城野愛子先生より、2年次スクーリングのご報告が届きました。
「洋画Ⅳ-2(コンポジション)」(京都) 1/9~1/11 (担当:城野愛子)
年明け最初のスクーリング、16名が参加されました。
比較的シンプルなモチーフを観察して描く中で、色、形、マチエールについて
分節的にアプローチし、画面の成り立ち=コンポジション(構成)について学びます。
毎日、少しずつ方法を変えて、F15号を1日1枚制作します。
説明の後、まず、3日間使うモチーフを皆さんで設営します。
モチーフ設営もコンポジションですね。
1日目は視点を固定し、各自が選んだ補色関係の2色と白で作るグレーのみで描きます。
(グレーの発見、絵画の明暗バランス)
1日の終わりに講評します。
2日目は、キュビズムにならって、多視点性を取り入れて描きます。
この日のパレットは、茶系の絵具と白と黒のみの混色で、溶き油を使わず、ペインティングナイフで描きます。
(マチエールと面の構成、絵画としての平面性の発見)
夕方から講評します。
3日目はフォービズムにならって、形態の説明から色彩を解放し、色彩自体が絵画のテーマになることについて考えます。
視点や使う色、描き方は自由です。(色彩と形、絵画空間の追求)
場所を替わり、他のグループが組んだモチーフを、新たな気持ちで描いてみます。
最後に1人ずつ3点全部を並べて、合評会を行いました。
合評風景です。
以後は、皆さんの作品です。イーゼル上段が3日目、下が1日目、2日目の作品です。
3日目の作品については、各自でタイトルを考えて発表してもらいました。
「スッキリ」
「南フランスの午後」
「海底の散歩」
「みどり」
「海の上の静物」
「冬のあったかい部屋」
「インパクト」
「夕陽の中の静物」
「青いブロック」
「フォービズムもどきの女」
「やわらかい日差しの中のピンクのポット」
「春よ来い」
「水に浮かぶ静物」
言葉は最初に決めず、描きながら、イメージを言葉にしていったものですが、皆さんがどのように考えて描かれていたのかが、伝わってきました。
色と形とマチエールが密接に絡み合って、何かを伝えているのがわかります。
これから先、自由制作に進まれるときにも、どんなモチーフやテーマであっても、画面が、色と形とマチエールの響きで構成(コンポジション)されていることを忘れず、一筆入れるごとに画面全体の響きがどう変わり、自分の見たい・見せたいものに近づけているかを自分でジャッジしながら(或はそれを探しながら)制作していくことが大切だと感じます。
皆さん3日間、それぞれに能動的な取り組みをされたと思います。
これからもがんばってください。今後の展開を楽しみにしております。
城野愛子
受講生の皆さん、城野先生、お疲れ様でした!