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2021年5月10日月曜日

洋画演習1−2履修前の皆さんへ

 こんにちは。藤田です。本日はテキスト科目、とりわけ洋画演習1−2を履修前の皆さんに向けたメッセージです。該当する方は目を通してくださいね👀

1年次テキスト科目の演習1−1(デッサン科目)は鉛筆使用での科目という事もあり、早めに提出する方が多いようです。ただ、演習1−2(自画像油彩、野菜果物油彩)は油彩を使用するためか、提出に滞りが生じているケースも多々見受けられます。主に油彩にまだ慣れていない方がはじめの一歩を踏み出しにくいのだと思いますが、演習1−2(自画像油彩、野菜果物油彩)を制作するうえでのポイントをお伝えします。


まず、自画像について。まず、良い自画像と聞いて思い浮かぶ作品はあるでしょうか。例えば、ゴッホ、エゴンシーレ、松本竣介、藤田嗣治、、、。多くの自画像が残されていますが、やはり記憶に残るものはその作家の内面を感じるような作品です。外面である姿形を描いているのに内面性を感じさせる。それは絵画の持つ面白さのひとつでもありますね。自画像から滲み出る内面性は人それぞれだと思いますが、ここではもう少し基礎的な意味でのポイントをお伝えします。


👾自画像

⑴目鼻口の細部でいきなり捉えない。面として顔を捉える

⑵塗り絵にならないように、静物を描くときと同様に陰影を意識する

⑶肌の表現。ジョーンブリアンのような肌色を使用するのは慣れないうちは避けましょう 肌は半透明に近い質を持つもので、複雑な色味を持っています。混色して色味の幅を増やしましょう


⑴は「顔」というとどうしてもパーツで捉えてしまいがちです。細部に入る前に筋肉や骨格を把握して頭部として顔を見るようにしましょう。

⑵は陰影を意識する事で顔の立体感が現れてきます。

⑶は肌を描く際の下地にはテールヴェルト(くすんだ緑色)がオーソドックスな色味です。キャンバスに擦り付けるように少量の絵具を薄く伸ばして下地にします。そのほか、バーミリオンで血色を出したり、仕上げに向かうに従い、ホワイトで肌の艶や少し透けたような感じを描きます。


🍋野菜果物

⑴手前と奥の関係性。モチーフの間の隙間を空間として捉える

⑵ひとつひとつのモチーフの質の描き分け(かぼちゃのゴツゴツ、トマトのつや、白菜の柔らかさなど)

⑶立体感。輪郭線が強いと立体感が損なわれる キワ(輪郭)は柔らかく、背景と馴染ませて、モチーフの中の出っ張りなどを強調して描くと立体感が際立つ

⑴はモチーフを描きつつ、その周囲の床面も意識して平面の上に野菜果物が載っていることを忘れないよう、周囲も丁寧に描きましょう。

⑵は静物画の醍醐味です。よく観察して質を描きます。

⑶は初心者はキワの表現がイラストのように強いことが多いです。西洋画は量感がベースにあるため、立体感が欠かせません。立体感に輪郭線は不要です。輪郭線よりも中の質や出っ張りを描いていきます。


これらのポイントを参考に、テキスト科目に取り組んでみてください。最近、やる気のメカニズムについてなるほどな、と思える文章を読んだのですが、よくやる気が出ないと言いますよね。けれど実際は“やる気”というものはそもそも存在しないものなのだそうです。待っていてもそんな気は起こらない。ではどうすればやる気が湧くのか。それは、行動を起こすとそれに従ってやる気が目覚めていくのだそうです。〈行動→やる気〉であって〈やる気→行動〉ではないんですね。

確かにやる気が出ない時にも渋々ながら何か始めるといつの間にか没頭していたり、その日だけではなく長期にわたって良いリズムが生まれることがあります。

それではテキスト科目が滞っているみなさんもとりあえず下地を塗ってみる、野菜を買いに行ってみる、というところからはじめてみたら良いと思います。

それでは😉