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2018年10月30日火曜日

京都スクーリング報告

 今回は京都で行われた一年次スクーリング人体油彩Ⅰの報告が西垣先生より届きました。ほぼ、春から続けてこられた皆さんが受講されておられるのだと思いますが、あっ、そうそう取り忘れていた!または、あまり受講していないけれど、などと思われる皆さんも、忙しい中テキストだけをやるのは大変だと思います。学習を進めていくうえで、仲間ができたり、励みにもなりますので是非どんどん受講していって下さいね。
 はたまた、スクーリングばかり進み過ぎる方は、少しセーブしながらテキストにも着手していただければと存じます。

 ところで、皆さん!KUAD blogというものをご存じでしょうか?
大学全体のブログです。大学最初の頁に毎月アップするものを決めてありますので、時折は除いてみて下さい。
 先生方が若干ですが、見え方に工夫を凝らしてアップしています。外部の方もたくさん洋画の中身を覗けるようにしてあるというわけです。
 大学の頁を開くことがあれば、ワンクリック!洋画のブログはどれがアップされているか覗いてみて下さい。

《洋画Ⅱ-2「人体油彩1」》


期間:10月12日(金)~17日(水)


担当:前半 水口裕務先生、後半 西垣肇也樹先生


 今回は人体油彩後半で、女性モデルを油絵の具で描きます。特に使ってはいけない色制限が無いので、自由に混色をすることができます。しかし、油絵の経験が少ない方には絵の具の基礎的な使い方が分からなかったり、人物の形をとるのに苦労したりと、悩みどころ満載でハードな授業とも言えるでしょう。

まずはクロッキーから。3ポーズでどのポーズにするか、学生の皆さんと考えて行きます。





ポーズが決定しました。座っているけど動きのあるポーズ。




頭はこのくらいの大きさ?足の長さは?細かく観察するとどうしても全体を忘れます。頭から足まで一緒に見て、画面にどう入れるかの構図が勝負!


ムーブマンを見て。




絵の具が乗り始めました。背景と同時に進めることが大切です。人体油彩は塗り絵ではなく、人体をその周りを描く空間表現です。




初日の大詰めです。制作スピードはまちまちなので進み具合が変わって来ますね。でも焦っては駄目。とにかく最初は人体の形を見て行きましょう。重心はどうですか?



初日修了です。全体に2層から1層塗られた状態が多いでしょうか。誰かが油彩に入ると自分も、とつられて焦る方も多いですが、各々のタイミングを大切して、じっくりクロッキーで構図を考えたり、プロポーションの確認をしたりしても良いかなと思いました。





二日目は、怖がらずどんどん混色をやっていきます。絵の具の量が少ないと、油絵本来の厚みが表現できません。気持ち多めにパレッドに絵の具を出すようにすれば、自ずと厚みが意識出来ます。



良い進み具合。皆さん、3、4層くらい絵の具を重ねることが出来ていて、それぞれの人体観察が画面に出て来ました。



みなさん自分の画面を疑い、常にご自身の絵と格闘されていました。今回の学生さんは特に、背景と人物との関係性をしっかり探って下さる方が多い印象でした。というのも、絵を描くことは足し算だけではなく、引き算も必要で、描いて消して繰り返しながら、人体と向き合うことに成功していました。
そして、描き込みはもちろんですが、常にプロポーションも見直してみましょう。




ご自身の作品を、離れて見る、比べてみる、意見を言ってみる、と多角的なアプローチをすることで、数々の発見があると思います。初日、二日目も学生さん同士で意見の交換や感想の言い合いなど、もっとあってもいいかもしれませんね。
みなさん本当にお疲れさまでした!
(報告:西垣先生)

※水口先生、西垣先生お疲れさまでした。
受講された皆さんは、人体が初めての方もおられると思います。そうでなくてもこのように連続して「ヌード」を見続けるということは日常生活では稀ですよね。
でも、モチーフやモデルを見続けて描くからこそ、観察力もあがりデッサン力がついていくのです。とはいっても、今度は構図や絵具の問題も登場するのでややこしいことも確かですね。こうして繰り返していくうちに次第に絵画脳が開発されていくのだと思います。
 休まずたゆまず、自宅でも研鑽をしていただくことが、何よりの上達になると思います。絵画を生活の一部にできれば”勝ち”です。頑張りましょうね。(Y)

