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2013年11月18日月曜日

(洋画2年次 Ⅳ-2 コンポジション)授業スクーリング報告

 2年生スクーリングも終盤を迎えています。スクーリング最後の科目でもある「コンポジション」の11月8日〜10日に行われた授業からの報告です。
授業を担当された一居孝明先生から報告していただきます。

 
「まずは、コンポジション講座を受講されたみなさん、お疲れ様でした。
15号サイズの作品を1日に1枚ずつ、3日間連続で3作品仕上げるという、内容的にも、時間的にとてもハードな授業です。大変な3日間でしたが、充実していて、達成感のある3日間だったのではないでしょうか。
 このコンポジションのスクーリング授業は、2年次の総仕上げの意味合いがあります。造形に対する理解をより深め、3年次へ向けての独自表現のための発見やヒントとなり、自分の造形意識を見直す上でも大切な授業です。
モチーフは基本的には3日間同じです。まず1日目は1つの視点から対象を観察し、補色を混色して作ったグレーを使って描きます。補色同士を混ぜ合わせて生まれるグレーを試したり、微妙な色味を調整したりと、パレット上で色を混ぜている皆さんは生き生きした様子が印象的でした。
 2日目はモチーフを様々な視点から観察し、一つの画面にいくつかの違う視点から見たモチーフを構成していきます。この日は、筆は一切使用せず、ペインティングナイフだけで描いていきます。絵の具は茶系と白黒のモノトーンのみで描きます。普段、筆で薄塗りしか出来ない人も、自然と使う絵の具の量が多くなり、ぐいぐいと画面に着けていきます。完成した作品が、今までとはまるで違う強い印象の作品になっていて、感激する人もいました。
 3日目は、いよいよ色彩を中心に描写していきます。1日目の明暗バランス、2日目のマチエールや多視点の構図での発見を生かして制作します。2日間使えなかった鮮やかな色彩を、うっぷんを晴らすようにダイナミックに使って描く人、2日目に使ったナイフの感触を確かめるようにナイフで着けていく人、それぞれが自分の造形への確かな手ごたえを感じながら制作していました。」


一日目補色の混色による制作

一日目の成果

2日目の多視点からのデッサン

二日目の油彩。ペインティングナイフのみで描きました

三日目の制作

最後の日は色彩も形態も各自自由に描きます

下段から一日目、中段、二日目、上段は三日目の制作。上下とも一人の仕事です。


バリエーション豊かですね。一人の人間がこんなに多彩な見方ができるなんて!


皆さん充実した三日間でしたね。一日一枚のペースで描くなんて、スクーリングならではの成果ともいえますが、この集中力を一端身体に刻めば、制作の力も度胸もグンとアップします。 2年生総仕上げと一居先生がおっしゃるとおり、制作への次の手応えを感じられたことでしょう。 皆さんおつかれさまでした。(K.)