戦後70年の今年は夏以降戦争を巡る様々な展覧会が各地で行われました。
東京、群馬、名古屋、広島、長崎と。
秋を前に終了した展覧会もありますが、
東京現代美術館で現在開催中の展覧会からひとつ紹介。
といってもこれは戦争をテーマにしたものではありません。
戦後の美術の歩みを館所有のコレクションを通して辿るものです。
時代時代の社会の動向が絵画とどういう接点をもっているのでしょうか。
皆さんも、絵画が無言で語ることに眼を澄ましてみませんか?
ほか現在開催中の展覧会や、秋以降の特別展を紹介します。
MOTコレクション 戦後美術クローズアップ
2015年7月18日(土)-10月12日
東京都現代美術館
石井茂雄、井上長三郎、大岩オスカール、香月泰男、桂ゆき、工藤哲巳、菅井汲、杉全直、鶴岡政男、中原實、浜田知明、福島秀子、横尾忠則、米谷清和ほか_
福島秀子 |
李禹煥 |
横尾忠則 |
パウル・クレー だれにも ないしょ。
2015年9月19日(土)-11月23日(月・祝)
兵庫県立美術館
午前10時~午後6時(金・土曜日は午後8時まで)
入場は閉館30分前まで
2011年に京都国立近代美術館で開催されて以来の久しぶりのクレー展です。
日本では人気のクレーですから、
5年に一度くらいのスパンんで各地で開催されていますね。
展覧会タイトルにもあるように、クレーには何やら秘密めいた謎が見え隠れします。
以前京都では、その技法の秘密を解き明かしたものでしたが、
今回は何が明らかになるのでしょう。
さて京都ではいよいよ琳派400年の節目を飾る最終の展覧会が、京都国立博物館と京都国立近代美術館で開催されます。
琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る
2015年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
京都国立博物館 平成知新館
今回の見物は、重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻が初公開されます。
宗達、光悦共演―光と歌のシンフォニー 全期間、全巻、全長13.56メートル!
海上を飛翔し、地上で羽を休める鶴が金銀泥で描かれ、(宗達、画)
その上に三十六歌仙の和歌が墨跡で優雅に書かれています(光悦、書)。
当時の意匠にはまだ千羽鶴という様式も概念もなかったそうですが、
全長13,56mもの長さに鶴のみがどのように描かれているか、
斬新な宗達の意匠をご覧下さい。
さて近代美術館では、
琳派400年記念 「琳派イメージ」展
2015年10月9日(金)~ 11月23日(月・祝)
京博と近美。同時に琳派展!
京都ならではの展覧会ですね。
記念講演会「抽象表現とリアリティ」
京都ならではの展覧会ですね。
記念講演会「抽象表現とリアリティ」
講師:上村淳之氏(10月31日(土)午後2時~午後3時30分
が行われます。
が行われます。
各展覧会とも様々なイベントや講演が行われるのですが、眼を引いたのがこの上村敦之氏の「抽象表現とリアリティ」というお話です。
琳派展ですから、勿論日本画の世界。
上村氏も日本画家です。(かの上村松園がおばあさまにあたる日本画家のお血筋の方。)
琳派を通して上記のタイトルのお話とは?
古来の日本画の装飾的な技法がふんだんに盛り込まれた絵画の世界で、
「抽象表現とリアリティー」というお話が魅力的ですね。
私たちも一緒に考えていきたいテーマです。(K.)