2018年10月28日日曜日

京都スクーリング報告

 秋本番も少しずつ寒さがまし、まもなく冬の声も聞こえてきそうです。
風邪が流行っているうえ、季節の変わり目は体調を崩しやすいのでみなさんご注意のほどを…さて今回は、基礎が終わりいよいよ自由な表現へ向かう3年次配当科目となる「人」スクーリングが届きました。
 皆さんが考えながらどのような表現へと向かっていくのかご覧いただければと思います。

3年次スクーリング報告

<洋画Ⅴ-2【人】スクーリング>


20181012日[金]~ 17日[水]/ 京都キャンパス


前半:2019年10月12日(金)~14日(日) 担当:一居孝明先生
後半:2019年10月15日(月)~17日(水) 担当:水口裕務先生


 洋画Ⅴ-2【人】を受講された皆さんお疲れ様でした。
 ここでの課題は、「人」をモチーフにし、先ずはじっくりと人というものと向き合い、現代に生きる私達にとって人とは何なのか、そこから何を感じるのか、何が見えるのか等、それぞれが感じ取ったことを考え、絵画表現していきます。
 前半3日間はスケッチやカメラによる取材を行い、そこで発見した自分の興味や考えをどのように視覚化していくのか、アイデアスケッチやエスキースを制作し充分に構想を練り、後半のタブロー制作に繋げていきます。
 前半は、一居が担当させていただきましたが、皆さんそれぞれ人から受けた印象を様々な角度から分析し、熱心に取り組んでおられました。また、タブロー制作に入る前の、3日間のエスキース段階でのプロセスの大切さを実感していただけたのではないでしょうか。これからの、独自表現にも是非生かしてほしいと思います。


 1日目、実際に自分自身も含め人をストレートに「見る、視る、観る」していきましょう。充分な取材はできたでしょうか。多くの情報を得ることは、先ずは対象を知る上でとても大切なことです。それでは、取材をもとにドローイング、アイデアスケッチの開始です。
 取材成果の検討

構想のためのドローイング

学友との意見交換 

 2日目は、ドローイングやアイデアスケッチ、取材写真をもとに自分の考えを整理し、エスキースを制作していきます。情報不足を感じた人は追加取材を行い、自分の考えをより確かにしていました。その積極的な姿勢に好感を持ちました。

エスキース制作の始まり

画面サイズでデフォルメ

温度と色彩の関係を探る

構図の吟味推敲が続く


3日目午前は、エスキースの最終的な詰めを行い、午後からは、充分に実験や研究を重ね、制作したエスキースをもとにプレゼンテーションです。自分の思いを言葉にすることは、描くことは勿論のこと自分の考えをより確かにすることができます。皆さん堂々と語り、意味のある経験ができたと思います。写実的なイメージのものからイラスト風のもの、内面的なイメージのもの、メッセージ性を強く意識したもの、思う存分楽しく描こうとしている作品等々、明日からのタブロー制作、どんな作品になっていくのか、とても楽しみです。

 プレゼンテーション、発表と意見交換会

猫になりたい思いを語る

人体デッサンを終えた1年次生も見学

それでは水口先生にバトンタッチです。よろしくお願いします。
(報告 一居孝明)

一居先生ご苦労さまでした。ネコになりたい人がいたのですね。!

 さて後半、6日間連続のc日程17名に加えて、後半からs日程6名が合流しました。うれしくも2教室を繋げた広いスペースで総勢23名の制作が展開されました。

後半の制作空間、ミーティングテーブルもある
  
ここでは前半のエスキースを油彩表現におこしていきます。しかしこれが思考を止めた作業になってはつまりません。もとより良質のタブローがわずか2日半で仕上がるものでもなく、とすれば狭い手の内に留まらない試行錯誤があってしかるべき、必ずしも整えた完成を求めていないことを伝えました。
担当教員が代わったことで改めて個別の質疑応答を行い、より明解なテーマ内容や、より豊かな画面づくりを問いかけるなか、それぞれが一歩踏み込んだ表現意識をもって進められたようです。

後半2日目をみておきます。実に残念ながら1名がご欠席され全22名、うち1名は撮影漏れ(猫の方)ですが、個々に持ち込まれた問題意識はさまざまです。世代ごとの美意識がみられるのも通信ならではの楽しさです。


