布で叩いたりします。


ちなみに、イーゼルを使用するときの画面はどれくらいの高さにしていますか?私がいつもお伝えしているのは、自身の肩の位置を画面中心に合わせる、という方法。手を画面に伸ばして、上から下までストレスフリーで描けます。

オンライン授業では、画面上の作品に赤ペンで描きこみます。対面では直接絵に触れて指導することもありますが、これはこれで便利です。この作品に関しては、椅子のトーンが少し強いので奥行きのある空間が出ていません。全体のバランスを考えると、椅子をどの程度描く必要があるかを確認しました。


この作品は白がとても美しいですね。木炭らしいグレーの調子も出ていて良いです。赤く囲ったところのトーン幅をもう少し増やして、机面での布のシワなど質感を深めればもっと主役と脇役がわかりやすいかなと思います。

少しモチーフ数が多くて作者も混乱しているところがあるのですが、ここまでしっかり全てを描き切ることができるのも力がある証拠でしょうか。


椅子を主役として、スケール感のある構図で良いです。前後関係、あるいは空間性とも言えますが、その表現が弱いです。特に一番手前にある植物は強く描いて存在感出すと良いでしょう。

傘と椅子という大きなモチーフが特徴です。木炭紙は大きいので、これくらいのモチーフでも対応できますね。作者はトーンの微調整を進めて、階調のバランスを探ることができました。

 

今回思ったのは、自宅にあるモチーフを用いてかなりのバリエーション豊かな作品が作れるということです。皆さんそれぞれが、どれくらい広く、あるいは奥行きを作って描こうかと工夫することができて、そこが独自性につながりました。これが自宅でやる良さですね。もちろん教員としては直接顔を見て、作品を前にやりとりしたいところですが、反面それぞれがモチーフ選びから組み立て、制作手順まで、責任を持つことで新たな収穫がありました。かなり濃厚な時間がオンラインの中でも流れているのを実感しています。それは皆さんの作品から見ても明らかです。早くコロナウイルスの収束を願うばかりですが、オンラインでもできることはたくさんありますし、オンラインならではの良さもたくさんありましたね!お疲れ様でした。     西垣