皆さんこんにちは。
このところ展覧会のご案内をいただいて、意外な事に気がつきました。ご夫婦ともに制作されている方々が造形大関係者に多いのです。
今日は10月の展覧会を振り返り、またこれからの展覧会をご紹介するなかで、ご夫婦制作の秘密をさぐってみましょう。
まず近々開催の展覧会情報から。前に東京で新制作展のご案内をしましたね。本学卒業生や現学生も沢山入選。その京都巡回展です。
第77回新制作展
10月19日〜10月29日京都市美術館
午前9時—午後5時(入場4時30分まで)
この新制作展には2年ご担当の一居孝明先生と奥様の一居弘美さんが共に会員として出品されています。 まだ先ですが、お二人の二人展が11月19日からギャラリー恵風(京都)で
開催されますので、またお知らせいたします。
続いて
大森 啓•長谷川宏美二人展です。
10月23日(水)〜28(月)守山市民ホール•展示室
10:00~17:00 TEL 077-583-2532
長谷川宏美先生も2年ご担当ですが、大森啓氏はご主人で、お二人ともに国画会の会員として活躍されています。今回はどのような作品をみせていただけるのでしょうか。楽しみですね。
長谷川先生からのコメントです。
「2年次担当教員の長谷川宏美です。
この度10月23日(水)~28日(月)守山市民ホール・展示室にて大森啓、長谷川宏美、二人展を開催します。国展出品作を中心に、ここ数年の
大作を展示します。お近くにお越しの際には是非ご来場下さい。」
先日アートスペース東山で行われた「陶と絵画の二人展」では、
ご主人の山田周作氏と4年生ご担当の相見節子先生ご夫妻の展覧会でした。
見に行かれた方も多かったことでしょう。お二人も長い年月、お互いを尊重されて独自の道を歩んでこられてきました。(私がいうことではないですね。)
山田修作氏作品 |
相見節子先生作品 |
展覧会の作品は陶芸と絵画という全く違うスタイルですが、ものの捉え方というのでしょうか、「間」とか「空間性」に何か共通のアプローチが感じられましたが、皆さんはどのように思われましたか?
同時期に大阪天野画廊では2年生担当の城野愛子先生の個展がありましたが、先生のご主人の城野秀紀氏は二紀展に出品されていています。以前に「雲母」に書かれていましたが、
お二人は大学の同級生で、ご結婚のときアトリエのような家にしようと話し合われて、家中絵の具まみれになって制作されていたようです。
いつまでも変わらず、大学生のころのアトリエ共同制作の習慣を上手く繋げて来られたのが、ご夫婦で制作継続の秘訣かもしれませんね。
城野愛子先生 |
同時期、京都ギャラリーaにて個展開催の山河千春さんは、京都芸術短期大学のOGです。ギャラリーaでは、水彩ドローイングの風景が鮮烈に描かれていて、その軽快な筆さばきに目が留りました。やはりご夫妻で制作されています。
その他、1年ご担当の門川昭子先生、大学院のご指導をいただく森田康雄先生もご夫妻とも絵を描かれています。
今回たまたまご夫婦で制作を続けておられる関係者が多かったのでご紹介しましたが、
何を皆さんにお伝えしたいのかを考えてみました。
夫婦で表現者という人々が一番よくされていることは「対話」ではないかと思うのです。
対話によって自分のやっていることがよく見える。
絵を描く者同士ならば、作品を見れば、一目瞭然ではないかと思われるかもしれませんが、お互いの話に耳を傾ける事で、自分が何を考えているか、何を見落としているかわかってくるし、問題のポイントが何なのかも見つけさせてくれる。
ですから、別に夫婦でなくても、語ることが出来る友人を持つ事はとても大事ですね。
皆さん。これからの制作の進展を考える時、ひとりで絵を描くのはこれはもう当然にしても、周りにいる誰かに
「どう思う?」と声を掛け合いましょう。
それぞれに不安で気がかりなことを制作に抱えていますから、つい遠慮しがちになりますが、以外に自分と思っている事と違う反応が返ってきて、ハッとすることが多いのです。
では今日の最後に素敵な言葉を。
一緒に生きていくこと。
一緒に黙っていることは素敵だ。
もっと素敵なのは一緒に笑っていることだ。
二人以上で、一緒にいて、同じ体験をし、共に感動し、泣き笑いしながら同じ時間を共に生きていくのは、とても素晴らしいことだ
(ニーチェの言葉 『人間的な、あまりに人間的な』 )
これから少しずつ3,4年生の制作風景を紹介していきます。(K.)