誤解を覚悟で本人提出のキーワード(意訳もあり)を付しておきます。
・遠い記憶、静かな心象 ・一人一人が背負うもの ・幸福感、歌声
・デジタル世界を彷徨う ・戦争の予感 ・温度、内と外
・存在の移ろい ・虚実の交錯と意思の力 ・姉と妹の思い
・見えない溝、確執 ・虚像のわたし、軽い幻想味 ・人と猿の寓意
・三様の子たち ・老若、それぞれの時間 ・女子学生の未来
・今日的若者、寂しさ ・ジャンプ、繋がる ・食す、粘膜刺激の快感
・感情、フォト調と古典技法 ・存在の時間、抽象化 ・影、タイルの色

以上、参考まで。こういった言葉からも描き手の人間観がうかがえます。表現が進むにつれ、当初の問題意識と表裏一体にあった内容にまで考えが及んだかもしれません。


後半2日目のミーティング、寸評会

最終日、講評会

 講評会、続き


22作品、一定の完成を確認しました

ここでの体験学習をもって、例え決定的な絵づくりに出会えなくとも、自分らしい持ち味や弱点に気づきがあれば、それも大きな収穫です。
まだ見ぬ自分のテーマ表現を探るいま、本題の「人」に限らずあらゆるモノ・事から興味の中心を探り、伝えるべき内容に気づくこと(テーマの発見)、題材選び、取材、構想を重ね、自分らしい表現方法を確立していくこと(テーマの表現)、こういった一連の探究が日常となることを望んでやみません。
皆さん、連続6日間、あるいは半年に跨った長丁場、おつかれさまでした。

(報告 水口裕務)

水口先生もお疲れさまでした!

※熱心に回って話を聞きながら指導しておられた姿が印象的でした。
本当に様々なことを考えておられる方たちがおられるのでしょうね。
それを頭ごなしにするのは簡単ですが、しっかり意図を聞きながら指導するのは本当に大変だと思います。
受講された皆さん、まだまだ思うようにいかぬ部分もあると思いますが、それこそが表現への第一歩!うまく行かぬ積み重ねこそが、新しいものを作り出していく洋画コースの力です。多くの卒業生たちが賞をもらい、活躍するのは悩んだからこそなのです。
今回、自分の考えたことに自信をもって、是非突き進んでいって下さい!(Y)



2018年10月24日水曜日

千秋堂ファイナルvol.5「樂」報告

天高く気高く、秋爽やかです。
先週の土曜日、本学瓜生山の頂きにある千秋堂にて大学院1年生による、
恒例のはがきドローイングの展覧会茶会が行われました。

前の院のスクーリングでも紹介されていましたね。
今回がファイナル。
この5年間皆様多くの卒業生の方々がここ千秋堂に足を御運びくださり、
皆様ありがとうございました!!!

院生たちも制作の合間にせっせとドローイングを50枚描きため、
千秋堂という数奇屋建築にどのように飾るかを考えました。
描くだけでなく
空間と絵の関わりを少し体験しました。

まずは、ドローイングの振り返り。







どんどん描きます。
この小さな世界から、ドデカイ世界が出現するかも。



例えばこんな風に。
さて千秋堂準備風景。

下準備も大変やったね。


 

これは何?

こうして葉書がずれないように貼るんです!

ありがとう!!!
お茶碗も焼きました。伊羅保。


10月20日はしみじみとしたお天気でした。





玄関入口


 
        モビールに葉書吊るします。                    


                         

待ち合い部屋


そして飯島宗照先生のご講義が始まり。
西洋と東洋の美意識について語られます。

本席床の間




                   
お点前も学生です。

講義の後は皆でおよばれ。


お菓子は亀屋良長の「山づと」と小布施堂の「樂雁」



院生3人。正座はかなわん?

人面茶碗?銘は「座敷わらじ」


皆さんありがとうございました。

水屋は大わらわ。誰か飲んでますけど。



M2の学生もきてくれました。

久しぶりの修了生も。


私たち11月にグループ展します!!

下の人も一緒。

私も上の3人と展覧会します。


千秋堂メンバーたち。


お疲れ様


楽しいやらしんどいやら、千秋堂の一日は瞬く間に過ぎました。

次回はM1は次年度に向けた制作を計画開始、今年度の振り返りです。

皆さんの日々の歴史を
この50枚のはがきで綴ったように、
毎日一筆描いて下さい。

多くの方に支えられた千秋堂でした。
皆様にお礼申し上げます。(K.)