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2019年6月28日金曜日

京都スクーリング洋画Ⅴ-2b人

スクーリングが盛況な週末ですが、先ごろ終了した「人」の京都でのスクーリング報告です。
担当された富士篤実先生から。

三年次人スクーリング、5月25・26日に前半、
6月15・16日に後半を行いました。前半はエスキースを制作し、後半にはエスキースを
元にタブロー制作を行います。




三年次からはいよいよ自由制作が始まりますので、はじめに制作の進め
方のお話を少ししました。これまでとは違って取材により写真を資料と
して使えるようになるので、「写真を写し描きする課題ではないですよ。」
とのお話をしましたね。写真はあくまで取材、資料の一部で、スケッチ
で不足する情報を補うものですね。



スライドによる作品紹介。すごく簡単にですが美術史上でどのように人
が描かれて来たのかとのお話。物語を語る上での人。内面や心情を表す
ための人。造形要素としての人。大まか流れで捉えるとこの3つ分類が
見られるのではないかとお話しました。




事前課題のプランスケッチをもとに簡単にお話していただきました。
言葉に置き換えることで、自身が思ってもいない考えが発見できたのでは
ないでしょうか。勇気がいることですが、たとえ内容が矛盾してしても絵
の内容を話すって大切ですね。



作者のお話を聞くのも大切。
その後エスキース制作。
できたものを一部紹介。





あくまでエスキースなので、大まかな計画にとどめておきたい部分もあり
ますが、まだ自由制作は始まったばかりなので充分過ぎるくらい練ってお
いてよいかと思います。

徐々に描きどころを本番のタブローに残せるようになると良いですね。

後半からはいよいよタブロー制作へ。







前半に制作したエスキースを元に制作。

気持ちや考え方は日々変化していくものですから、エスキースと違う表現が
タブローに現れて良いと思います。
ただ、変化しすぎても制作を迷わせる要因にもなるかと思います。
あまり気持ちに振り回されすぎないためにも、エスキースをベースキャンプ
として制作の方針を思い出せる場所としておいてください。


キャンバスを寝かせて制作されていたSさん。


完成イメージを持ちながらも、キャンバスに様々なアプローチをし
イメージを広げるHさん。途中経過をあらためて見返すと面白いですね。








お二方はある特定の人たちへ手紙を書くように絵を描かれていましたね。
「誰に伝えたいのか」を考えると表現の方針も決めやすそうですね。



Oさんは、娘さんへの手紙でしょうか。背景との関係で描かれている人物
の印象も変わります。

制作は続き・・・
そして合評会です。




作者ご自身に作品を語っていただき、私なりの解釈で
作品を解説するように合評してみました。
様々なご意見が聞けて、私自身も新鮮でした。
楽しい合評会でした。

4日間でのスクーリングでしたが、皆さん本当に良くがんばって制作され
ましたね。いつもスクーリングを終えると、制作は時間で善し悪しが決ま
るものでははないのだなと思います。短い時間でも皆さんやればできるこ
とを証明されました。後はご自宅での制作もこの調子で続けてテキスト課
題に取り組んでみてください。今回の授業内容を制作手順の基本とし、自
身の制作に合わせてカスタマイズしながら制作しやすい環境を整えてくだ
さい。皆様のご活躍、期待しております!!       (富士篤実)





富士先生から丁寧なスクーリング報告をいただきました。ありがとうございました。
翌日のフォローアップで数名の方と面談致しましたが、講評会が終わった後も制作の続きをさている方が大半でした。二日間化になり、決して時間は潤沢ではなかったと思います。しかし事前課題にしっかり取り組み、エスキースを通して自分にとって「人」というテーマがもたらすものを練られたことはとても良かったと思います。
自由制作を楽しみながら、これからのテキスト課題をどんどんこなされてください!!!(K.)

大学からのお知らせです。

洋画コースの皆さんへ

「秋の収穫祭」がリニューアルしました!

