洋画Ⅴ-9《抽象》後半
12月18日(金)~20日(日) 担当:山河全
さて、12月も終盤に差し掛かり、今年は24日クリスマス・イブからの卒制を残すのみとなりました。
今回はその前に行われた東京での「抽象」後半からの報告です。
先ずは前半の発想からの発展形を含めた、後半の作業や目標のプレゼンテ―ションから入りました。皆さんそれぞれに、油彩などの乾燥を含めて計画があります。
プレゼンの後、思い思いの作業にとりかかります。
頭に浮かぶ画像を手掛かりにする方や…
取材風景をもとに絵具をたっぷりと使い画面に乗せていく方、
難しいドンゴロス(荒目麻地)にアクリルで描画挑戦する方法や
計画した図面をもとに絵を起こす方法など様々です。
心の中に潜む画面を徐々に出していく
こちらは、滑りやすいキャンゾール下地に更に絵具を塗り、2日目にはスクロールする風景から…何ができるでしょう。
具象的な風景をどんな風に抽象にもっていくのか?
ポップなコラージュをエスキースに…
花のイメージからの展開!オキーフみたいですね。
こちらも花をモチーフに展開ですが描画方法が違います。
エリザベス・マーレイからフランク・ステラへと変化します。
大胆ですが、いざ本気になると難しいなァ!
それぞれに自分の目標と現実のはざまで格闘します。
白い画面が美しいですが、四辺の緊張感が問題です。
モネじゃないけど、モネみたい。ど-しょうかな?
滲みばかりでは、こんな作業も新鮮になります。
ということで過ごした三日間でしたが、皆さんそれぞれに充実した進展をみせてくれたので、
最後は合評で互いの感想も述べ合い、ひとつの達成感があったことと思います。
やや具象っぽいですがプロセスはしっかりと覚えた様子ですね。
左:白が美しく、画面隅まで神経が行きわたっています。
右:横にすると不思議な風景が、縦にするとリヒターのようにも見えます。
構成的な作品もそれぞれに表情が豊かです。
表現的な方法論にもそれぞれの個性が表れています。
ともかく、前後半六日間のスクーリングで、抽象について学びましたが、それぞれの方がなんとなく何かを掴んだように思えます。少なくとも抽象を見る目が変わったことは確実でしょうが、無理に抽象を目指すのではなく、ここで体験した絵具という特性をしっかりご自分の表現で生かせるよう努力していただければと思います。
ややこしい話を含め、抽象の歴史や思想をまなび疲れたことと思います。
ゆっくりと年末年始で疲れを癒し、次のステップへ向かって下さい。お疲れさまでした。
インフルエンザの季節になり、だんだんと寒くなります。
皆さんお身体大切に!(Y)