二年次に入ると人体油彩もただ描くだけではなく、人体の仕組みがどうなっているのかを確認しながら、立体としての人体を画面に造りあげる工夫をしていきます。
その入口として、絵画では珍しく彫刻のように塑造を行い、デッサンや油彩にその感覚を活かしていきます。
今回は京都で行われた「人体油彩a」が、担当された城野先生から報告が届いていますのでご覧ください。
洋画Ⅲ−1 「人体油彩2」(塑造と油彩)
前半 6/15(金)~6/17(日)
後半 7/13(金)~7/15(日)
担当:城野愛子先生、藤部恭代先生
人体の構造や量感を立体的に把握するために
この授業では油彩に先立ち塑造に取り組みます。
■前半
<1日目>
前半は塑造と木炭デッサンです。
クロッキーで人体のポーズを決めたら
まずは心棒制作から
輪郭ではなく中心から外へ、かたちの張りを探る体験。
夕方には小講義
1日目は藤部先生にもご指導いただきました。
人体全体を貫く軸のかたちをみつけましょう
<2日目>
午前中は塑造制作を続けます
いろいろな方向からかたちのつながりを確かめて…
午後からは木炭デッサンです。
粘土で探った感覚の醒めないうちにざっくりと。
夕方には塑造と途中のデッサンを並べて講評。
<3日目>
デッサンを続けます
デッサン合評風景
塑造でつかんだ量感や起伏や奥行きの実感を平面上で組み立てるために必要な明暗の差、油彩でも忘れずに意識していきましょう。
■後半
<1日目>
後半は油彩です。
前半から1ヶ月経ち、教室も移動しましたが、
同じモデルさんにほぼ同じポーズをお願いしました。
描きだしは人体の大きな軸と動きをとらえて伸びやかに
自由に色味の幅を広げながら明暗を合わせていきます
夕方には作品を並べて寸評
<2日目>
油彩制作を続けます
夕方には中間講評します
<3日目>
人体と空間を同時に見比べながら
明暗・色彩・線・マチエール等も生かして…
作品をいくつかご紹介します。
合評風景です。
塑造制作で手の実感として確かめた肩の厚みや筋肉のかたち、人体や空間の奥行きが皆さんそれぞれによく意識された実在感のある制作であったと思います。
これからもがんばっていきましょう。
(報告:城野先生)
※みなさん、初めての体験ながらとても熱心に取り組まれていますね。きっと今までと違い見えているだけではない何かを感じられたと思います。
途中簡単ながら人体解剖学や骸骨のサンプルなども登場し、きっと骨組みや筋肉の動きなども意識されたことと思います。
もちろん全てが理解できなくても大丈夫!そのように探究する気持ちが、実感のこもった画面を造らせてくれるのです。
それぞれの油彩から、絵画のもつ不思議なリアリティが伝わってきます。(Y)