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2015年7月2日木曜日

東京スクーリング報告ー3年次「人」前半

東京スクーリング報告
さて今回の報告は東京外苑キャンパスでの制作風景です。3年次の「人」。
酒巻洋一先生から前半3日間の授業風景を紹介していただきます。


《洋画Ⅴ-2(人)b》前半

626日(金)~28日(日)
東京外苑キャンパスでの3年次スクーリング(人)の前半を担当しました。
2年次までのスクーリングとは違い、アトリエにはモチーフがなく、シラバスを読んでも みても何をするのか今一つ解りかねる1日目の導入時は11名の受講生みな戸惑いの表 情を見せていました。
スライドの解説をまじえた小講義の後、自らが考察した「人」の問題を視覚化する
ための材料を探してくるようにと言い放ち、今にも降り出しそうな梅雨空の神宮外苑へ取材に送り出しました。





取材は3講時までの予定でしたが、昼過ぎには雨が降り始め、みな早めに戻ってきました。限られた時間で撮影した画像の中から、素材としては乏しいように感じますが、見ていくうちに様々な発見があるものです。





写真に写り込んだ人々の中から選びとってドローイングした形態を切り取り、床に並べ てみます。

ラフスケッチはクロッキー帳やスケッチブックの中だけのものではありませんね。











テニスコートのフェンスの形状の研究に没頭する方もいれば、自ら書き溜めていた裸婦のクロッキーのフォルムに活路(?)を見出す方など、それぞれにアプローチは様々です。
 1日目の最後に、各自のテーブルを回りながら、それぞれが気になっている「人」の問題について、ラフスケッチを重ねながら浮かび上がってきた画面の構想について発表し、意見交換しました。さすが3年次、他の方からの発言も活発に飛び交い、1時間近くのディスカッションとなりました。





2日目、一晩考え方向性が変わった人、追加取材に出かける人もいる中、少しずつイーゼルが立ち始め、大判の画用紙で画面の構想を練り始める人も出てきました。







 
構図の問題だけでなく色彩に関しても考えていきます。




             



東京の人の多さに驚き、その雑踏を記号化して表現しようとする試み。
かたちに色を与えるのではなく、色の中にかたちを見出していく、などなど。
それぞれに、今まで考えたことのない領域に挑んでいるようです。







エスキースを一枚描き上げ、これで良いのかと考え中?






三日目、“集中度”増しています。




























最後は二時間近くに及ぶ合評会となりました。比較ではなく個々のアプローチのあり方について活発な話し合いが出来ました。「今まで、一点の作品を描くために、こんなに試行錯誤し準備をしたことはない」という発言が多く聞こえました。“生みの苦しみ”と感じるかもしれませんが、今後も考えることを楽しみながら、このような制作への助走を習慣にしてほしいと思います。後半の油彩制作も頑張ってください。                                           (酒巻洋一)

「人」というテーマをとおして学生それぞれが、自らの絵画を作り出す難しさを感じられたようですね。
3年次のこの課題は4年次の卒業制作に関わっていく大切な過程です。
悩んで、悩んで、その先にくるものにきっと皆さんの手応えがみつかることと思います。
「人」の後半を楽しみにしています。酒巻先生ありがとうございました。(K.)