諸先生方、添削やその他仕事のお忙しい中、画像選定や文章を考えるので時間をとることがありますのでご了解願います。城野先生展覧会中のお忙しい中ありがとうございました。
《 洋画Ⅲ-1 人体油彩2「塑造と油彩」 》
前半:4月29日(金)~5月01日(日) 担当:石田歩先生
後半:5月06日(金)~8日(日) 担当:城野愛子先生
■前半
洋画コースなのに塑造?
教室という空間の中に堂々と存在する立体物・人体を粘土でデッサンする。
立体から立体への再現。全方位からの観察と塊を感じ取ることが重要。
そして平面へのデッサン。
塑造をやってからの木炭デッサンは、塊を描き取ること、空間の中に塊を描くことへ意識が向かう。
懸命なる観察と、試みの木炭デッサン。
美しい素描作品を作っているのではない。演習とは正直な実験である。
作るな。表現をするな。個性的に描くな。そこにある形を正確に描くべし。
明暗の秩序をとらえよ。
形も描き方も、モチーフに教えてもらえ。
人体という自然の創造物をモチーフに、塑像と木炭デッサンに打ち込んだ3日間であった。
(報告:石田歩先生)
■後半
a日程の後半は、9名の方が受講されました。
前半から 4日空きましたが、同じモデルさん、同じポーズ、同じ教室で、ほぼ同じアングルから、油彩F30号1点を制作しました。
エスキースを写すのではなく、しっかりとモデルさんを観察して描いていきます。
描き出しは、好きな色2色を揮発性油でうすく溶いて混色しながら、キャンバスに直接描いていきました。
人体と空間の明暗関係にも注目して画面全体に色を置いていきます。
2層目は、揮発精油7:乾性油3にシッカチーフを少量(油壷に1、2滴)入れ、好きな色を自由に使いながら、明暗や前後関係を大切にして描いていきました。
前半の塑造で、様々な方向からモデルさんを観察して、人体の形のつながりや空間上の角度を確かめたことや、粘土を加減しながら実際に手の中で量感や面の起伏を確かめたことを思い出し、立体的な観察を目指します。
そしてまた、立体を平面で表すため、明暗の差に置き換えたデッサンでの感覚も生かせるとよいと思います。
2日目は前日よりも乾性油の割合を少し上げ、絵具をさらに重ねていきます。
人体のフォルムをよりくわしく観察し、量感や起伏、前後関係に迫るよう、混色により様々な肌色を作りながら色のバルールを合わせていきます。
人体と空間の距離感も意識します。
夕方からその場でイーゼルを内向きに並べて中間講評を行いました。
3日目はフォルムを細部までくわしく見ていくと同時に、各部のトーンを全体の中で見比べて微調整し、質感や前後関係を描き出すことにつとめます。
午後からデッサンと油彩を並べて合評会を行いました。
塑造を体験したことで、人体を一方向から観察するときにも、立体的に想像しながら観察できたという感想が聞かれました。
また皆さんの制作を拝見して、混色で粘り強くトーンを調整しながらフォルムを立ち上げていく様子が、粘土で立体を立ち上げていく様子ととても近いものだと感じました。
限られた時間ですが、皆さんそれぞれが目標を意識して主体的に取り組まれたと思います。
これからもがんばっていきましょう。
(報告:城野愛子先生)
※連休の間、二週にわたる受講のみなさんは少し慌ただしかったでしょうね。本当にお疲れさまでした。その分復習も含め身に浸み込むことも多かったと思います。(Y)