 京都造形芸術大学通信教育部が毎年開催している全国の卒業生修了生、在学生を対象とした学習支援の一つ、「秋の収穫祭」を今年度リニューアルいたしました。この活動は日本各地での卒業生修了生と在学生の交流、また地域の特質を再発見すること、学習継続の契機となることなどを目的に開催されてまいりました。今年度はこの活動をより充実したものとする為、名称を「収穫祭」とし、開催を従来の「秋」から1年を通しての実施とし、より多くの卒業生修了生、在学生の参加につながることを目標にしています。また、受講後、規定に基づいたレポートの提出で、学部共通専門教育科目「地域芸術実践1」(TX科目)として2単位の単位修得も可能になりました。別表にありますように、今年度は全国で8回の開催を予定しております。洋画コース奥田担当の6月の東京印刷博物館は終了しましたが、7月の北海道、秋以降の尾道や鹿児島、奈良や高知もあります。それぞれの日程は確定していますが、それぞれの詳細や申し込みは決定次第のお知らせとなりますのでwebをご覧ください。みなさまのご参加をお待ちしております。
                                  洋画コース 奥田輝芳


2019年6月26日水曜日

6月末から7月の展覧会のご案内

みなさま、西日本はまだまだ空梅雨、これから豪雨がくるなどというと少しいやな気がしますが…暑い夏、雨による被害など十分お気を付け下さい。何よりも健康が一番!
展覧会のお知らせです。

まずは、すっかり忘れていてもうすでに始まっているのですが、皆さんご存知の先生方もたくさん出しておられる京都ギャラリーヒルゲートでの小品展です。



またおついででもあればご覧になって下さい。


次は由井武人先生の個展案内です。
こちらは美術館近くの岡崎にある現代美術老舗ギャラリー16です。何か不思議なものが描かれています、楽しみですね。




お近くまでいらした際は是非覗いてあげて下さい。

最後は卒業生の展覧会です。

2012年度卒業生の皆さんによる同期展のお知らせです。


最近みやこめっせでの同期展が増えてまいりました。丁度6/28に、2016年度生による、FRAME展GA終ったばかり。引き続き2012年度生16名による展覧会です。お楽しみに!

さて次は

女性像で近年活躍している鈴木那奈さんと祇園祭を描き続ける杉森康彦さんが出しておられます。こちらは大丸京都店の6F美術画廊で行われます。祇園祭りにお出かけの際は是非ご覧下さい。



大丸進出おめでとうございます。なんか女性像が多い中に杉森さんの祇園祭がポツンと一つ入っているのが面白いですね。

さて最後は少し遠すぎますが、山河の展覧会案内です。
片田舎など、いつも遠い場所ばかりで申し訳ありません。
よくわからないドイツ語の案内なので下記に日本用フライヤーをつけておきます。
秋には同じ内容の展覧会を福井越前市和紙の里「卯立の工芸館」で開催予定です。
また時期が近づいたらお知らせしますが、これも遠いので重ね重ね申し訳ありません。


こちらが日本語版です。


※まだ印刷が届いていないので先生方にもお配りできておりません(Y)









2019年6月20日木曜日

東京スクーリング3年「洋画Ⅴ-2(人)a」


 皆さんお元気ですか?

東京外苑キャンパスで 5/18~19と6/8~9の計4日間で行われた3年次スクーリング「人」の授業模様を紹介します。受講者は23名と多いですね。
前半小林良一先生、後半酒巻洋一先生からのご報告です。

「洋画Ⅴ-2(人)a 前半」5/18() 19() 担当 小林良一

人物画や人体を描くということとも違う人という題材は、とても幅が広く、どのような視点から人間を見てゆくのかを考えて表現します。

1日目
スクーリングの2日間化にともない、事前の課題に取り組んでもらうことになりました。
プランのエスキース2点とそれについてのレポート800字程度ということで、午前中に一人ずつ、作品の前でレポートを読み上げてもらいました。

