洋画コースでは3年次に入ると「抽象」というスクーリング授業があります。これは抽象画を目指すためではなく、抽象の意味や現代絵画を理解し、より表現の視野を拡げるため全員必修となってる科目です。
下記の日程で対面による「抽象」K1スクーリングが行われました。皆さん本当によく頑張っておられましたので授業説明とともにその作例などをご紹介します。
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洋画Ⅴ-9「抽象」K1
前半:7月10・11日
後半:8月7・8日
担当:山河 全
【前半】
まずは課題説明、事前課題発表、小講義、オートマティズム手法の紹介とたっぷりと知識的に抽象への理解を深めます。
シュールレアリズムの画家たちも同じように無意識がつくる形に新しい抽象を求めていったのでしょう。
偶然が作り出すハッとする造形…これに気付ければ大きな進歩です。
午後には、綿布パネルの作り方デモを行い後半に備え、後半の目安となるエスキースを作っていきます。
後半は事前課題綿布パネルに、効率的に作業を進めるため地塗りや下地を施して持参されます。
プラン発表後作業開始、黙々と作業に没頭します。
作業途中に皆さんが作り出すマチエールは造形ヒントの宝庫です。果たしてどのくらい活かせるでしょう。
合評では、当初の構想や結果への感想、そして授業での発見を発表し、教員からは評価コメントを伝えます。
今回の完成作品例です。
エスキースや途中はもっと華やかでしたが、より真摯に抽象に向き合った結果、整理された内容のある作品になっていると思います。
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具象的説明を抑え、抽象に徹することはそう簡単にできるものではありません。意図した構想から外れていても造形や抽象であろうと格闘努力された結果なのです。
その中に光る良さを見つけだすことが、具象・抽象に関わらず必ず皆さんの造形表現の幅を拡げてくれます。
きっとこれからの絵画表現や鑑賞の際、今までと全く違ったところに着目している自分に気付くことでしょう。
(報告:Y)