と同時に2014年度卒業生 蜂谷真須美さんから、倍率15倍を超える難関公募コンペティション損保ジャパン「FACE2018」入選の報告もありました。蜂谷さんおめでとうございます!!また現在卒制制作の4年生の秋山博之さんが横尾忠則さんの故郷でもあり、横尾さんが審査されている第11回西脇市サムホール大賞展に入選されました。現在兵庫県の西脇市岡之山美術館で12/3まで開催されています。みなさん頑張っておられますね。
こちらは、まだ展覧会案内が掲載されていないようですが、
会期:2018年2月24日~3月30日 10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館※月曜日休館
上記の予定で開催されるようです。関東在住の方是非みてあげて下さい。
※実は他にも別の受賞報告が入っているのですが、まだ公表されていないのでアップは後にして欲しいとの本人希望です。また連絡があり次第報告しましょう。
《洋画Ⅰ-3 「静物木炭デッサン」》
期間:11月24日(金)~26日(日)
担当:由井武人先生
「 たかが炭の棒、されど炭の棒 」
どこを見ても紅葉シーズン真っ只中の秋の京都、11/24〜11/26まで瓜生山キャンパスにて1年次の静物木炭デッサンのスクーリングが行われました。
石膏や牛骨で学んだ形やプロポーション、明暗の観察に加えて1年次で唯一モチーフが複数個になるデッサン課題で、モノとモノとの関係性や空間、距離感などを捉えられるようになることがねらいです。また、黄色い布と白い布、ゴムの木の葉の濃い緑とパイプイスの黒い色などモチーフの色味の違いをトーンでどう表現するかもこの課題の醍醐味です。
石膏デッサンで苦労して木炭に苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、さあどうなったでしょうか?
どのスクーリンでも毎回言うことですが「1日目はあせらず慎重に。2日目は大胆さと勇気!3日目は粘りとこだわり。」です。
まず1日目は先を急がずに慎重に…、午前中は画面にどうモチーフを入れるかエスキースを考えていきます。絵画にとって重要な構図の研究です。午後からはプロポーションと形を探っていきます。
2日目は勇気!
とにかく大きな画面です。モチーフだけでなく、部屋の広さや明暗も観察しながら空気感を捉えベースとなるトーンを重ねていきます。
2日目の午後、ここで大胆に思いきった制作が出来るかどうかがスクーリングの充実感、満足度、得るものの多さを左右します。
腕を大きく動かしてゴシゴシと木炭をのせていくと自然と気持ちが昂揚してきて、もはや視点の固定どころではありません、スタンディングオベーション状態。
「先生、指紋がなくなりました。」とKさん。
「木炭を1日で3本使ってめちゃめちゃ楽しかった。」とYさん。
私の勝手な想像ですが、もしかしたら木炭は人類が手にした最初の絵を描く道具ではないかと思います。焚き火の後の焦げた棒で石や洞窟の壁にゴシゴシと何か描いたとしても不思議ではありません。油絵が約500年、アクリルが100年経たないくらいなのに対して、人類が何万年も前から使ってきた道具だとしたら、ゴシゴシと木炭を擦ることは人間が古くから持つ原始的な快感なのかもしれません。
3日目は、粘りとこだわり。グレープフルーツの映り込み。ゴムの木の葉っぱの厚み。布のしわの表情、パイプイスの金属の質感などそれぞれの視点で細部までこだわって追求していきます。
合評風景
今回は1年次スクーリングということもあり基本的な木炭の使い方を学びましたが本来はただの炭の棒なのでどう使おうと自由です。木炭紙にしか描けないわけでもなく、2〜4年次でも最近木炭触ってなかったなという人はたかが炭の棒くらいの気持ちでゴシゴシと遊び、制作してみてはいかがでしょうか。
されど炭の棒、意外な表現の展開につながるかもしれません。(報告:由井先生)
「 心臓の網 」 由井武人木炭作品
※そうですね。私達が学んでいる絵画は、ほんの一本の木切れでも地面に絵が描ける分野です。例え鉛筆や木炭であっても、皆さんは魔法のようにそこから絵を生み出しているのです。最初からうまく描けないかもしれませんが、その点では誇りを持って学習に臨んでいただきたいと思います。
丁度卒制も行われており、少しのぞかせてもらいましたが皆さん静かに集中しておられました。受講生の皆さんも途中卒制を見学にこられ100号二点或いはそれ以上と格闘する卒制着手の方たちの作品を見られて、圧倒もされ刺激も受けたことと思います。
おまけに由井先生の木炭で描かれた作品まであり、きっと中身は熱いスクーリングになったことと思います。(Y)