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2020年7月9日木曜日

3年次スクーリング報告

【洋画ⅴ-1b 花】


期間:6月13(土)〜14日(日)、7月4日(土)〜7月5日(日)
担当教員:藤田亜美


本日は「花」の授業の様子をお届けします。前半はドローイング、後半は25号のキャンバスで油彩またはアクリルでの制作でした。まず前半では、事前課題のレポートでそれぞれが花を通して想う事、考える事を発表しました。授業の中でも何度か話をさせていただきましたが、この課題では花をただ描き写すのではなく、個人的な感覚やこれまで数多描かれてきた花というモチーフの持つ魅力をどう捉えて作品にするのか、という事が大切な事でした。

実際に各自が用意した花との絵画的な対話の中から、ここを絵にしよう、と掴む事ができた人はまたこれからの課題や制作の中でも今回体感した絵を描く手応え、を活かして行って欲しいと思います。思いはあっても今回それが絵にできなかった人は、「絵画的な表現」とは何か思いを巡らせてみてください。絵を描くのはピアノの演奏のようなもので、ただ音を出すことと奏でることは異なります。奏でる状態になった時に、なんとなくの状態を脱して作品制作、の領域に入ります。

流動的なイメージは持っているのに絵にしようとすると形づけられる事を拒むように散ってしまう、そんな感覚を持った事があるかもしれません。よく、美しいと感じる事ができるのは地球上で人間だけだと言いますが、個人的にはありとあらゆる存在がそれぞれに美しさを感じていてもおかしくないと思っています。それが人間の感じる美しさと一致するかは別として、感じる器官は何かしらの感想を生むかもしれません。海底でタコがツヤツヤした貝を握って何か想いを巡らせていたとしても、それは誰にもわからない事です。

感じる事は生きていれば防ぎようもない程押し寄せてきます。想うことも考える事も日々押し寄せてきます。ただそれを目に見えるものとして形づくる、と言うことが難儀なのですね。その難しさと喜びもまた感覚の波へと還っていく、、。

前半、後半それぞれ二日間という期間で仕上げまで進めるには時間が足らなかった方も、課題としてというよりも自分の作品として完成させることができたら良いですね。与えられる課題をクリアする基礎固めから表現の領域へこれから進む為に、「絵画的な表現」を頭の片隅に置いて励んでください。以下、写真は後半の25号のものです。

それではまたスクーリングでお会いしましょう。