Ⅴ-9 -《抽象》
前半:7月15(金)~17日(日)
後半:8月11日(金)~13日(日)
担当:山河全
例年晩秋に行われている東京の抽象ですが、今年度は様々な都合もあり夏の早い時期に行われました。前半は京都の祇園祭まっさかり、後半はお盆ということも手伝ってか五名という少人数でした。
次年度からは東京の卒制もいよいよスタートしますので、更に日程や教室確保が難しくなるため、研究室では次年度より「構想」と「抽象」は選択課題のため隔年開催も考えています。
単位取得に関しては選択課題なので、必ずどちらかは受けられますのでご心配なく!
前半:
抽象を理解するためのレクチャーの後、各自取材に出掛け写真やスケッチ、或いは図書からのコピーなどを持ち寄りエスキース準備にかかります。
テーブル上は資料だらけ…頭の中はまだまだ未整理ですね。
しかしともかく、イーゼルを並べエスキース起こしをしていきます。
ドローイングで手ならしをしながら徐々に絵具の扱いや
その表現力の大切さを学んでいきます。
ひととおり終わった段階で…
今度はジャスパー・ジョーンズの文字。数字からのドローイングワークショップです。
これで手と頭の体操は終わりです。
さてここからはエスキース作り、
とは言っても後半全く違うものができてくる可能性は大です。
で、前半はこのようなものができました。後半での素材や自身の表現への想い、抽象の目的などそれぞれをプレゼンテーションしてもらいました。
十分抽象の息吹を吸い込み頭は理解していますが、長年培ってきた絵画へのイメージは
簡単に払拭できるものではありません。また後半出てくるかもしれませんね。
後半:
前半で行ったドローイングやエスキースからの下描きなどを発表し後半の予定をプレゼンしたあと、ひたすら描画に挑んでいきます。
リヒターやるぞ!!
面白いけど、私のじゃない?でこうなっちゃった。
どうやっつけてやろうかなぁ~?ペンでも使うか!
で、こんなことをしている内に描くのが楽しくなってしまいました。
私どうしたらいいの?
と云っている内にどんどん画面が変化します。途中でも面白い画面が出てきているのですが本人は納得いかない様子、
気付いていないのか?
で、こんな魅力的で不思議な抽象が仕上がってきましたよ。
私は前半からひたすらマイウェイです。顔ですか?
いや~ね、樹からの発想ですけど、いつの間にか横になっちゃった。
私もマイウェイ!アイデア豊富で他も気になりますが、自分のエスキースの良さを信じてとにかく描く!
研究もとても熱心ですね。
で、頑張った作品がこれです。本当に良く頑張りましたね。
最後はそれぞれの感想や各自の発見を聞きながらの講評でした。
本当に皆さん熱心に取り組んでおられました。この経験を活かして下さいね。
(報告:山河)
※ともかく、抽象はまずやってみること。授業中にうまくいっていても実制作になると思わぬ自分の常識が顔を出します。また、うまくいかなかったと思っても楽しんで制作を重ねていると、がっしりとした名作ができることもあります。
うかつに手を出せるのも抽象の魅力ですが、自由課題として提出するにはそれなりの経験がないとみる側を納得させにくいものです。まずは楽しみながら抽象を身近に感じるようにしていくのが第一歩でしょうね。(Y)