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2019年8月26日月曜日

2年次IV-1「静物油彩ー構成」報告です。

 静物油彩IV-1は4日間のスケジュールで行うカリキュラムです。前半2日は写真を用いたコラージュ表現を学びます。20世紀の初めにキュビスムやフォーヴィスム、表現主義などが登場し、絵画の世界は対象を写すことから新しい創作物を生み出すことへと展開されました。同時に個性への注目度も高まり、作家のオリジナリティーが重要視されるようになります。ここでは絵画創作での「構成」について学習を進めます。絵画が本来平面であり、絵画は描くだけのものではなく、造形するものとしての理解を深めます。写真を用いてコラージュ手法を用いて画面の作り方、「構成」に考え且つ実習します。
 事前課題は卓上の静物10枚の写真。その写真やあらためて撮った写真アドのプリントをボール紙に配置し「静物油彩」のエスキースを作ります。持参物の用紙、セロファン、新聞紙、その他様々なものを貼り付けるのもOK、アクリル絵具やパステルでの彩色も可能ですが今回は控えめです。





 持ってこられた写真は人それぞれ、写真以外の紙や布など、様々な素材も使用可能。











 実に賑やかで楽しそうです。次は後半の2日。ここでは油彩に移ります。あまりに楽しくていっぱい貼りすぎると、描くのが大変になります。そこで、程よくトリミングをして、描くことができる状況にエスキースを絞り込みます。写真は出来上がったコラージュですが、さて後半の2日間でどうなるでしょう。本当に楽しみです。まずは今回の講評会をざっと行って、皆さんの作品の出来栄えを確認して、それぞれの良いところを共有できたと思います。





前半2日のコラージュを終えての講評。
そして、宿題ではありませんでしたが、
できたコラージュをトレースします。
絵具やカーボン紙、チャコペーパーを使って、このトレース作業を行います。




これが一仕事で大方の人がご自宅で済ませて来られました。
その作業がなかったらと思うとゾッとします。
さすが!



洋画II-1(静物油彩1)後半戦

 8月24、25日に後半の洋画II-1(静物油彩1)が行われました。いよいよ油彩の登場となり、今度は丁寧に塗っていく作業です。塗り絵になっても構いません。丁寧にコラージュを絵具で再現していただきました。日頃の直感的な書き方で、絵具がどんどん厚塗りになってもOKですが、微妙な調子までしっかりと再現するのが目標です。ちょっと窮屈な人もおられましたが、油彩表現の多様さを垣間見ていただけたのではないでしょうか。



イーゼルから外して平置きにして作業を進めるのもOKです。


オリジナルの腕枕の登場?
腕枕ではないか。


テープによるマスキングも。

色々工夫が凝らされます。



コラージュからトリミングするのもOKです。









かなりの集中力が必要です。

みなさまお疲れ様でした。

完成作品ですが、まだまだやり切れてないとみなさんくやしそう。






















みなさんかなりの集中力で2日間を充実しものにされました。
それでも描き足りないときはどうぞご自宅で思う存分制作されてください。
完成が見えるとこれまた達成感が湧いてきます。

 これから3年次へ進まれ、自由課題が増えてきます。卒業制作に至って、自主的に描くことの難しさに直面されると思いますが、絵を描く描き方はいっぱいあります。ハウツーをめくっても様々ですし、人の作品を見てもこれも本当に様々です。
 絵画は造形物ですから好きにやって良い。が原則ですから、今回の課題のような静物油彩があっていいのです。みなさんのますますの挑戦を期待します。(O)