《洋画Ⅴ-2 人》
後半:7月3日(金)~5日(日) 担当:津上みゆき先生
東京外苑キャンパスでの3年次スクーリング(人)後半を担当しました。
(1日目)
御挨拶もそこそこに、まずは各テーブルを巡回し、前半3日間の進行状況をお話ししていただきました。11人各自、積み重ねられてきた時間と思いが詰まったドローイングや下絵を拝見しつつ、着眼点・構想などをベースに制作についてお聞きし、簡単な感想・アイデアを交えました。
様々なお話を交換しながら、各々個性豊かなキャラクターが、何かに結びつくような、各自の手でご自身にしか生み出せない唯一の作品制作に取り組めるような、そういったヒントを探り当てたいと思案しました。
絵画というビジュアル表現に特化した私たちの共通言語は「ビジュアル」であるという結論に思い当たり、図書館から様々なカタログを教室に持ち込みました。創造の飛躍、手助けとなるかしら・・・
ルネサンス、マニエリスム、印象派、象徴主義、シュールレアリスム、抽象表現、など御馴染みのヨーロッパ・アメリカ美術にとどまらず、エジプト美術、ビザンチン美術、さらに、宗達、光琳、北斎、などなど。
東西・時空をワープして、過去の偉大な作家たちからのメッセージは皆様に届きましたか?
(2日目)
皆様のリクエストもあり、各自のテーブルを全員で巡回しつつ、クラス全体で意見交換をします。まるでアトリエ訪問、テーブルには広げられたドローイングや資料、油絵具や色鉛筆などの各自特色豊かな材料がちょうど手の届くところに並べられていて、道具にも個性や工夫が感じられます。
進行中の作品の魅力や問題点について、作者を中心にお話しは展開していきます。
お互いに屈託のない言葉が飛び交い、あっという間に時は過ぎて、お昼の時間が来てしまいました。3日間という制作期間で仕上げなきゃという焦る気持ちは何処へ、11人が11通りのプロセスを自分の事ように親身に考え、互いに思いを馳せる時間は、何にも代えがたい貴重な時間でしたね。まさに、スクーリングの醍醐味。
お互いに屈託のない言葉が飛び交い、あっという間に時は過ぎて、お昼の時間が来てしまいました。3日間という制作期間で仕上げなきゃという焦る気持ちは何処へ、11人が11通りのプロセスを自分の事ように親身に考え、互いに思いを馳せる時間は、何にも代えがたい貴重な時間でしたね。まさに、スクーリングの醍醐味。
わたしも様々な特別ゲストをお呼びし(はい、すみません、画集・図録です)、さらに発想のアクセルを導入。創作とはただ一人で筆を動かすだけではないのですね。
午後からは一転して、各自、熱のこもった集中した時間が訪れました。
午後の合間に、隣の教室にて、山本先生のご指導の下、木炭石膏デッサンをされていた一年次の方々にも、教室見学をしていただきました。大きなキャンバス、使いこなされた道具、其々に展開した「人」というテーマ制作。なにをとっても、興味津々のご様子です。
そして、黙々と制作は続きます。
(3日目)
2時30分、合評会が始まります。個性豊か、力作ぞろいですね。
「人」という捉えどころない大きなテーマ、しかし「人」というのは自分をも含む身近なものでもある。「人」について、各々の視点より考察することから始まったキャンバスが並んでいます。
「人」、長いようで短かった6日間の制作を振り返りながら、試してみた事、気付いたこと、感想など、お話ししていただきました。6日間の流れをお互いに知る同級生視線からの素朴且つ鋭い質問や、アイデア、感動、疑問などが飛び交い、真摯で白熱した合評会となりました。もちろんユーモアも盛りだくさん、次のテキスト課題のこと、これからの創作の事など、お話は尽きません。
複数制作しながらどんどん展開していく方、キャンバス制作と並行して新しいエスキースを練ることでさらに飛躍した方、個人的な感覚を共感できるテーマへと発展しようとした方、取材したことを上手く作品世界に昇華させるプロセスを掴んだ方、進行するキャンバスと最初のエスキースとに自問を継続していけた方、画集を参考に初めての描画方法に向かった方、画集を見ながら発想してくヒントを得た方、各々その姿に、まさに「人」という群像が浮かび上がりました。
(報告:津上先生)
※津上先生、受講生のみなさんお疲れさまでした。
3年次ともなると課題通りにやってきた基礎が終わり、いきなり卒制や卒業後に向け作品化せねばならぬので難しくなりますね。その分取組も真剣になるようです。
でも自分らしい作品をつくるという悩みは大きい分、苦しむだけでなく発想の自由さや表現する楽しも、是非感じていってほしいものです。(Y)