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2020年9月21日月曜日

1年次「対面」スクーリング報告 洋画II -1 静物油彩1 担当 田中愛子

  822()23()の2日間、東京外苑キャンパスで静物油彩1のスクーリング授業が行われました。今年度はコロナウイルスの影響で、外苑キャンパスでは初めての対面授業でしたが、受講生の中にはオンライン上でご一緒された方もおられて、和やかな雰囲気でスタートしました。

マスク着用、ソーシャルディスタンスを保ちながらも、直接作品を見ることができた充実した2日間でした。

 

さて今回の授業は、白を基調とした静物モチーフを油彩で描く授業です。


モチーフはこんな感じです。



①色彩のバルールを活用した奥行の表現、②三原色+白の絵具での混色、③個々のモチーフの質感の違いを意識する、というのが主な課題です。これまでの鉛筆、木炭デッサンでの学習を活かして空間を捉え、豊かな色彩表現を目指します。


油彩は今回が初めて、もしくは人体油彩に引き続き2回目という方が半分くらいだったかと思いますが、みなさんとても順調に進められました。


モチーフは2つの島に分かれて組まれています。かなりゆったりとした空間ですね。

1日目の午前中は、描きたい構図を選びエスキースをとる作業です。


たくさんある中からメインとなるモチーフを3つくらいに絞り、構図を考えていきます。

欲張ってしまいがちですが、F20号のキャンバスにどの部分を切り取るのか、どの位置からどの角度で入れるのか、モチーフの島をぐるりと回ってスケッチしながら、じっくり決めていきます。




この授業では、事前課題としてあらかじめキャンバスに下地を塗ります。

構図が決まればキャンバスに木炭で描き、午後から油彩制作に取り掛かります。


初めての方もおられましたので、簡単に油彩についてレクチャーをしました。

描き出しは主に揮発性油を使い、明暗を意識しながら絵の具を乗せていきます。



見えているモチーフに飛びついて一つずつ分けて塗ってしまいがちですが、モチーフを横断しながら画面全体の明暗を大きく捉え絵具を置いていくよう意識しましょう。


光の当たり方、手前と奥との関係を探っていくようにしてください。みなさんとても集中して、あっという間に1日目が過ぎていきました。




2日目。


めいっぱい時間を使って、引き続き制作していきます。

後半は、乾性油の割合を増やしていきます。画面のつやや絵具の重なりに変化が感じられるでしょうか。

中にはグイグイ画面に絵具を乗せる方もおられて、最初は戸惑っていた学生も、そういった方の制作を参考に画面を進めていきます。隣り合う色の関係、空間の意識、できていますか?

一緒に制作をされている方から学ぶことも多いですね。


悩み中。。



制作が進むにつれ、質感など細部に手が入ってきます。

全体のバランスを見ながら微妙な色や素材の質感の違いを意識していきましょう。

時々画面から離れ、明るいところで見ると見え方も変わりますね。






最後は、作品をずらっと並べて講評会です。

せっかくなので、隣に並んだ人の作品にも一言ずつコメントしていただきました。

話すのも練習です、と言うまでもなく、みなさんとても話し上手であっという間に時間が過ぎてしまいました。

zoomの授業で、知らない間に人前で話すことにも慣れていたのかもしれませんね。



ずらっと並べて見ますとそれぞれの苦心と発見が伝わってきます。どの作品も描き始めからたくさんの挑戦があり、丁寧で魅力的な作品に仕上がりました。いよいよこれからです。


初めて間のない方は不安があったと思いますが、枚数を重ねていけば油絵具にも慣れ、独自のカラーがどんどん出てきますのでご安心を。絵具をたっぷり使う、しっかり練るなど、絵具遊びをしてください。合わせて、デッサンやクロッキーも続けてくださいね。


これからみなさんがどんなものに魅力を感じ、また表現していくのか、その過程を楽しみにしています。


2日間、本当にお疲れ様でした。  田中愛子