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2016年7月25日月曜日

東京スクーリング報告

 こんにちは、
先日面談で外苑キャンパスへ行きましたが、例年に比べるとまだ暑いという感じではなかったですが、徐々に猛暑に突入していくのでしょうか。

 スクーリングの方も京都・東京とも一年次から四年次、そして大学院と立て続けにスクーリングの毎日、これかれ続々と報告が届くことと思います。
まずは、今日東京山本先生から石膏デッサンの報告が届きましたのでアップしておきます。

《洋画Ⅰ-2 石膏木炭デッサン》


日程:7月1(金)~3日(日)担当:山本努先生・酒巻先生) 


 東京外苑キャンパスでの石膏木炭デッサンでは、連日暑い日が続く中24名の学生の皆さんに参加いただきました。
例年、木炭を使ったデッサンを制作することが初めての方も多いため、初日ではガイダンスを行って木炭の使い方、木炭紙の質など基本的な使用方法から始めます。また、描き出しの段階でのカタチの取り方、トーンの付け方など簡単ではありましたが実演させて頂き、各自の制作に入らせて頂きました。
そのため、わからない事も多い状況の初心者の方であっても描き始める事が出来たのではないかと思います。とはいえ、やはり実践してみなければわからない事が多いのでその後の過程で講師が個別に指導を行います。


 描き初めでは、白い紙に対して鉛筆では感じられないような、炭の黒が鮮やかに発色するため、そのコントラストに怖さを覚えた方もおられました。しかし、進むにつれてはじめ置いたトーンをガーゼや手を駆使して調整する面白みとその難しさに熱中して取り組んで頂けたと感じています。
最初は、怖い部分もあるかとは思いますが、大きなタッチで大胆にトーンを置いて行く事が後の制作と土台する上で重要です。また、その際にどこを描くためのトーンなのかを意識しながら、意思を持って制作する事が大切です。

 2日目以降では、カタチの確認を行いながら、塊の中にある大きな形態の変化からその次の小さな形態の変化を探しながら、より対象である石膏像に忠実なデッサンを目指していきます。
部分的に出来上がっても全体での形態に狂いがあれば良い石膏デッサンとは言えません。全体を見渡す大きな視点と今描いている部分の視点を交互に見る必要があります。
2日目では、酒巻先生も実技指導と中間講評に参加して頂きました。絵画と立体と表現媒体の広い制作される先生ですので、多角度的アプローチがあり幅のある指導体制がとれたと思います。


 3日目では、全体を確認して頂きながら、細部を描き込んで行きます。描き易くない細部として明るすぎて、または暗すぎて見えない回り込みの部分など丁寧に観察する事で画面の中に対象の像が”ある”感じが描けます。

3日間を通じて構図やトーンバランス、像の持つ全体の流れなど一通り説明させて頂きました。
その上で、あまりこう描いてくださいと強制もしなかったのは、”なぜうまく行かないのか”を考えることも重要かと思うからです。
場合によっては難しいことになって、より描き込みたい部分に手が入らなかった、そういった方も居られたかもしれません。うまく行くとき、いかないときに、それがなぜ起こることなのか、その経験を基として自身のプロセスを構築して行く事が、近道かと思いますし、自己表現にも繋がって行きます。その結果、楽しんで描けるようになれます。その先には次の新しい壁も待ち受けていると思いますが、それも一歩前進したと楽しめると思います。



 それぞれの方に苦労や、思い残した部分もあるかとは思いますが、11点に持ち味のある価値あるデッサンに仕上がったと思います。色調の美しい方、迫力のある方、細部の描き込みの優れている方、光や空気感の表現に優れている方、構図の組み立てに面白みのある方、形態の歪みや巧みでない部分は、多くの方が初心者な為にある程度ありますが、その部分が気にならないほど、それぞれの方の持っておられる独自性のカラーが表出したデッサンになりました。次回に繋げる反省点と自信を持って伸ばして頂きたい部分があります。

講評でも申しましたが、是非大切に保管して頂いて、様々な場面で見返して頂きたいと思います。

(報告:山本先生)

※山本先生、受講生の皆さんお疲れさまでした。
酒巻先生もヘルプありがとうございました。
学生さんも暑い中ご苦労さまですが、25名という少し多めの人数、初めての方も多く指導の方も大変だったと思います。ホントに写真を撮る時間もなかったでしょうね…

 何故白い石膏像を描かねばならないのか?この石膏像は一体どこのものか?木炭の使い方は?イーゼルの使い勝手、木炭紙の筋目など一杯学ぶことがあった受講生の皆さんも三日間という時間が長いようで、あっという間に過ぎたのではないでしょうか。
 山本先生の報告にあるように、出来た部分とできない部分、次に生かすための反省はともかくしっかりとせねばなりませんが、ともかくやりおおせたという自負を持ち、描くことへの自信を深めながら次のスクーリングやテキスト課題に取り組んで下さい。

あくまでスクーリングはテキストを行ううえでの補助的な機会、スクーリングばかりでなく、テキスト課題と向き合ってこそ力が着きますので、自宅での学習も少しずつ進める努力をお願いします。(Y)