でも、なんだか盛り上がりに欠け、汗だくになってこそ祇園祭らしいって勝手に思った次第です。
今日の山鉾巡行は如何でしょうか。
さて、今日は安冨先生から東京外苑で行われたスクーリングの報告が届きましたのでアップします。安冨先生、受講生のみなさまお疲れさまでした。
《洋画Ⅱ-1 静物油彩1》
7月8(金)~10日(日) 担当:安冨洋貴先生
暑さも増してきました7月上旬の3日間、東京外苑キャンパスで「静物油彩1」の授業を行いました。白い布をかけた台上に、白い物のみで構成されたモチーフが置かれています。
ちょうど鉛筆や木炭を使ったモノクロームの明暗で立体や空間を表現する課題(デッサン)の次に、この授業を受講された方も多く、明暗に色彩が加わったとき如何にして画面内に空間を表現するのか、その関係を探求します。
描きたい一角を選び、エスキースをします。
どこを選びトリミングし、構成するのかも重要です。
途中、確認の意味で、円筒形、立方体、回転体(植木鉢やビン)といった基本的な形態の、置かれている位置や角度による見え方の推移、またそれらを寝かせた時の捉え方を説明しました。数枚のエスキースの後、キャンバスに木炭または絵具で描き始めます。ここで構図を再確認する感もあります。
キャンバスには予め中間トーンの地塗りを施しています。その上に大きく明・中・暗のトーンを乗せ、大きな量感と空間を感じさせる組み立てを試みます。
輪郭線の中を塗りつぶすのではなく、面を捉え直す意識で…
2日目~3日目。
明暗対比だけではなく彩度の差も画面内に空間を表現するための要素となることを説明し、白いモチーフを前に色彩を感じ取ろうと筆が入っています。
画面手前のパレット上にも注目してください。使っている絵具は三原色と白色のみですが、混色することで様々な色彩を得ています。
この段階では青系の色が多いのですが、後に複雑に色彩が重なっていきました。
見難いかもしれませんが、同じく画面手前や画面左のパレットでは、微妙な混色がなされています。 画面内での空間の距離感、対象物が同じ台の面に乗っている感じがするかなど、最後まで絶えず確認と調整をします。
合評では多様な作品が並びました。 白い物に限定したモチーフをもとに描いていても、作者が何に関心を抱き描くのかは実に様々で、色彩のみならずトリミングによる構図、その他の要素によってそれが伺えました。
眼の前に広がる対象は奥行きのある空間なのに対して、キャンバスはそれ自体に奥行きのない一枚の平面。なので空間(奥行きの距離)を平面上に表すとき、工夫し変換する必要に迫られます。
モノと自身の間の距離、前後に重なるモノとモノの間の距離、広く空間を描くための変換の手掛かりは、距離による明度差、彩度差、また隣り合う色相など多様にあります。
これからもこのデリケートなやり取りにどれだけ意識を重ねたかを、絵具の重なりで伝えて見せてほしいと思います。
以上(報告:安冨先生)
※真っ白でまとめられた静物。テキストで梱包デッサンをされた方は明暗でボリュームを見るためかなと思われたでしょうね。しかし、そこに加え慣れぬ油絵具の三原色だけで描く?その上に単に白く描くのではなく色で表現することを考えよう!という目標までついてきます。
とってもシンプルな課題ですが、「ボリューム(量感)という存在感を自ら色を作り出し、色で表現する。」という絵画を学ぶ上ではとっても大事な課題です。難しかったかも知れませんが、白や陰にも様々な色味があることに気づかれた思います。
未来の芸術作品のため、慌てずたゆまず努力を惜しまずにがんばっていきましょう。(Y)