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2019年6月20日木曜日

東京スクーリング3年「洋画Ⅴ-2(人)a」


 皆さんお元気ですか?

東京外苑キャンパスで 5/18~19と6/8~9の計4日間で行われた3年次スクーリング「人」の授業模様を紹介します。受講者は23名と多いですね。
前半小林良一先生、後半酒巻洋一先生からのご報告です。

「洋画Ⅴ-2(人)a 前半」5/18() 19() 担当 小林良一

人物画や人体を描くということとも違う人という題材は、とても幅が広く、どのような視点から人間を見てゆくのかを考えて表現します。

1日目
スクーリングの2日間化にともない、事前の課題に取り組んでもらうことになりました。
プランのエスキース2点とそれについてのレポート800字程度ということで、午前中に一人ずつ、作品の前でレポートを読み上げてもらいました。

他の学生がどのように考えているのかを知ることはとても興味深く、有効なことだと思います。
25号サイズの画用紙をカットして、各自エスキースの制作を始めます。



あらかじめ描いてきたものを大きなサイズに描く人もいれば、描く対象は変えずに大幅に構図の変更をする人などさまざまです。






2日目
引き続きエスキースの制作。
キャンバスと同サイズのエスキースを制作することが、この授業の目的なのですが、いろいろと迷いも出てきます。違う構図のほうがいいのか、表現の方法を変えたほうがいいのではとか・・・

授業中では時間の制約がありますが、本来エスキースはいろいろと思いついたことを試してみて確認するといったプロセスだと思います、普段から何か浮かんだらメモやスケッチをすることを習慣にしてほしいですね








午後は330分までの制作でその後2時間程度の講評会です。
人のなにをテーマとし、どのように表現しようとしているかを語っていただきました。

後半のキャンバスによる制作までに日にちがあるので、まだ納得できないところや不安な箇所があるなど、学生によりさまざまですが、各自制作のモチベーションを持ち続けていただければと思います。












さてスクーリング後半が始まりました。

「洋画Ⅴ-2(人)a」後半 68日(土)、9日(日) 
             担当:酒巻洋一 SA田中愛子

「洋画Ⅴ-2(人)a」後半のスクーリングを担当しました。
前半の2日間でのエスキース制作がどのように進行していたのか、前半担当の小林先生からの申し送りであらましを聞いていたものの、実際に拝見し、事前課題で自らの考えを言語化し、ラフスケッチを準備してきたことが影響したようで、十分に後半の制作に入る準備ができているように感じました。そこで、長いレクチャーはせず、後半の油彩制作に入っていきました。

         


 23名の受講生が、イーゼルにキャンバスを立てると、かなりの密度です。
各自自身の画面に没入しつつ、まわりのエネルギーにも刺激を受けながら
制作が進みます。

         


大きな平筆を使い、描かれている部分との関係を見ながら、
絵の具を乗せていくストロークが、緊張感を感じつつ、
気持ちよさそうです。

         

25号のキャンバスをパレット代わりに使っている方もいました。
驚きのアイデア!?





2日間、「人」の存在が立ち上がりかけては消え、消えかけてはまた見えてくる。
画面に対峙しながら格闘している後ろ姿。ご本人は言語化できるコンセプトはない
と言っていましたが、十分に目的意識を感じます。




今までには考えもしなかった画面作り。このスクーリングならではの
試みだと思います。これから手掛ける3年次の自由課題に向け
ヒントを探しているように感じました。






2日目の15時から合評会を行いました。イーゼルの下段にエスキースを、上段に油彩を置き並べましたが、受講生が多いので、2回に分けて、感想、課題とすること、発見したこと、それぞれに語っていただきながら、たっぷり2時間の時間を使い進行しました。お一人お一人の言葉の中に、迷いや戸惑いを含めながら、新しい発見の芽があるように聞こえてきました。
今までの制作と大きく違い、与えられたものではなく、自ら探し、その動機について言葉にし、そして画面で具現化する。今回のスクーリングで体験した制作プロセスを、これからの課題、そして卒業制作につなげてほしいと感じました。
                                                                                         酒巻洋一

小林先生、酒巻先生ありがとうございました。

京都では先週末に「人」のスクーリングが終了しました。京都の報告もまたお知らせします。
今年からの二日間スクーリングが行われ、京都の「花」や東京の「人」のスクーリングが洋画の今期出発の授業でした。さすがに3年次の授業で、誰一人事前課題が未提出の方はおられず、先生方は学生各自が制作についての考えを示すことで制作をより深めることになったと評価されていました。
絵画は必ずしも言語に依存するものではありませんが、描くとき、あるいは描きながら、私たちは考え自問し振り返り筆を進めます。絵画の画面がもたらす事象にも目を澄ましていかねばなりませんが、自らの思いや目標もまた絵画を動かす大きな力となります。高年次に向かってみなさんの益々のご活躍を期待しています!(K.)