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2017年6月21日水曜日

東京スクーリング石膏デッサン

 続いて行われた東京でのスクーリング報告です。
こちらは山本先生の石膏デッサンですね。
東京はどうだったでしょうか。山本先生からの報告です。

《洋画Ⅰ-2》 石膏木炭デッサン 

担当:山本 努 先生

期間:6月9日(金)~11日(日)

東京外苑キャンパスにて、6月9日ー11日の期間で行われました。
24名の学生さんが参加されました。
 1日目のガイダンスでは簡単な石膏像のオリジナルについて、物の捉え方から木炭の扱い方までデモンストレーションを交えながら説明します。
 とはいえ、言葉と目の前でのデモではわからないことも多いでしょう。クロッキーを終え、午後より木炭紙に実践して頂きます。初日には酒巻先生が一緒に寸評まで指導して頂きました。
 23日目、像の大きな形態感を捉えるため、大まかに面で構造を捉えたものを徐々に中くらい、細かくと描き進めていきます。
 丁度、粘土でモデリングしていく感覚です。大きな形態感、像の持つ流れなどを盛りつけ、削り取っていく中から作っていきます。そうして構造が出来上がった中から像の表面的な(細かい凹凸)を描いていきます。
 いきなり表面を描いても中が中空で量感の無い薄っぺらいもモノになってしまいます。逆に、執拗に形態を追いかけ描き進めれば、その痕跡が厚みや量感として画面に蓄積してくれるはずです。

 講評では、それぞれの学生さんの思いや、制作中の事柄などを踏まえてお話いただき、進行致しました。結果としての画面も良い出来だったと思いますが、それ以上に経過のやり取りの中に今後の制作に活きてくるモノがあったのではないでしょうか。
 素材の扱い方、制作の組み立て方ももちろんですが、うまく行かない事柄に向き合いながら形態を作っていく。今後も時間を見つけてデッサン、ドローイングなど手を動かし続けて頂きたいです。
 個人的に木炭紙は紙のマチエールの故か他の支持体よりも白く発光して見えます。そこに、木炭の鮮やかな黒がコントラストを作るので描きだしが一番緊張します。また、トーンを作る為に、ガーゼなどで抑えることで、退色し、形態がぼやける。
 画面のなかで出現と減退、創造と破壊といった出来事が繰り返され、より作り、制御し、または捨て、しかし結果にまかせる。
 画面全体で行われる状況を判断しながら描き進めます。自分を中心に、というよりは画面と自身の精神的な距離が近くなるように感じます。観た痕跡が画面に積み重ねられること。そのありようについて再度アプローチする、画面とのやり取りが重要であり、面白みがあるように感じます。
それは、油彩であったり絵画を描く上での対象と画面と自身の関係、やり取りについて体感を通じて学習いただればと思います。
(報告:山本先生)
※初日に酒巻先生のお手伝いがあったようですが、24名というクラスでは山本先生指導で手一杯だったでしょうね。貴重な報告ありがとうございます。
 そうですね。最初はただ観察し、正確に描くだけが目的になりがちですが、やがてキャンバスや紙面といった画面とのやりとりも大切になってきます。皆さんは意識できたでしょうか。(Y)