5月初旬だというのに、外は厳しい陽射しで、まるで夏みたいです。
本学では、2年、3年、4年のスクーリング中。教室は熱気に満ちています。
またこのスクーリング報告は追ってお知らせしましょう。
今日は現在展覧会中の東島毅先生の個展と、もうすぐ開催される古野恵美子先生の展覧会のお知らせをいたします。
東島先生は通信の初年度1998年度から2001年まで通信で指導されていて、大学院でもお世話になった学生も多いことでしょう。
現在倉敷の大原美術館の有隣荘で展覧会開催中です。
平成27年度春の有隣荘特別公開 東島毅ーキズと光
2014年4月24日(金)ー5月10日(日)
10:00~16:30(閉場30分前まで入場)一般1000円、学生500円
有隣荘
大原美術館の向かいにある黄土色に光る屋根瓦と同色の土塀に囲まれた、ひときわ瀟洒な日本建築が有隣荘です。
大原美術館の創設者大原孫三郎氏が、病弱な妻寿美子さんを気遣い建設されたものだそうですが、その日本建築(伊藤忠太設計)での発表です。
ここ有隣荘では近年、現代美術の発表の場としても広く知られていますね。
さて東島先生の発表はどのようなものなのでしょうか。
内部撮影は禁止されていますので、ここではお知らせできませんが、興味のある方はぜひ倉敷の美観地区にある、この館へお出かけください。
巨大なキャンバス/油彩作品が皆さんを出迎えます。
有隣荘庭園からの採光や瑞々しい緑の風景を眺めながら、内と外の境界線は払われ
光や風が行き来するなかで、この建築と対峙するかのように、スケール感のある大きな作品が鎮座しています。東島先生の絵です。自然の光彩のなかでじっくりと眺めましょう。
そして「キズ」とは一体何でしょうか。
皆さんそれぞれが何らかの形でキャンバスに残すものと同じでしょうか?
その痕跡を、東島先生のキズと光を見つめてみませんか?
さてもう一つの展覧会は古野恵美子先生の個展です。
古野恵美子展
京阪百貨店 守口店 6階京阪美術画廊
2014年5月14日(木)~5月20日(水)
10:00~20:00(最終日は17時まで)
古野先生は昨年は京都で個展を開催されていましたが、
今回は大阪の守口です。
京阪守口駅構内を出てすぐ百貨店がありますから、とても分かりやすい場所ですね。
古野先生の絵画にはいろんな人々が登場します。
雄大な風景の中に点在する人々が横一列に描かれていたり、その風景のなかに何か四角い幾何形態のようなものが描かれていたりしますね。
唐突なのだけれど、決して不自然ではない景色の中で様々なポーズをとる人々。
子供から大人まで、沢山。
そこに自分自身の分身を見つける方も多いのではないでしょうか。
前々回のブログで、今年度の担当学年とともに1年2年の先生方を紹介しました。
もうすぐ先生に指導していただけるでしょう。その前にぜひ展覧会へどうぞ!
その他にも
高松次郎 制作の軌跡
開催中〜7月5日 10:00~17:00
国立国際美術館(大阪)
赤瀬川原平の芸術源論展1960年から現在まで
開催中〜5/31まで
広島市現代美術館(広島)
このお二人は60年代はじめハイレッドセンターという美術家集団(もう一人中西夏之氏の3人)を結成してハプニングを行い当時の社会と美術のありようを問いかけました。
既に二人は鬼籍にはいられましたが、共に様々なスタイルに変化しても、一貫した姿勢で言葉とものの、社会とものの関係を構造的考え、多くの記録や作品、執筆本が残されています。
国立国際美術館の常設展でも高松作品をよく目にしますが、今回は総数450点にものぼる作品が展示されています。
また東京では現在
若冲と蕪村
開催中〜5/10
サントリー美術館10:00~18:00(5/3,4は20:00まで)
が行われています。
同時代に生まれ(若冲1716年生まれ)京都で活躍した若冲と蕪村(1783年生まれ)の生誕300年を記念してその代表作が展示されています。
水墨をはじめ、中国・朝鮮の絵画にはじまり、それぞれの観察の目は、様々なモチーフや俳諧にまで世界を広げて、彼らの興味は果てしなく深まります。
若冲の六曲一双屏風「象と捕鯨図」と、
蕪村の六曲一双屏風「山水図」が、一列に並び合って展示されているのは圧巻でした。
高松次郎と赤瀬側源平。蕪村と若冲。
時代は違いますが、それぞれの時代に、こうした好敵手がいて競争し、切磋琢磨して自身の仕事を高めているのでしょうね。そんな風にも見えます。(K.)