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2014年7月12日土曜日

《スクーリング報告》

 今回はこの7月6日まで行われた、京都スクーリング小枝繁昭先生の「抽象・後半」と、7月9日まで行われていた「塑造と人体」石田歩先生からの報告です。

【洋画Ⅴ−9 抽象(後半)】 担当:小枝繁昭

6月13日〜15日(前半)・7月4日〜6日(後半)

上記の日程で3年次のスクーリング・洋画Ⅴ−9抽象を開講しました。参加者は卒制着手者2名を含む11名です。
 このスクーリングは、今年度から「抽象を学ぶ」から「絵画における抽象性を考える」へと内容が少し広がりました。細かな内容に関しては、受講されるまでのお楽しみとしましょう。

●前半の授業におけるこれまでの流れ
 先ず、作品を制作する上で『画面の中には、具体的なモノの形を再現しない。また、具体的なモノを連想できる形も描かない。』と言う条件を提示しました。
ほとんどの学生は、今まで具体的なモノしか描いた経験がありません。それが禁じ手となればさあ大変です。とにかく何か手掛かりを求めて屋外に取材に出かけたり、自分の内にある“何か”と向き合ったりとの迷走が始まります。その後、少しずつドローイングで構想を練り出すことになります。

 もう一つ並行して進める学習は、過去の抽象表現活動における時代背景やそれを支える思想や、西洋と日本の絵画観の差異などを検証する学習です。こちらは、グループに別れ調査内容を分担し学習を深めていきます。

前半の最終日には、作品の構想とそれに至る過程の発表を行ないました。グループ学習に関しては、分担を確認し、後期までの家庭学習となりました。


後半の授業内容

先ずは、家庭学習でまとめた結果の報告会です。(それぞれのグループで、自分たちが調査した内容を発表します。)







前半の最後に報告した構想に基づき、作品制作は自宅学習ですでに始まっています。

  バレエの経験を生かし、リズムの痕跡で描こうとする人、規則的な方法と偶然を対峙させることで画面を生み出そうとする人、モノの中に潜む光の色を探求しようとする人、仕事の経験を生かし循環や構造といったキーワードで制作に向かう人、記憶や経年変化の美しさ、赤や絵具の質感といった色や物質性を手掛かりにする人など、思い思いの試みが展開されていきます。


 
                              





















家庭学習を含めるとほぼ4週間の悪戦苦闘の末、こんな作品が生まれました。(結果として生み出された抽象?絵画、皆さんはどうご覧になりますか!)

 

 

 
 








 

最後に合評です。それぞれが考えた絵画の中に含まれる抽象性についての討論を行ないました。


  受講された皆さん、困難な授業内容にも真摯に取り組みとてもよく学習されました。これからの学習と制作に少なからず問題点を見つけだせたのではと思います。
   どうもお疲れさまでした。                             (報告小枝先生)




【洋画Ⅲ−1 人体油彩2-塑造と油彩】 担当:石田歩

7月4日〜9

 さて、こちらは男性ヌードでおなじみの、2年次該当スクーリング「塑造と油彩」です。

前半で、構造を掴むために粘土で立体を作り、デッサンをすすめていきます。
立体としての人体の構造を簡単な解剖学を含め理解し、如何に平面に存在感のある人体像を構築するかというところですね。

 皆さん悪戦苦闘だったと思いますが、かたちに塗り絵をしていく感覚ではなく、デッサンでもどっしりとした存在を感じ出していきます。





塑造とデッサンの前半講評


併せて構造やものの成り立ちを学びます。


さて後半はいよいよ油彩





塑造やデッサンとは勝手が違いますが、油彩でデッサンしていく感覚で、それぞれ大胆に絵具を扱えるようになっていきます。


 最後に合評
初体験の塑造・木炭・油彩による実在感の確認という作業如何でしたか。

受講生の皆さん、石田先生お疲れ様でした。


※さあ、いよいよ2014年度も夏にさしかかり、これからは各年次のスクーリングも目白押し!
暑い夏は疲れもでますので、十分に注意をしていただきながら、それぞれの実習で自宅では得られない貴重な学習をしていただければと思います。

 そして、それらを糧に秋にはテキスト課題も順調に進んでいくよう計画もしてください。(Y)