他の学生がどのように考えているのかを知ることはとても興味深く、有効なことだと思います。
25号サイズの画用紙をカットして、各自エスキースの制作を始めます。



あらかじめ描いてきたものを大きなサイズに描く人もいれば、描く対象は変えずに大幅に構図の変更をする人などさまざまです。






2日目
引き続きエスキースの制作。
キャンバスと同サイズのエスキースを制作することが、この授業の目的なのですが、いろいろと迷いも出てきます。違う構図のほうがいいのか、表現の方法を変えたほうがいいのではとか・・・

授業中では時間の制約がありますが、本来エスキースはいろいろと思いついたことを試してみて確認するといったプロセスだと思います、普段から何か浮かんだらメモやスケッチをすることを習慣にしてほしいですね








午後は330分までの制作でその後2時間程度の講評会です。
人のなにをテーマとし、どのように表現しようとしているかを語っていただきました。

後半のキャンバスによる制作までに日にちがあるので、まだ納得できないところや不安な箇所があるなど、学生によりさまざまですが、各自制作のモチベーションを持ち続けていただければと思います。












さてスクーリング後半が始まりました。

「洋画Ⅴ-2(人)a」後半 68日(土)、9日(日) 
             担当:酒巻洋一 SA田中愛子

「洋画Ⅴ-2(人)a」後半のスクーリングを担当しました。
前半の2日間でのエスキース制作がどのように進行していたのか、前半担当の小林先生からの申し送りであらましを聞いていたものの、実際に拝見し、事前課題で自らの考えを言語化し、ラフスケッチを準備してきたことが影響したようで、十分に後半の制作に入る準備ができているように感じました。そこで、長いレクチャーはせず、後半の油彩制作に入っていきました。

         


 23名の受講生が、イーゼルにキャンバスを立てると、かなりの密度です。
各自自身の画面に没入しつつ、まわりのエネルギーにも刺激を受けながら
制作が進みます。

         


大きな平筆を使い、描かれている部分との関係を見ながら、
絵の具を乗せていくストロークが、緊張感を感じつつ、
気持ちよさそうです。

         

25号のキャンバスをパレット代わりに使っている方もいました。
驚きのアイデア!?





2日間、「人」の存在が立ち上がりかけては消え、消えかけてはまた見えてくる。
画面に対峙しながら格闘している後ろ姿。ご本人は言語化できるコンセプトはない
と言っていましたが、十分に目的意識を感じます。




今までには考えもしなかった画面作り。このスクーリングならではの
試みだと思います。これから手掛ける3年次の自由課題に向け
ヒントを探しているように感じました。






2日目の15時から合評会を行いました。イーゼルの下段にエスキースを、上段に油彩を置き並べましたが、受講生が多いので、2回に分けて、感想、課題とすること、発見したこと、それぞれに語っていただきながら、たっぷり2時間の時間を使い進行しました。お一人お一人の言葉の中に、迷いや戸惑いを含めながら、新しい発見の芽があるように聞こえてきました。
今までの制作と大きく違い、与えられたものではなく、自ら探し、その動機について言葉にし、そして画面で具現化する。今回のスクーリングで体験した制作プロセスを、これからの課題、そして卒業制作につなげてほしいと感じました。
                                                                                         酒巻洋一

小林先生、酒巻先生ありがとうございました。

京都では先週末に「人」のスクーリングが終了しました。京都の報告もまたお知らせします。
今年からの二日間スクーリングが行われ、京都の「花」や東京の「人」のスクーリングが洋画の今期出発の授業でした。さすがに3年次の授業で、誰一人事前課題が未提出の方はおられず、先生方は学生各自が制作についての考えを示すことで制作をより深めることになったと評価されていました。
絵画は必ずしも言語に依存するものではありませんが、描くとき、あるいは描きながら、私たちは考え自問し振り返り筆を進めます。絵画の画面がもたらす事象にも目を澄ましていかねばなりませんが、自らの思いや目標もまた絵画を動かす大きな力となります。高年次に向かってみなさんの益々のご活躍を期待しています!(K.)