手違いで、前掲の構想と日にちが前後しましたが、一年次「静物油彩1」のスクーリング報告が由井先生より届きましたのでアップします。
《洋画Ⅱ-1 静物油彩1》
期間:7月15日(金)~17日(日)
担当:由井武人先生
「 色を視る 」
先週の7/15〜7/17、京都の瓜生山キャンパスにて一年次の静物油彩1のスクーリングが行われました。
白いモチーフの中に色味を感じ、混色と色の響き合いで画面に立体感や空間の奥行きを捉えようというこの課題、長靴やらヘルメットやらこんな物が絵になるのかという白い物ばかりが集められた教室で、これから初めて油絵を描こうという方には何が見えたのでしょうか?
あるいはその見え方はどう変わっていったのでしょうか?
詳しい制作のプロセスは7/8から東京で同じスクーリングを行われた安富先生がブログで報告してくださっているのでそちらをご確認ください。
京都の方では途中段階をのぞいてみましょう。
まだ立体感や奥行きは出ていませんがシルエットごとの色彩の響き合いが美しいですね。
白いモチーフの中に重ねられた三原色が響き合っています。
たっぷりと絵の具の量がのせられていて描きっぷりが気持ちいい画面です。
同じモチーフを観察していてもそこから感じる色味は様々ですね。
2日目のお昼頃だったでしょうか、ある生徒さんが「白いモチーフが白にしか見えないんですー(泣)」と嘆いておられました。ごもっともです。昨日まではそうだったかもしれません。しかし描きながら視ることを続けているとそのうちどこかで見方や見え方が変わっていくことがあります。衝撃的で感動的で説得力のある作品を見た後に日常の風景が違って見えることがありますが、それは作家のものの見方を追体験しながら目の前の物を見ているからかもしれません。ともかく粘って制作を続けていきましょう。
初めての油絵で、30号で、白い物ばかりで、3色+白しか絵の具が使えないという難しい課題ですがみなさん粘り強く制作を続けておられました。終わってかなりくたくたのご様子でしたがその分経験として得たものは大きかったのではないでしょうか。
ちなみに前述の生徒さんは合評の時に 「3日目に白い布の中に黄色が見えたんですー!そこからは描くのが楽しくなりました。」とおっしゃられていました。
(報告:由井先生)
それとともに、白とは違う思わぬ強い色が陰の中で役に立ったり、白さを際立たせたりといったことも勉強ですね。怖がらず色彩を使うことが表現の幅を広げてくれるものです。
モチーフに色味を感じることも楽しいですが、光線の美しさを表現するために画面上に色を扱う、といった面白さを実感できるといいですね。(Y)