コロナ禍も一旦凪いだかのようでしたが、再び第三波に都市圏がさらされている様子。不安ですが先ずは自分の身を守ることが大切でしょうから十分ご注意ください。
今年度もあっという間に師走前、本学では先日2年次最終登場のスクーリング「コンポジション」が行われました。担当の小枝先生から報告が届いていますのでアップします。
「コンポジション」とは意味の通り「構成」で画面を如何に形作るかという造形の要素です。授業ではモチーフを用い色や形、筆、ナイフなどを如何に使うかを勉強していきます。このあたりから表現とは何かという学習に入っていきますので、だんだんと実際の作品づくりの勉強という感じですね。
洋画Ⅳ-2「コンポジション」
2020/11/21(土)~22日(日)
担当:小枝繁昭先生
11月21日(土)〜22日(日)の日程でスクーリング 洋画Ⅳ-2 [コンポジション]を開講しました。
このスクーリングは、近代絵画の黎明期に起ったキュビスムとフォビズムを追体験し、その歴史的背景を知ると共に、絵画制作の基本となる構成や色のについてを学んでいただきました。近代〜現代に至る絵画についてのレクチャーの後、同じモチーフを1日目(キュビズム)2日目(フォビズム)をそれぞれ異なる条件(制約)のもとに制作していただきました。
●1日目 キュビスム
・三次元の世界(モチーフ)を 二次元(絵画平面)に置き換える。
・使用できる構成要素
点・線・面
自立(自律)する筆触
色の限定 (補色混合により作り出されたグレー+白+黒)
①まず最初は線と面を意識しながらモチーフを平面化することから(これまで立体的に描くことを中心に学んできた皆さんには、少し戸惑いが見られました。)
②奥行きや立体感を平面に置き換えるために規則的な筆触で描画を進めましす。
●2日目 フォビスム
・色彩の自立(自律)ー 視覚で捉えたモチーフの固有色に囚われず、自由な色への置き換えで画面を構成する。
・立体感や明暗の再現描写に安易な白と黒の混色を用いない。
・三次元の世界(モチーフ)を 二次元(絵画平面)に置き換える。
・モチーフはグループごとに色味のあるモノを少し追加しています。
●合評
合評出は二日間の描画体験において考えたことや学んだこと、その結果として生み出された作品についての感想などを中心に発表していただきました。これまでは理解できなかった絵画の見方や、これから描いていく上での新たな問題点が見つけられたとの発表が印象に残りました。
コロナ禍が拡散する中、受講生の皆さん本当にお疲れ様でした。印象派から始まった近代絵画の歴史の延長線上に私たちは立っています。これからも本スクーリングの体験や学びを足掛かりにご自身の制作を俯瞰的に捉えることを心がけて下さい。これから始まる自由制作でどのような作品が生み出されてくるのか楽しみにしています。
※小枝先生、受講者の皆さんご苦労さまでした。2日で二枚の描画実験をする。という初めての経験だったと思いますが、よく考えると描きたい方法、モチーフ、画面の進方向であるイメージなどが決定していると1日でも油彩が描けるということになりますね。きっと皆さんそのことを感じていただけたのではないかと思います。考えこむより慣れろということですね。(Y)